枯れない殺意【追悼ジョー・フレイジャー】


UFC138大会後記者会見でのダナ・ホワイトのコメントから。


UFC138のカードがしょっぱいという悪評があったことについて (MMA Mania)

見もしないうちから、カードのラインアップに文句を言われるのにはイライラする。今日のカードはつまらないだって?つまらない選手なんて一人もいなかったぞ。すごい試合だったじゃないか。ジョー・シウバは業界最高のマッチメーカーだよ。選手は存分に実力を発揮してくれた。どこへ行こうが、どんなカードを組もうが、選手はいつもやってくれる。われわれUFCの仕事は、笛や太鼓で送り出すこと。そしたら選手ややってくれるんだ。今日もやってくれた。すごい大会になった。


今年はイギリス大会が1回しか行われなかったことについて (MMA Junkie)

みんながイギリスのことを聞いてくる。次はいつ行くんだとか、あんまり来ないんですねとか。ただイギリスではまず、ちゃんとしたテレビ契約をしないといけない。われわれは進出した市場には長くとどまるつもりだが、それにはいいテレビが必要なんだ。
アイルランドにもまた行きたいんだよ。観客がすばらしいからね。今日の観客もクレイジーだった。エネルギッシュですばらしい。10年以上やってきたが、観客がバリアを飛び越えてオクタゴンに走ってくるなんて初めて見た。


ニック・ディアスが言うように、UFCよりボクシングの方が稼げるのかどうかについて (Fighters Only)

ディアズの言っていることはクレイジーだ。あの記者会見でヤツは、家を買うための学校に行ってないとかも言ってたんだぞ。家の話をしたいなら言ってやるが、ニック・ディアスは今年、はっきりいってたくさん稼いだ。ヤツには家くらい買える。どんな家でもな。

自分ほどボクシング級のマネーを気前よく払っているヤツはいないぞ。考えてもみろ。UFCが利益を上げ始めたのは2006年のことだ。2001年から2006年までは5千万ドルの赤字だった。でもそんなときでも、選手や社員への支払いが遅れたことは一度もない。フェルティータ兄弟が辛抱強く資金を入れてくれていたからだ。2006年以降は、数ははっきりしないが、UFCはおよそ40人のミリオネアと、20人程度の超ミリオネアを生み出した。たった5年でだ。ボクシングには100年の歴史があって、テレビが出来る前からメインストリーム・スポーツだったんだ。それに比べれば、たった5年でここまでたどり着いたのはすごいことだ。

だいたい、ボクシング級のマネーって何のことを言ってるんだい?ニックが言ってる2500万ドルというのは、メイウエザーやパッキャオが稼いでいる額で、そんなに稼いでいるヤツはほかには誰もいないんだ。それどころか、ほとんどのボクサーはまるで稼げていない。ほとんどのボクサーは、今日のファイトナイト・ボーナスほどの額も稼げていないんだよ。

*****


ゴールデン・グローリーを離脱したアリスター・オーフレイムは、アメリカに渡ってラスベガスのエクストリーム・クートゥアに参加したとのこと。自らのサイトにアップしたビデオブログ「The Reem 第7話」では、GG離脱について語っている。そのほか、エクストリーム・クートゥアでレイ・セフォと再開し、K-1ファイトマネー不払い問題について立ち話をしていたりする。

UFCとの交渉を始めた頃、僕に伏せられていた件があると言うことに気がついたんだ。弁護士を雇って精査したところ、僕にとっては不利で、GGにとって有利になるような条項があって、でもそんな話は僕はバス・ブーンから聞かされていなかった。

UFCとの契約は僕にとっても人生最大の問題だ。ここから先の何年か、すごくエキサイティングなことが待っているときに、ミスコミュニケーションは許されないんだよ。

*****


smokin_joe_frazier_loses_his_battle_against_liver_cancer_dead_at_.jpg


死去が報じられた往年の名ボクサー、ジョー・フレージャー氏について、ぞっとするほど誰かに似ている壮絶な逸話が紹介されていた。Yahoo Sportsより。RIP。


♪♪

アリとの因縁はけして晴れることがなかった。アリは、プロモーションの一環で、無慈悲なまでにフレイジャーをからかい、「ゴリラ」とか「アンクルトム」と呼んだ。フレイジャーはこれに激怒、アリが宣伝のために言っていただけだという事実を受け入れようとしなかった。


