最後のファンタジープロレスラー 鈴川真一


プロボクシング元IBFスーパーミドル級王者ののジェフ・レイシーが、ニック・ディアズ戦の契約にサインしたことをプレスリリースで発表した。試合はこの秋の予定だとされている。

同時に、シーザー・グレイシーは、「ニック・ディアズ vs GSP」戦にほぼゴーサインを出すような発言もしている。

1年ほど前にサインしたストライクフォースとの契約には、一試合あたりのファイトマネーが明記されている。ディアズが受け取る金としては不十分なものだったが、足りない分はボクシングをやって補うことが出来るようになっていた。それがこの契約書の取り柄だったんだ。(契約がズッファに移管されて)その権利が取りあげられてしまうと言うのであれば、契約書全体を書き換えられなければならない。ダナ・ホワイトはわかってくれていると思うが、そこはしっかり交渉しないといけない。

こちらにとって最高のシナリオは、ニックがまずボクシングをやって、それからGSP戦に臨むことだ。でもそれも、ダナやロレンゾの解答次第と言うことになる。(MMA Weekly)

もしGSP戦がオファーされないなら、ニックはレイシー戦の契約書にサインをすることになる。(MMA Weekly)



ディアズ陣営にとって、レイシー戦はUFCとの交渉の道具に使われているようだが、レイシーサイドのプロモーター、Don Chargin 氏は次のようにコメントしている。ディアズが逆に縛られてしまうことはないのだろうか。

ちゃんと契約書があるんだ。UFCの試合が実現するようなら話し合う余地はあるが、元々試合をやりたがったのはむこうなんだ。こちらとしては誠意を持って対応している。本当に試合をするとは思っていないようだが、もうここまで来てしまった。



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MMA Weeklyが、DREAM17での青木真也の対戦相手候補が、アントニオ・マッキーかジェイミー・ヴァーナーになるとみられると報じている。

【シュートボクシング】6・5S-cup2010準優勝イマダが宍戸大樹と対戦 (GBR)

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ズッファ以前にUFCを運営していた SEG (Semaphore Entertainment Group) が、「オクタゴン」を思いつくまでに検討した試合場のアイデアには次のようなものがあったとMMA Mania がまとめている。


・SEGは、1993年当時人気が高まっていたスプラッター映画 Faces of Death (邦題ジャンク)をきっかけに、コンバットスポーツ興行の企画を開始した。エクストリーム・スポーツの流行にも影響を受けていたし、ECW (Extreme Championship Wrestling)の人気にも刺激を受けていたという。

・最初のブランド名称案は、UFCではなく「War of the Worlds」だった。

・SEGが最初に考えついた試合場は、古代ローマのグラジエーターが戦ったコロッセオ風のステージであったが、これはグレイシー一族が「ありきたり」だとして却下した。

・SEGは次に、試合場の周りに堀をつくってピラニアを放つというアイデアを提案した。グレイシー一族はこのアイデアに対し、「むかつく」といって会議の席を蹴ったという。

・透明のアクリルの巨大な立方体の中で試合を行うというアイデアも出された。しかしながら、換気はどうするか、こもった熱はどうするか、アクリルの壁が凶器として使われないか、熱気で曇ってしまうと観客から見えなくなるのではないかといった問題が解決できそうになかった。

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話題の「IGF:鈴川 vs バンナ」をようやく観戦した。おもしろかった!試合にはスピード感と緊張感が満ちていたし、鈴川の試合ぶりはハート溢れるものだった。きっと、とても真摯な人柄がなんだろうなあと思われた(こんな試合を引き受けるプロレスラーが他にいるだろうか。どれだけ素直なんだという話である)。見終わったあとは、久しく感じなかった「これは何だったんだろう」という投げっぱなしの「?」が頭の中を舞いつつ、心が満たされるような満足感もあった。

こんな試合は、自分なりにあれこれ妄想するのが作法なのではないかとも思う。妄想なので、正しいかどうかはわからない。


●やはり時節柄、「勇気のチカラ」を見せようとした、ということはあるのではないかと思う。プロレス経験わずか数試合の鈴川が普通のプロレスで、自粛ムードをぶっとばすような感動的なパフォーマンスをやってのけられるならそれでもいいが、やはり「何かを見せないと」という危機感と必然性はあったときに、答えがこういうことになったのではないかと思う。鈴川は6回、ダウンしては立ち上がったのである。

●不穏試合や、いきなりの格闘技戦でスターを作るとというのは、思えば猪木の常套手段ではある。小川直也がそうだったし、安田忠夫だって、猪木ボンバイエでバンナを倒してブレイクした(そう、安田はどうにかこうにか、勝ったのであった)。あるいは古くは谷津や武藤のように、期待の新人を谷底にたたき落とすのもまた、猪木流である。今回の鈴川の試合は、ベルトを掛けたトーナメントの試合だったと言うことだが、コールマンやサップ相手に中途半端な試合を繰り返して勝ち進んで初代王者になってみたところで、今回ほどの話題もインパクトも生まれてこなかっただろう。思えばそもそもバンナにプロレスなど出来ないのであって、こんな試合でないとしたら、では「鈴川 vs バンナ」で一体何を見せることが出来たのかという話だ。猪木門下の期待の新人にとっては、いわば通過儀礼だったと言えるのかもしれない。おかしな試合で強い姿を見せることができれば、時にはベルトよりもインパクトがあるものだ。

●それにしても鈴川は素直に戦いすぎた。猪木の異種格闘技戦を振り返ってみれば、攻め込まれた猪木が逆襲に転じようとするときには、実は結構汚い事をやらかしている。アリ戦では顔面にヒジをぶち込むというUFCまがいの攻撃をしているし、モンスターマン戦ではロープブレイクの際に相手のノドを突くような押し倒しを繰り出していた(これは猪木は割によく使っていた手だ。ブレイクを命じるレフリーなどを利用して、ドサクサに紛れるのがポイントである)。あるいは、名前を忘れたがカラテマンのような人との対戦では、ひたすら頭突きを連発してホントに相手の顔面を割るというひどい攻撃もあったし、これはかなわんと思うならウィリー戦のような終わり方だって考えられた。フィックスか否かという点で、猪木の異種格闘技戦と、今回の鈴川の試合を同列に見てはいけないのかもしれない。ただ鈴川も、5秒反則OK、場外あり、チェアショットあり、不透明決着ありという、プロレスラーらしい幅広い戦いが出来るともっと良かったのではないかと思う。その小さなワンアクションが「喧嘩屋幻想」を生み出すのだと思うし、それがあれば、負けたとしても、プロレスラーとしての存在証明になるのではないかと思う。

●これで鈴川は、格闘技興行にも使いやすい人材になったのではないだろうか。「何かを見せてくれるタレント」だというプレゼンテーションになったのではないかと思う。あわせて、厳しくて痛い試合を体現することで、安易にプロレス転向を皮算用する力士に冷や水をぶっかける効果もあったのではないかと思う。


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