JONES HYPE!


 われわれはたとえば、「UFCっぽい試合」「J-MMAらしい試合」というイメージを持っている。昨日のミルコの試合運びを「古くさい」と感じるのは、「UFCっぽい試合」とは何であるか、ちゃんと言語化はできないにせよ、イメージの塊として頭の中に持っていて、それと照らして評価したときに「ミルコって古くさいな」という結論を感じるわけである。

 それは我々の持つある種の「メガネ」でもあるし、先入観でもある。僕はこれまで何度か、そのメガネを無理やりに作ってきた。最初はリングスのときだ。「プロレスメガネ」しか持っていなかった僕には、最初は正直、リングスは退屈だった。実を言えば最初はドロップキックの炸裂を待っていた。でも、RINGSにはついていった方がいい、メガネを作った方がいいと決めて見続けていると、頭の中にイメージが形作られていった。こういうことは、継続すれば鍛えられるものなのである。前田も、リングス初期は「客を育てている」と語っていたと思う。いまでもふと、「この試合はRINGSっぽいな」などと思えることがある。UFCについてもそうで、「PRIDEメガネ」しか持っていなかった頃には、やっぱり最初はUFCはピンとこなかった。でも、「UFCは楽しんでしまった方が得だ」と思ったので、UFCを好きになろうと継続することで、いまではすっかり、自然に楽しめるようになった。

 ところがジョン・ジョーンズの試合ぶりというのは、僕の持っているメガネではよく見えない。UFCメガネを掛けても、PRIDEメガネを掛けても、ピントが合わないのである。ショーグンを倒して最年少王者になったのだからすごいのだろう、という風に、「UFCメガネ」に引っかけてかろうじて理解するしかない。ジョーンズはラシャドより強いのだろうか、といった疑問もピンとこない。アップルとオレンジを比べている気がして、質問自体が間違っている気がするし、どうせならアンデウソン・シウバと戦ってほしいという思考回路になる。。いまのところジョーンズの試合を見ていて一番発動してしまうのは、なぜか「プロレスメガネ」だったりする。それだけわかりやすい説得力があるのだろう。

 これってやっぱり、イノベーションなんだと思う。アンデウソン・シウバやリョートにもイノベーション風味を感じるし、菊野にもその期待を持つのだが、ジョーンズのイノベーションは規格外すぎる。だいたいショーグンの負け方もおかしい。あれほど何も出来ないということは、違うゲームを戦っていたからだと理解するのが一番腑に落ちる。これまでMMAを見たことのない人の中に、ジョーンズの試合にだけは乗れる、という人がたくさんいても不思議はないと思う。なにせ、いまのところは、すごいものを見せていただきましたと感服するしかない。米メディアの中にはMMA2.0と称している記事もあった。

 ちなみに、ある特定のイメージのMMAだけを良しとし、それ以外のイメージを否定するような人は、単にメガネを一つしか持っていないと言うだけのことだと思う。それって、複数のメガネを持つ人に比べ、好奇心の持ち方において、あるいはものが見える範囲の広さにおいて、明らかに劣っていると僕は考えている。

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ダナ・ホワイト、大会後囲み取材。MMA Fighting Stances

Q ライトヘビー級にジョーンズを倒せる相手はいるでしょうか

今夜見たところでは、ジョーンズは他のみんなより大きく先を行っている。でもどうなるかはわからない。このスポーツにたしかなことなどないんだ。

Q リョート・マチダがラシャドを倒したときにも、多くの人が同じことを言いましたね

そうだね。みんなが「マチダ時代」だといっていた。

Q ジョーンズはどこが違うのでしょう?一発屋に終わることはないでしょうか

しらないよ。そうなるかもしれないな。リョートの二の舞かもしれない。そういうことはわからない。今日のところはジョーンズこそが正解だと見える。

Q あなたはショーグン勝利を予想していました。いつごろ考えを変えましたか

(笑)1分半くらいかなあ。

Q ジョーンズの試合はお好みでしたか?