ボクシング評論家のラリー・マーチャントは、フレイジャーはアリを赦すにプライドが高すぎたと語っている。

「自分流のやり方で試合を売り込むアリは、ときに残酷になった。アリが営業をしているだけだと言うことは、みんなわかっていた。でも、その標的があなたで、言葉の弾丸があなためがけて飛んできたとき、それを受け止めるのはかなり難しいのかもしれない。ジョーはアリが言ったことについて、何年も何年も、ずっと怒っていたよ。」

アリはパーキンソン病を患い、そのせいであれほどおしゃべりな男が無口になっててしまったが、フレイジャーはそのことを楽しむようでもあった。

「あれは俺がやってやったんだ」(I did that to him)

フレイジャーは誰彼となく、そう言って聞かせていた。


フレイジャーがアリに裏切られた気持ちが強かったのは、アリが兵役に応じなかったことでヘビー級ベルトを剥奪され、最盛期の3年間(1967-70)を棒に振ったときに、手を尽くして助けてやったからである。フライジャーはアリがライセンスを取れるよう尽力し、ニクソン大統領に陳情にまで行ったのだった。


アリの元マネージャ、ジーン・キルロイは語っている。

「これは本当の話だが、アリはジョーのことをすごくリスペクトしていたんだ。試合の契約をしたときには、すべて保証付きのすごい金額が約束された。プロモーションなんてしなくてもよかったんだ。してもしなくても同じだったんだからね。でもアリは、カメラを向けると、誰かれとなく、ジョーのことをしゃべってしまった。」

「数年後、私はジョーに、アリはただ宣伝をしてただけなんだよと言った。そしたらジョーは、「アンクルトムと呼ばれてどんな気分がしたと思うかね。子供が学校で友達から、おまえのとうちゃんはゴリラなのかと言われて帰ってきたらどうかね」っていうんだ。ジョーは赦してくれなかった。」


1964年のオリンピック国内予選でバスター・マチスに負けたとき、フレイジャーはボクシングをやめようかと考えた。しかしマチスが負傷し、フレイジャーは代役として東京五輪に出場、金メダルを獲得した。フレイジャーが引退を考えたのはそのとき一度きりである。再びマーチャントの話。

「ジョー・フレイジャーを好きにならない理由は何もなかった。トレーニングはハードで、試合もハードで、勝ちたいという気持ちにあふれていた。1971年のアリ戦は、いまでも私が見た最高の試合で、元々異常に高かった前評判を軽々と上回ってしまった試合だったよ」

それがジョー・フレイジャーだった。フレイジャーはもっとも早い男でも、もっとも強い男でも、もっとも運動能力の高い男でもなかったかもしれないが、いつも期待を上回る男だったのだ。


【おまけ情報】レスリング・オブザーバによるトリビア。ジョー・フレイジャーは80年代初期に何度かプロレスにも登場している。第2回のレッスルマニアではミスターTのセコンドにつき、スターケードでの「フレア vs ローデス」ではレフリーを務めた。

*****

ロスアンゼルスの深夜のビジネスホテルに男が押し入り、ホテル従業員をピストルで脅して金を奪い取ろうとする事件があった。たまたまそのときに、ホテルのロビーを通りがかったオレゴン州出身の2人のアマチュアMMAファイターが事件に気づき、犯人をリストロックに捕らえた後、警察が来るまで、慎重にリアネイキッドチョークを極め続けたという。2人は当地で開催されていたBJJのトーナメントに参加するためやってきていた。ホテルの監視カメラの映像がリンク先に公開されている。

*****

【UFC】ジョー・シルバより、メッセージ (MMA Planet)

なーんか、よほど何かイライラすることでもあったのだろうか・・・変な人を通して交渉するのは確かによくないけど、だからといって、日本人選手がUFCマッチメイカーにいきなり直メールを送るというのも、交渉力や専門性が違いすぎて、結構な負担感がありそうに思うけれど。


スポンサーサイト

トラックバック

[格闘技][ボクシング][読書]「枯れない殺意」米国版。アリに『道化』『白人の手先』にされた敗者ジョー・フレイジャー、アリを許さないまま逝く。

ジョー・フレイジャーが亡くなった。 時事通信は、こう伝えた。 http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2011110800927&google_editors_picks=true アリ氏「尊敬と称賛」=次々と哀悼の声-フレージャー氏死去    【ニューヨーク時事】7日に死去したジョー・フレー

毎週更新!

Ad

Ad

MMA Update