UFC127レビュー【フィッチは報われるか】


ニック・リング def 福田力

 WOWOWでは残念ながら福田力入場シーン「パワーホール」はカット。ネットをさまよい動画を求めてみたが、見つからなかった。WOWOWがカットしたんじゃなく、元々配信されていないような気がする。福田選手、荒くてもろい印象もありつつ、どこか「規格外さ」「底の見えなさ」が感じられて楽しい。ニンジャに勝ったという事実が、そんな期待感を担保してくれる。

結果的にはテイクダウン三昧で福田圧勝に見えたが、クレイジーな泥棒判定で涙をのんだ。ジャッジは3人とも、1Rと2Rをニック・リングにつけたらしい。ダナ・ホワイトは「またくそジャッジがやりあがった!福田は盗まれた!」とツイート、福田に勝利者ボーナスを支払ったという。


マーク・ハント def タッチシェラー

 おお、ハントの試合がWOWOWに乗った!ニュージーランド地震では大丈夫だったのだろうか。おなか周りがずいぶんにも見えたハントだったが、動きは悪くない。お馴染みの大振りのサモアンパンチを振り回し、タッチシェラーを流血葬に。ただ、ドクターチェック後にタッチシェラーが見せたグラウンドでの反撃には、相変わらず何も出来ない様子であった。フラッシュダウンを奪ったハントがパウンド追撃をしようとせず、見得を切ったりしているのがちょっと気になった。追撃して絡め取られるよりはマシということなのだろうか。

UFC Japan に来てほしい選手ではある。なおハントがこの日の「KO賞」を受賞。

WOWOW中継中、秋山の次戦にはTKがセコンドで渡米することが明らかにされていた。


カイル・ノーク def クリス・カモージ

地元選手のノークが完勝で館内大騒ぎ!まるでプロレスのスクワッシュ・マッチのよう。これはこれで見ていて気分がいいし、こっちまでうれしくなる。UFC Japan大会でも、一つでいいから、こんな風に日本人選手がスカ勝ちする試合がほしいもの。


ジョン・フィッチ draws BJペン

 オッズ的にも体格的にも、引き分けに持ち込んだというのはペンが予想以上に素晴らしかった、という評価になるのかもしれないが、個人的にはあのペンを一心不乱に削り続けるフィッチの強さがようやく腑に落ちた試合だった。フィッチが全然負けない人なのは知っているのだが、見る側にも根気を要求する試合をする人だから、実を言うとこれまで余り真剣には見ていなかったということに気がついた。今回、ペンという鏡に映したことで、やっとフィッチのとんでもない強さがわかったような気がする。ペンは日本ではライトヘビーで戦ったこともあるような人なので、この人に限っては階級は関係ないのではないかという先入観もあり、3Rに動けないまま喘ぐペンの絵柄は、何だか少し時代を感じさせて寂しくなってしまった。

 それにしても、ケージに押し付け合いながらのクリンチ合戦は、本来なら日本人ファンがイメージするUFCの退屈さの象徴であるのだろうが、ものすごい緊張感と瞬発力の炸裂ぶりに、全く目が離せなかった。

 実はWOWOW中継のド頭でダナ・ホワイトが、「1Rはペンが攻め立てるだろうが、それ以降はペンのコンディション次第だ」と試合展開を実に正しく予想していた。実際にはペンのスタミナはダナの予想より1R余計に持ち、そのことがマジョリティドローという結果に結びついたことになる。


●今回のWOWOWは、なぜか1日遅れとなり、しかも1時間45分枠での放送だった。その中で、前座の福田やハントの試合も流した関係で時間が足りなかったのかもしれないが、この大会のファイト・オブ・ザ・ナイト「ライトル vs エバーソル」はカットされていたのが残念だった。WOWOW中継が、わざわざ「ファイト・オブ・ザ・ナイト」の試合をカットしてしまうのは、これで何度目だろうか。ほとんど毎回やらかしている気がするが、一体どんな基準で、放送する試合としない試合を決めているのだろうか。編集する人がタイムシート以外、なにも見てないのだろうか。

