感傷的になったかって?そりゃそうだよ【スコット・コーカー】


MMA FIghting の Daniel Herberson 氏のツイッターが、噂の「ジャパンカップ・バンタム級GP」は「名称に関する問題」のため5月29日に延期されたもようだと報じている。名称に関する問題とは、REではDREAMブランドを使いたいが、すでにブランドはFEG所有ではない、といったようなことだと説明している。またDREAM再開は9月まではない模様だとしている。他方でジャン斉藤氏は「5月末はK1もやるっていう噂がある。DREAMと2連戦。」とツイートしている。

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レッスルマニアが終わり、来年のメインイベントまで発表してしまったWWEであるが、選手育成リアリティショー「タフ・イナフ」(ホスト:スティーブ・オースティン)の新シーズン第一回放送が、視聴率2.6%、視聴者数330万人を獲得したそうだ。レスナーのTUF第一回は 1.0%、150万人だった。WWE人気、根強い。ストーンコールド、ボトムラインを決める男。

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ズッファによるストライクフォース買収について、とてもわかりやすいまとめ記事が MMA FIghting にあった。わりにちゃんと訳しておこうと思う。

The Anatomy of the Zuffa-Strikeforce Deal (MMA Fighting)


結局のところ、ズッファによるストライクフォース買収の背中を押したのは、UFCの世界制覇でもなければ、ヒョードルの契約金の高さでもなく、ボールがゴールに入ってしまった、ということなのだった。

2008年5月に、サンホセの Silicon Valley Sports and Entertainment (SVSE)社は、ストライクフォースの株式50%を買収し、財務面での後ろ盾となった。この関係のおかげで新興団体ストライクフォースの拡大に弾みがついたが、そこには思っても見なかったコストも付随してきた。SVSEはかねてから、サンホセにNBAの本拠地を招聘しようと考えており、その目標に手が届きそうになったとき、一つの決定に迫られた。ストライクフォースの成長を見守るか、それとも、バスケットボールというコアビジネスに力を集中するか、ということである。

その結果、ストライクフォース放出が決定されてしまったのである。

ストライクフォースの創設者、スコット・コーカーCEOが、SVSEのMMA撤退の意向を聞いたとき、とくに慌てた様子はなかった。

「SVSEからは、荷物をまとめて、新しいパートナーを探して欲しい、と告げられた。財務パートナーにそう言われてしまったら、直ちに対処して行動しないと仕方がない」

しかし実際に新しいオーナーを捜す作業は、 SVSEが担うこととなった。

情報筋によれば、すくなくとも2つのオーナー候補が存在したのだという。第三の候補がいたという報道もある。とにかくそのひとつが、UFCのオーナー企業である、おなじみのズッファであった。

コーカーがフェルティータやダナ・ホワイトと始めて出会ったのは2002年のことだった。当時コーカーはK-1の仕事をしており、ホワイトとフェルティータはUFCを買収して1年たった頃だった。当時のコーカーはMMAのことは殆ど知らなかったが、イメージが悪化して会場すら借りられない有様のMMAというスポーツ団体を買うなんて、さぞ辛い仕事なんだろうなということは理解していた。同時に、同じプロモーターとして、その勇気に感服もしていた。K-1大会開催のためラスベガスに来たコーカーは、ズッファのオフィスを訪ね、自己紹介をして、彼らをイベントに招待したのである。

彼らがイベントに来たのかどうか、コーカーの記憶は定かではない。ただ、コーカーのズッファ社往訪はごく短いもので、雰囲気はとても友好的だったことは覚えている。特に印象的だったのはズッファのオフィスの様子で、それは今とはずいぶん違ったものだった。オフィスは狭くて、人はまばらだった。

ストライクフォースは、コーカーのキックボクシングの仕事から自然に成長していった。最初のMMA大会は2006年3月に、その後本拠地となるHPパビリオンで開催された。出場選手はネイト・ディアズ、カン・リー、クレイ・グイダ、ジョシュ・トムソン、ギルバート・メレンデスら。そしてメインイベントに組まれた「ベイエリアの決闘」、フランク・シャムロック対シーザー・グレイシーは、多くの観衆を集めた。

ストライクフォースとカリフォルニア州の取り合わせも絶妙だった。特にベイエリアには、すでに著名なMMAジムが多数存在し、熱心なMMAファンもいた。州がMMAを解禁した4ヶ月後に開催された、初のMMA大会だったのである。シャムロックが20秒でグレイシーをKOする試合を見た観客数18,000名は、長く北米のMMA観客動員記録となっていた。UFCもその翌月、カリフォルニアで初の大会を開催したが、その観客数はストライクフォースより5,000人少なかった。

