WWEはアクション・ソープオペラの総合エンタメ企業


 WWEがあたらしい経営戦略をアナウンス、今後は積極的に企業買収を仕掛けていくと宣言した。標的はエンターテインメント企業で、その買収先に自社のテレビ事業・映画製作事業・ライブイベント製作事業・ライセンシング事業などをアウトソースしていくのだという。WWE専門チャンネルの開始は12~18ヶ月後を予定、また、プロレス以外のテレビ番組の製作も行っていく。事業ドメインは「グローバル・エンターテインメント」に定められ、プロレスは単に事業の一つという位置づけになっていく。タレント発掘においては、今後は海外からの人材起用をより一層進めるということだ。

WWEの2011年度の年次報告書の冒頭にはこのように書かれている。

WWEチャンネルのスタートは、これからわれわれが仕掛けていく変革の一例です。このパラダイムシフトをさらに体現するため、当社では自社ブランドの「World Wrestiing Entertainment」を「WWE」に変更し、プロレス業を超えて事業展開して参ります。ニューWWEは最終的には当社の収益を増加させ、株主の皆様により多くを還元できるようになると信じております。



つまりWWEは「World Wrestiing Entertainment」の略語ではなく、単にWWEという社名なのだということだ。

レスリングオブザーバーは、WWEのプロレス以外の事業は失敗の繰り返しであり、今回の取り組みも危うい感じがする、ビンスのこういう取り組みは最初は威勢が良いが、通常は先細りしてうやむやになるなどと評している。ロスアンゼルス・タイムスは、WWEの財務状態は良好で、本当に計画通りのエンターテインメント企業になれば、さらなる大企業から買収の標的にされてしまうだろうと予測している。

社名からも「レスリング」を駆逐したWWEであるが、FIgure Four Weekly 4月12日号が、WWE社内で作成されている用語集「The Language of WWE」を紹介している。これは海外放送用の翻訳時にも徹底されているのだという。

WWEはエンターテインメント業の上場企業で、毎週、「アクション・ソープオペラ」を熱心なファンに提供している。

WWEはエンターテインメント業で25年にわたりリーダー企業であり、世界でももっとも人気があって洗練されたエンターテインメントを開発してきた。

グローバル・エンターテインメント・ブランドとして、WWEが使う言葉は非常に重要である。

次の用語についてしっかり学んで、使うようにしてください。

・「レスリング」「キャッチ」は禁止。
・「レスラー」「キャッチャー」は絶対禁止。正しくは「WWEスーパースターズ」
・「スポーツ」は不正確。「エンターテインメント」「アクション・ソープオペラ」は許容。印刷媒体では「アクション・ソープオペラ」は太字にすること。
・「アスリート」「スポーツマン」は禁止。「恐るべき腕前のエンターテイナー」(Entertainers with tremendous athletic prowess)と呼ぶこと。
・「ファイト」禁止。「マッチ」「バウト」は可。
・「ファイティング」禁止。「アクション」は容認。


>アスリートがだめで、ソープオペラならいい、というのは意外ですね。

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レスリングオブザーバー4月13日号より。

●ダナ・ホワイトは、8月27日「UFC: RIO」大会で「アンデウソン・シウバ vs 岡見勇信」のミドル級タイトルマッチが行われることになると明らかにした。なお、最近なにかとおしゃべりなノゲイラによると、アンデウソンはこの試合のあと、ライトヘビー急に転向するということになるらしい。

●BJペン、ジョン・フィッチ両選手は7月のUFC大会を欠場することとなり、代替カードに「カルロス・コンジット vs キム・ドンヒュン」がラインアップされたところだが、もし怪我無く「ペン vs フィッチ」が実現していた場合、5試合放送予定のPPVの第2試合として実施する予定もあったのだそうだ。タイトルコンテンダー戦であっても若い試合順に置くことで、「楽しくない試合をする選手へのメッセージ」とする意図があったのだという。

●ストライクフォース7月PPV大会で行われる見込みの「ヒョードル vs ダン・ヘンダーソン」は、「ヘビー級戦」として行われる公算が強いそうだ。しかしながら、両選手が220パウンドで試合に臨むこと、といった紳士協定が結ばれるものと見られている。ちなみにヘビー級は本来は225パウンド以上のことをいい、ヒョードルの通常体重は230パウンド程度といわれている。事実上のキャッチウエイトである。