自分は格闘技ファンなんだ。あんたらもそうだろう。あんたらはこれから、いろいろなことを書くんだろうが、ホントの話、われわれは誰も何もわかっちゃいないんだ。どうなるかなんてわからない。ラシャド次第だ。ラシャドが勝てるのかどうか。

今朝11時にジョーンズから電話があって、身元確認をしてくれと言ってきた。悪漢を追いかけて、警察が来るまで押さえつけていたと聞いた。この子は試合当日に何をやってるんだろうと思ったよ。試合は夜中なんだから、11時にはまだ寝てないと嘘だ。

かつてはブランドン・ヴェラが全員を破壊する男だと思われていた。「マチダ時代」だと思ったときもあった。誰にもわからないよ。

Q UFCの公式ツイッターで、メイヘム・ミラーがつぶやいてましたね。会場にはダン・ヘンダーソンがいました。

PPVの中でストライクフォースのCMも流しただろ。

Q 日本大会開催を計画中だとのことでしたが?

日本には行かないよ。震災がどれくらいひどいか、控えめに報道されている。水が汚染されていないのはどうしてかなと思うし、問題は何年も続くだろう。すぐに直せるようなことじゃない。海外にも影響を与えるだろう。



ロレンゾ・フェルティータ
「アンデウソン・シウバ vs ジョン・ジョーンズを見たくない人なんかいるんだろうか」

ダナ・ホワイト
「アンデウソンとジョーンズの試合は組まないのかと、もう75人くらいから言われたよ。アンデウソンははっきりと、ライトヘビーでは戦わないと言っていた。でもジョーンズがチャンピオンになったのだから、どうなることかな」


ジョン・ジョーンズ、Yahoo Sports

僕は自分のムーブやスタイルが「華やか」だとは全然思ってないんだ。これしか知らないんだよ。最初はほとんど独学だった。Youtube を見て自分で考えたんだ。最初の練習は、Youtube でみた回転技だった。このやり方しか知らない。

だから危険でもなければ華やかでもないよ。予測しにくい、というなら、それはあると思う。予測しにくい動きを繰り出すとき、身の危険を感じなくて済むんだ。だって、僕が動き始めると、ほとんどの相手は「はあ?何やってるんだ」みたいになって、自分の頭を守ることに一生懸命になってくれるからね。



ジョーンズの打撃コーチ、Mike Winkeljohn 氏。Sherdog

2Rにぞっとするようなターニングポイントがあった。ジョーンズは疲れていた。この2週間、ずっと追いまくられていたし、いつもカメラは回っていたし、プレッシャーだってあった。2R終了時でかなり疲れていたので心配したよ。

でもジョーンズはフィニッシュしてくれた。それでこそチャンプだ。23歳にして、ベテランの味だ。

ローリングエルボーなんかはどうでもいいんだ。心配だったのは、ショーグンがずっとカウンターを狙っていたこと。やっかいだなと思った。ときどきジョンは、ヘンな方向に動いたり、ディフェンスを忘れることがあるんだ。



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こちらは試合前のジョーンズ名言集

アンチファンについて

僕のことを好まない人はたくさんいる。試合をするたびに、あいつはもてはやされて変わってしまったという人たちがいるんだが、僕のことを信じてくれる人はもっといるんだ。気がついたんだが、僕のファンが2人いるとすれば、3人は何らかの理由で僕のことを嫌う。傲慢だと思われているのかどうかわからないが、そんな人は自分自身が心に不安を抱えているんだろうと思う。



スターになると寄ってくる人たちについて

最近聞いた言葉に、「みんなから好かれているとき、あなたはどこか間違っている」というのがあった。あえて自分らしさを保たないと行けないね。僕はいま、しっかり目を開いて、取捨選択しているところだ。あなた最高と言ってくれる人が、明日には離れていくかもしれない前提でね。



ショーグン戦に向けた準備について

頭が痛かったよ。戦術的なことを言えば、ライアン・ベイダーとは大違いだ。ショーグンの映像には、ライアンの3倍の技術が詰まっていた。



ショーグンとの試合について

ショーグンは準備不足だとか、ヒザが悪いとかいう噂は信じない。それでも僕は、彼を壊すことが出来る。肉体的にも、精神的にもね。おもに心を壊してやることが僕の目的だ。ショーグンは準備万端だと思う。でも、こんなスタイルの試合には用意が出来ていないはずだ。


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