ディアズ vs. GSP実現へ!【UFC137レビュー】



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ニック・ディアズ def BJペン

終わってみれば、ニックのパンチの雨あられを、これといった策もないまま、忍の一文字で受け続けるBJ、という印象ばかりが残る試合だった。BJはこれで、エドガーに連敗、フィッチに勝てず、今日またニックに完敗と、階級を変えても結果が出せなかったと言うことになると、本人が言うとおり、トップレベルで張り合っていくのはたしかに難しいのかもしれない。

記者会見に出てくるだけでほうほうの体、身を削って出てきているかのようなディアズだが、試合そのものは、記者会見よりもうんとラクそうにこなしてしまう。そして、レジェンドに完勝したというのに、試合後には喜ぶ暇もなく、BJのセコンドやらテレビカメラやらに向かってなにやら毒づいて回っている。ローガンの勝利者インタビューでも何を言い出すのかと思ってヒヤヒヤしたが、「GSP、おまえは怪我なんかしてねえ。ほんとは怖いんだろう」と、ちゃんと言うべきことを言ってくれたおかげで、そのあと事態が正しく展開していった。チェール・ソネンは計算尽くの人だが、ニックの場合、ホントにどこまで正気の人なのか、わかりかねる(笑)


ダナ・ホワイトは大会後記者会見で、「ニック・ディアズ vs ジョルジュ・サンピエール」のタイトルマッチをスーパーボール・ウィークエンドに行うとアナウンスした。

ダナ・ホワイト

GSPとは2004年からの長いつきあいだが、どんな状況でも、いつも変わらない最高のナイスガイだ。しかし、今夜のようなGSPを自分は見たことがない。完全にぶち切れている。ニック・ディアズにとっても、モチベーションが必要だろう。だから「ニック対GSP」をやることにした。コンジットも譲ってくれることになった。GSPはニックのことを、見たこともない失礼極まりない男だから、UFC史上最悪の形でぶちのめしてやると言っている。

ジョルジュ・サンピエール

最初からやりたかったのはこれなんだ。本来やるべきだった試合をやろう。ますますやる気になった。スーパーボール・ウィークエンドが待てない。

ニック・ディアズ

この試合をゲットするためには、こうでもしなきゃ仕方なかった。わかるか?悪役を演じないといけなかったんだよ。みんなが俺を指さして、悪役に仕立てる。そしたら試合をゲットできた。

ニック・ディアズのしゃべりは、なんだか野坂昭如の文章に似ているな。聞いていると、句読点がないし、始まりも終わりもなく、だらだらといつまでも続く。。

俺は試合を避けたことは一度もないぞ。怪我を理由に試合を避けたことがないヤツなんて、他に誰かいるなら連れてきてみろ。俺だって年中怪我だらけだ。今回だってそうだが、試合を避けたりしない。今日なんか試合をする理由はなかったんだ。サンピエールが戦おうとしないこと、おかげでカネをもらえないことにウンザリしてる。今日も怪我を理由に試合をやめておいても良かったんだ。ヒザは痛いし、太ももも痛む。太ももだよ、サンピエールと同じじゃないか。

俺はいつも近所をランニングしてる。俺の住む貧乏地区を抜け出して、金持ち地区を走るんだ。何百もの豪邸の脇を走る。大きな庭があって、噴水もついてる。ピクニック出来そうなパティオも、プールもある。なんでもあるんだ。そして僕はぐるっと回って、自分の済む貧乏地域に戻る。そこでは、クルマは盗まれてるし、玄関先で男たちが煙草の吸い殻を拾って吸い直したりしてる。アホらしい。

(ダナ・ホワイト)ちょっといいか。ストックトンの家の値段は知らないが、引っ越しできるだけのカネはやるよ。安心しろ。(一同笑う。ディアズは笑わず)

2ヶ月、3ヶ月毎に試合をしているときはいいんだ。でもここしばらく、試合をしてなかった。弟は引っ越すし、もうあれやこれやで、はぁ・・・話せば長いんだけどさ。あんたは笑うけど、こんなに練習ばっかりしていて、家を買う暇もないんだよ。こんなこと、学校では習ってないぞ。


●コンテンダーの座から座布団をぶっこ抜かれた形の気の毒なカルロス・コンジットもスーパーボール・ウィークエンドに試合を行い、そこで勝てば、次のコンテンダーになるそうだ。これは厳しい。コンジットのマネージャは「カルロスが譲ったんじゃないぞ。GSPがカルロスを避けたんだ」とせめてもの反論