ダンヘンが持つライトヘビーのベルトを掛けるとなると、UFCの了承が必要となる(ベルトがM-1に流出する可能性があるため)ことも、この試合がライトヘビーで行われない理由の一つのようだ。

また7月大会は、いつものヒョードル出場大会同様、M-1 Globalとストライクフォースとのコ・プロモーション大会となる。

●ダナ・ホワイトは、ヴァンダレイ・シウバの希望を叶えてクリス・レーベン戦を組んだのは、そのあとにUFCが組みたかったヴィトー・ベウフォート戦を受け入れることをシウバが内諾しているからだと述べている。

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「ひかりTV」では月一回程度、PRIDEが放送されている。先月はPRIDE20(ミルコ vs ヴァンダレイ、A大塚 vs 菊田)、今月はPRIDE8(桜庭 vs ホイラー、A大塚 vs ホイス)だった。これが密かに超面白くて、ついつい見入ってしまう。桜庭の快勝には解説の岡見も、「こういうのを見ていたから僕は格闘家になったんですよ!」などと珍しくノリノリだ。

桜庭はホイラーより16キロも重かったそうだし、フィニッシュとなったチキンウィングはがっちり決まっていたとはいえ、突然の島田ストップも今見ると何だかヘンで、その他いろいろと気がつくこともあるのだが、とにかく桜庭、圧倒的に強い。いまアメリカで力なく負けていく日本人選手と比べると、素人目で恐縮なんだけど、桜庭の「性格の悪さ」が際立つ。全然相手にイニシアティブを握らせない。まるでつきあわない。知らん顔で自分がやりたいことだけをやっているのである。相手が自分から雪隠詰めをされにいっているように見える。これは今見てみると、なんとも愛想もくそもない試合運びなのであって、今でいう「面白い試合」などではない。ブレイクもないから、むしろ非常に単調なのである。そんななか、おもむろに桜庭が急に相手の足を取って、もぞもぞしているので、なんだろう?と思っていたら、秘技「炎のコマ」(不完全バージョン)を繰り出すのであった。ほんの一瞬だし、別に痛いわけでもないのだろうから、ホイラーも「?」という感じなのだが、こんなことで場内大爆発なのだからたまらない。あと、桜庭の蹴りのキレがものすごい。ショーグンがリョートに連発していたローキックくらいに鋭い。桜庭の蹴りが強力だったことは認識しているが、記憶が変質してしまっていたのか、あれ?こんなにすごかったっけ、といまさらに驚く。それにしても当時の桜庭は、高田道場にいて、一体どうやってグレイシー封じを考えたのだろうかと思う。こういう意地悪な試合っぷりを見ていると、桜庭を「ファンタジスタ」と名付けたことは、後にさまざまな誤解を生んでいるのではないかという気もしてくる。

アレクのタックルもホント、すごいです。ホイスにバシバシとタックルを決めてテイクダウンを取って、長い時間トップをキープしてる。ホイスの堅いガードのため、トップにいても別に何も出来ていないのも確かなのだが、ホイスだって下から申し訳程度に関節技を出そうとしていただけのことである。ユナニマスでホイスの勝ちだったし、何となく会場に納得感も漂っていたが、これには違和感を感じた。いまのUFCでこの試合が再現されたら、多くのジャッジが、試合をコントロールしていたのは大塚だと判断するのではないかと思う。

ちなみに PRIDE20の第一試合はボブ・サップのデビュー戦(山本憲尚にTKO勝ち)、サップのセコンドにはなんとランディ・クートゥアがいて、サップはクートゥア流クリンチアッパーを繰り出したりしていたのである!またPRIDE8の第一試合はヴァンダレイ・シウバのデビュー戦だった。感慨深い。

ひかりTVで放送していましたということ以外に、これらの大会の感想文をいま書く理由はない。そういう記事は余り書いても仕方ないのだが、UFCを見慣れた今の目で、しかも高島氏の解説付きで見直すPRIDEというのも悪くない(プロレスラーをディスルのには閉口するけれど)。加入者の方はせっかくなので、是非一度見てみると良いと思う。

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