UFC139レビュー【熱戦相次ぐ】


ダン・ヘンダーソン def マウリシオ・ショーグン【UFC139】

言葉はいらない大戦争。勝ち負けすら超えている。すさまじい一戦だった。

個人的には、ダンヘンってどうなんだろう・・・と、一抹の疑問は持っていた。たしかに連勝中ではあるけれども、それはストライクフォースでの話。ヒョードルに勝っているというのも、とくに階級を考えれば確かにとんでもなくすごいんだけれども、反面、いま現在で、本当のところどの程度すごいことなのか、よく考えてみると判然としなくなってきたりする。しかもここしばらくの試合は、Hボムと呼ばれる強烈なパンチでのワンパンKOなどの短期決着が相次いでいて、非常に鮮やかな印象がある反面、41歳という年齢も考えれば、UFCの舞台でショーグンにじっくり来られると、これはさすがにつらいのではないか・・・と思っていた。ここでダンヘンがメインイベントに起用されるというのは、評価高すぎではないか、とまで思っていた。

そんな疑問は完全に間違っていた。ダンヘンはおそらく世界最強の41歳なのではないかと思うし、この階級でも正真正銘のコンテンダーの一人だ。完全に脱帽した。

セミファイナルとメインイベント、UFCにしてはやや荒っぽくて、エンタメバリュー高めの味付けの試合を見ていると、こうして役者がそろえば、ちょっとしたPRIDE復活祭の香りもしてくるものだわと思ったし、この香りって、アメリカ人もみんな大好きなんだなあと改めて思った ( 見方によっては、どこかにわずかに、緩さを感じなくもない気持ちはある)。

あと、「ノンタイトルでも5R戦」ポリシーが初めて効果を上げたなあと思う。

今日のWOWOW放送席はなんだかいつもより困ったものだった。不慣れな感じではしゃぐ稲垣氏を見ていると、こういう試合ではもっとちゃんと突き抜けてはしゃげる人が欲しいなあと思ったし、どの試合を誰が実況するかを地味に競い合っている高柳氏と西氏を見ていると、いやいや、本来はどちらでもないでしょうと思うばかりなのであった。なんか、ヘンだ。


ヴァンダレイ・シウバ def カン・リー【UFC139】

もともと、ストライクフォースでは主役を張っていたリーが脇役として登場してくるというのは、さすがに贅沢な存在感である。こういうモードの選手が一人くらいいるというのは楽しいものだ。空気を読むようなところのある、なかなかのパフォーマーなのである。

1年~2年に一度しか試合をしないムービースターの割には、コンディションも作ってきてくれていたように思うが、それでも蹴り技や回転技を多用するスタイルはやはりスタミナを相当消耗すると言うことなのだろうか。慌てないで2Rまで引っ張ったシウバの作戦勝ちのようにも思えた。

シウバのヒザ爆弾、懐かしい動きだった。マッチメイクじたいがナイスアイデアな、楽しい試合だった。


ユライア・フェイバー def ブライアン・ボウルズ【UFC139】

あのアッパーカットはないわ・・・かっこうよすぎ。フェザーで勝てなくなって、一時は一線を退きつつあるかに見えたフェイバーだが、今回の暴力的な勝利で、バンタムで完全に復活・再生してきた。キャラ的にも静かなタイプのボウルズは、気の毒なほどいいところが出せなかった。

フェイバーの快勝を受けて、大会後記者会見では、FXで放送される次期新生TUFで、ドミニク・クルーズとフェイバーがコーチ役に就任するというプランも示唆されたようだ。TUF15は3月スタート、その13週間後のコーチ対決がタイトルマッチになる可能性が出てきた模様だ。


マイケル・チャンドラー def エディ・アルバレス 【ベラトール58】

こちらも見ているだけでヘトヘトになる大戦争。なんとアルバレスが王座転落というアップセット。どうなる青木戦!?強い人はまだまだいるんだねえ。

Full Fight: Eddie Alvarez vs. Michael Chandler (Youtube)

ローディ・ロンダ・ロージー def ジュリア・バッド 【ストライクフォース・チャレンジャーズ20】

ストライクフォース女子部門の急上昇株ロンダ・ロージー、これでプロ4連勝、アマチュアも含めると戦績7勝0敗、決まり手はすべてアームバーによる一本勝ちで、試合時間は最長でも57秒である。今回ももちろん、34秒でジュリア・バッドの腕をいけない方向にねじ曲げた。ロージー勝利後、セコンドのジーン・ラベルはテレビカメラにストップウォッチを示して秒殺女王ぶりをアピール。この人、ちょっとやばい。

ロンダの新しいニックネームはローディ(Rowdy)。子供の頃好きだったプロレスラーのローディ・ロディ・パイパーから、本人の許可を得て使っているそうだ。


エメリヤーエンコ・ヒョードル def ジェフ・モンソン【M-1 Global】
ローキックを中心に、保守的に攻めるヒョードル。モンソンがフラッシュダウンしても追撃すらしようとしない慎重さ。やがてモンソンもフラッシュダウンをフェイクしてグラウンドゲームに誘い込もうとするが、ヒョードルはまるで知らん顔。ラウンドを重ねるにつれ、モンソンの顔面が流血に染まってゆき、ローキックのダメージが蓄積していく。 アンチクライマックスなまま試合終了、ヒョードル判定勝ち。もちろん負けるよりはいいが、とくに今日のほかの熱戦を見たあとでは、どうというわけでもない印象。
個人的邪推では、この試合にはフィックスが入るかも・・・などと思っていたが、フィックスが入っていたなら、もうちょっとおもしろい試合になっただろうかな。ヒョードルの身体がいつもよりテカっているようにも見えたが、これも照明やら映像の案配もあるだろうからよくわからない。
試合後にはプーチンが登場してヒョードルとハグ、そしてマイクでご挨拶。島田も島田のくせにプーチンの話を仁王立ちで聞いている。

*****

Sherdog が、リアルエンターテインメントのシノダソウタロウ氏がモスクワ入りして、ヒョードル陣営と大晦日に石井慧戦が組めないかと交渉しているもようだと報じている。一方、和良コウイチ氏のツイートによると、UFC日本大会の候補カードのひとつに「石井慧 vs マーク・ハント」があるという。

普段はほっぽらかしの石井慧が、突然取り合いになっているというのはおかしなものだ。石井が所属している芸能事務所の事情とかはさっぱりわからないのだけれど、いちMMAファンとしては、ヒョードルとハントを比べるということではなく、キャリアの観点からはどうみてもUFCが王道でしょう、とは思う。英断を祈りたい。


KID左手指骨折で長期離脱(日刊スポーツ)

今日のWOWOWで試合映像をやっと見たけど、鮮やかすぎて何もセットアップしないような投げ技とか、パワーボムみたいな技とか、試合終了後に客に向かって謝るような仕草をするところとかをみていると、KIDってわかってないんじゃないかという一抹の不安を禁じ得ない。KIDはいまは、TBSのプライムタイムで戦っているのではない。フェイスブックでぎりぎり放送されるくらいの一番下っ端の前座で、前座なりのファイトマネーで戦っているのである。

そんな選手が、今回のような試合が終わった瞬間に考えるべきことは、KO出来なくてごめん、ではないと思うのだ。アメリカ人のファンに、そのニーズはないだろうし、そう思っている限り、ここでのゲームでは勝てないのではないだろうか。


引退内藤の宮田ジムでボヤ騒ぎ(日刊スポーツ)

警察「最近誰かから恨みをかったようなことはありませんでしたか」

内藤「!!・・・」

 (嘘)
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