●ジョン・フィッチ試合後コメント

ベジタリアン食の結果は素晴らしかった。そのことと試合ぶりとは関係がない。疲れていたわけではない。なにかに押しとどめられた。もっと早くフル回転するべきだった。

自分にひどくがっかりしている。準備も試合も、もっとしっかり出来たはずだ。判定は関係ない。もっと出来ると思っていた。

BJの戦略は素晴らしかった。混乱させられたし、2Rに入るまで、頭を整理してレスリングでやり返すことが出来なかった。カウンター・ボクシングをやってくると思い込んでいたんで、うろたえてしまったんだ。

(再戦について)とてもいいアイデアで、大賛成だ。すごい試合になるだろう。

BJがテイクダウンをしてくるとはおもわなかった。レスリングのディフェンスの練習は全然やっていなかった。1Rと2Rにはペンにポジションを与えてしまった。でもどちらも自分が最後は上になったし、ダメージも与えた。最低でもスプリット・デシジョンには値すると思う。(MMA Mania)



●BJペン試合後コメント

アウトボクシングには飽きが来ていたんだ。僕はグラップラーだからね。

試合が終わった直後には、たくさんの考えが頭をよぎった。でも、これが最後の試合だとは言ってないよね。今後のことは未定だ。ただ、3Rがあんな風になったことにがっかりしてる。

(再戦については)ジョンの気持ちはわかるけど、僕の場合はもう一勝しないと、ジョンとは戦えないと思う。



Fight Metric 統計。ジョン・フィッチがこの試合で繰り出した231発の打撃はUFC史上最多。とくに3Rの打撃数は134対0だった。

●ダナ・ホワイトはフィッチに厳しく当たる。ESPNの番組に出演してコメント。

ドローじゃないと思う。個人的には、1Rと2Rをペンにつけて、ペンの勝ちだと思う。3Rにはペンはやられていたが、10対8はないと思う。(BloodyElbow)

フィッチというのはあれだな、「リスペクトしてして」っていうタイプのヤツだな。もともとライト級の選手と引き分けて、最初の2Rは落としているのに、タイトル戦をやりたいだと?きっちりと勝ってみろよ。フィッチのタイトル挑戦をファンが熱望するようにしなくちゃ。(MMA Mania)



●ブライアン・エバーソールの胸毛は「ここ(アゴ)を殴ってみろ、おまえに見つけられるか?グラウンドでは勝ち目はないぞ、という意味だそうだ 」(MMA Fighting)
Angry face

Q ここに来るまで、長くて奇妙な旅でした。至福の時ですかね。

A アメリカのみんなは、あいつ何やってるんだ、って言ってたよ(声を詰まらせる)。ついにやった。クールだ。パパ、ママ、見てる?人は「MMAをやってるんですか。UFCの選手なの?」なんて聞かれる。UFCじゃないのにMMAファイターだと言うと馬鹿にされるんだ。やっと胸を張れるよ。ああ、僕はUFCファイターだよ、ってね。



*****

ウェッブ版のレスリングオブザーバーによると、メキシコAAAの Dorian Roldan 代表がツイッターで、「いまこそメキシコのプロレス会社は協力してシナジー効果を作りだそう」と、ライバル会社CMLLに呼びかけた。AAA、CMLLともに、近年の不景気でビジネスが急激に落ちており、テレビ視聴率も低下、WWE人気にも押されている状況なのだという。

オブザーバはこの動向を、メキシコのプロレス業界史にのこる驚くべきニュースだとしており、ファンの興味をそれなりに引くだろうとしながらも、両社は水と油ほどに違う会社なので、長期的に上手くやっていけるとはとても思えないと分析している。また、このような話題が本当に舞台裏ではなく公衆の面前で行われているなら画期的なことだと評価しているが、もしかすると話はすでに出来あがっているのかもしれず、その場合にはこれが最初のアングルになるのかもしれないと論じている。

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