それでもストライクフォースは、まだまだローカル団体だと見られており、9大会連続で、カリフォルニア州内で開催していた。事態が変わったのは2008年5月、コーカーがSVSEと組んで Explosion Entertainment LLC というジョイントベンチャーを設立して、新体制でストライクフォースの運営を始めたのだった。財務的にも業界的にも力を強め、ストライクフォースは全国規模の団体に成長していく。このジョイントベンチャーは、EliteXCから殆どの選手とビデオライブラリを300万ドルで買い取り、その後ショータイム、CBSとのテレビ契約も獲得したのだった。

2009年8月になって、UFCとストライクフォースとの、比較的平和な関係は終焉を迎えた。戦争を仕掛けたのはストライクフォース側で、フリー選手のエミリャーエンコ・ヒョードルと契約、ダナ・ホワイトにとって手の届かない存在にしてしまったのである。コーカーへのリスペクトを欠かさなかったホワイトも、やがて口撃を始めるようになり、「Strike-Farce」(茶番)などと呼ぶようになった。

とはいえ、ストライクフォースに一定の勢力が宿ったのは明らかであった。エミリャーエンコがCBSに登場すると、550万人が試合を見たのである。

コーカーが次々にイベントを成功させ、選手獲得を続けていく間に、別のスポーツ界で起きた出来事が、ストライクフォースの将来に陰を投げかけていた。

2010年12月初旬、NBAは「ニューオーリンズ・ホーネッツ」チームを、オーナーのGeorge Shinn氏から買い取ることを明らかにした。NBAはチームを長期間所有するつもりはなく、新たな買い手を探していた。

コーカーによれば、SVSEはこのNBAチームをサンホセに招聘することに興味を示した。そして様々な報道によると、オラクル社のCEOで億万長者であるラリー・エリソン氏も、チームの買収に前向きであった。

エリソン氏とSVSEは、2006年にも、シアトル・スーパーソニックスの買収で協調路線をとったことがあり(結局失敗に終わった)、今回の連携も驚くようなことではなかった。ただし今回は、成長期にあってリスクが高まっているストライクフォースへの投資負担を嫌い、SVSEはMMAから迅速に手を引くことに決めたのである。ズッファとの話し合いは12月中旬に始まり、年末年始の小休止を挟んで1月以降続けられた。3月の第2週までには、取引はほぼ形になり、ニューヨークの投資銀行 Evolution Media Capital 社が仲介をすることとなった。ズッファはストライクフォースを買収し、スコット・コーカーは引き続きパイロット役としてとどまることとなった。

キックボクシングに始まり、長年にわたってストライクフォース・ブランドを育ててきたコーカーにとって、ほろ苦い瞬間だった。

「感傷的になったかって?そりゃそうだよ。でも、そろそろ潮時だとも思っていた。長い間やってきたが、財務面の現実もわかっていたし、新しいパートナーは必要だった。ズッファの豊富なリソース、ストライクフォースをひねりつぶせる能力を考えると、これが最高の選択肢だと思った。彼らはこのビジネスを理解している。私はストライクフォースが続くことをとてもうれしく思っている。」

買収以降、「ビジネス・アズ・ユージュアル」というキャッチフレーズが過剰なまでに使われてきた。ストライクフォース大会は引き続きショータイムで放送されるし、新選手の獲得は続けるし、現在の配下選手はUFCとは別路線を保たれる。情報筋によれば、最近解雇されたUFC選手が、ストライクフォースへの契約移管を希望したところ、ズッファはこれを断り、自分でストライクフォースに連絡を取りなさいと告げたのだという。今のところ、唯一の大きな変更は、グラウンド状態での頭部へのエルボー攻撃が解禁されたことくらいだ。これはMMAのユニファイド・ルールでは許されている行為ではあるが、これまでストライクフォースでは禁止されていた。試合は引き続きヘキサゴンで行われ、ヘビー級GPも続行。ストライクフォースのスケジュールは動き出している。事務所もベイエリアに残る予定だ。

コーカーはストライクフォースの成長への鼓動を止めてはいない。すでにズッファと長期雇用契約を結んでいて、ストライクフォースから立ち去ることは考えていないという。最近ショータイムと面談し、すべてをこれまで通りすすめていくと再確認した。放送契約は2012年まで有効で、2014年まで延長可能なオプションがついている。

コーカーは最近、ラスベガスに出張し、あたらしいチームメイトに面通しをし、温かく歓迎されたという。

もっぱら会計処理上の問題で、ズッファはストライクフォースを、子会社の一つである Forza LLC (フォルザ)を通じて買収したという。フォルザとはイタリア語で「フォース」(力)の意味である。UFCとストライクフォースの合併の力を意味しているのか、ストライクフォースという社名に掛けたのか、UFCの世界制覇の方法を意味しているのかはわからないが、良い名前である。

コーカーは語っている。「これからも必死になって働いて、新しいおもちゃもせいぜい活用して、ワープ・スピードで進めていくよ。彼らはMMAを愛している。目を見ればわかる。」


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