●こちらは今大会直前に発表されたUFC謹製の宣伝映像。行方不明のニックをネタにしたパロディ。次回大会までに、ニックは必ず何かをやらかして、出場が危うくなったりすることと思うが、UFC側にこの余裕があれば、まあ大丈夫なのではないかと思う。



BJペン 試合後インタビュー

ニックには脱帽だ。男だよ。おそらく今回で最後の試合になる。自分はトップレベルでやっていきたいが、もうおしまいだ。もうすぐ次の娘も生まれる。こんな顔では家に帰れない。

ダナ・ホワイト、大会後記者会見

ペンの試合はもう10年も見てきているが、こんなに壊されたのを見たのは初めてだ。GSPやヒューズに押さえ込まれたときにも、流血も腫れもなかった。ニック・ディアズはリアル・ディールだ。でも、正面に立ち続けたBJもウォリアーだった。あの疲れ方を見ていると、正直、3R目には出てこれないかと思ったが、それでもまだ反撃をしていた。引退したいと言っていたが、まあ、どうなるのかな。

BJはウォーリアーだよ。今夜考えたことも、8週間後には変わっているかもしれないしな。

>稲垣さんではないが、僕もBJの引退は、もう少し時間が経たないと最終確定はしないような気がする。


ロイ・ネルソン def ミルコ・クロコップ

日本時代のミルコは、あんまり言葉で勝負するタイプの人ではなかった。ひどく無愛想で、殺伐とした人だった。ただその物騒な雰囲気が、残酷なまでに鮮やかな試合っぷりと良くマッチしていて、ミルコの怪物性を高めていた。言葉は不要だった。

UFCに移って、特にここ最近のミルコは、ベテランらしい、味のある言葉で楽しませてくれるタイプの選手になってきた。試合前にはたくさんのインタビューに応じ、記者会見では相変わらずニコリともしないものの、時に自虐的な、ドライなユーモアで笑わせたり、名言を吐いたりする。試合内容はなかなかトップ選手には追いつかないようだが、それでもミルコなりに、毎回何らかの進化を見せてきていたように思う。

本人はこの試合をもって引退すると宣言していたが、なんだかヘンな気分だ。だって、日本時代のミルコは、とっくの昔にもういない。今頃引退だと言われても、もう機を逸している。しかし、UFCでのニューミルコは、試合もしゃべりも歌も、まだまだ進化中だったのだ。そう思って眺めれば、あまりに早すぎる引退である。晩年のラッシャー木村を連想してしまっては、ミルコに失礼かもしれないが、レジェンド枠の座にどっかりと座って結構な人気だったように思うし、試合には勝てなくても、パット・バリーあたりに突っ込まれて、それなりに幸せそうな姿に、これはこれでいいんじゃないかと、こちらとしてもようやく慣れてきた矢先だったのだ。

ミルコ・クロコップ試合後

勝ってさよならを言いたかったが、ロイの方が強かった。UFCにはよくしてもらったし、この会社やこのスポーツからは離れがたい。UFCでの戦績は必ずしも奮わなかったが、出来ることは全部やって、いいキャリアを送ることが出来たように思う。


日沖発 def ジョージ・ループ

あのコリアン・ゾンビをハイキック一閃でKOしたジョージ・ループであるので、長いリーチの打撃が日沖をかすめる度にヒヤヒヤした。日沖、自分では今日の試合ぶりをどう評価しているのだろう。実力が出せなかったのか、実力は十分出したつもりだけれども、こんな接戦になってしまったのか。

なにせとりあえず勝てたことは一安心だ。インタビューには英語で直接答えていた。J-MMAが一番すげえんだよ、といえるのかどうかは別として。というか、日沖がそんなことを言うタイプの人だとは思わなかった。

ちょっと気になったのは、試合中のセコンドのアドバイスである。ポジションを取られたとき、「よーく考えて~」とか言っていた。ラスト30秒で「勝負!」とも言っていた。そりゃあそうなんだろうが、だからどうすべきなのかを具体的に言わないと、意味がないのではないのだろうか・・・インターバルでも「距離はどうでした?」とか本人に聞いているように見えたが、いや、セコンドから見てどう見えたかを本人にフィードバックしてやるべきではないのだろうか・・・たまたまテレビで聞こえた言葉だけを、真に受けて取り上げても仕方ないのかもしれないが・・・

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