UFCファイトマネー是非論



米ケーブルチャンネルESPNの「Outside the Lines」という番組が、UFCのファイトマネーについてレポートしている。番組要旨は下記の通り。

・ストライクフォース買収以来、UFCは連邦取引委員会(FTC)から独禁法に違反していないかどうかの捜査を受けているとされており、独占的な立場を利用することで、選手の報酬に対するコントロールが強まりすぎるのではないかとの懸念がある。

・番組では20人の選手や関係者に話を聞いたが、その多くが、UFCが成長しているほどには、報酬は増えていないと感じていると語った。またほとんど全員が、カメラの前で証言することを拒んだ。そんなことをしたら、選手生命の終わりだ、という選手もいた。

・新人選手のデビュー戦のファイトマネーは典型的に、Show Moneyが6000ドル、Win Moneyが6000ドルに抑えられている。新人ボクサーのファイトマネーが数百ドルであることに比べれば高額だが、しかし4大メジャースポーツのNFLの新人選手の平均年棒は32万ドル、NHLの新人選手の平均年棒は50万ドルとなっている。

・4大メジャースポーツでは、売り上げの50%が選手に支払われている。NFLでは2011年に労使交渉があり、ロックアウトも行われたが、その時点ですでに、売り上げの半分以上を獲得していた。これに対し、複数の情報源によると、UFCは売り上げの10%しか選手に支払っていないという。

・UFCのボーナス額は明らかにされていない。しかしボクシングでは、支払われるすべての報酬を事前に明らかにすべきであるという「モハメド・アリ・ボクシング・リフォーム法」が遵守されている。

コメント:ケン・シャムロック 

生計を立てるにはUFC以外に行く場所はないんだよ。競合先があれば、UFCは戦略的に買収するか、興行をぶつけてくる。それ自体は悪いことではないが、これでは選手は人質に取られているようなものだ。ファイトマネーについては、もしなにかネガティブな事を口にしたり、好条件をもとめて交渉しようとしただけで、クビになってしまうんだよ。



コメント:モンテ・コックス 

自分が選手なら、UFCからもらえるものをもらうか、さもなければ廃業するしかない。UFCの選手層はすばらしく厚いので、トップ選手をのぞき、それ以外の選手にはそんなにたくさんのカネを払う必要がないんだよ。



番組内で放送されたロレンゾ・フェルティータ・インタビュー

Q なぜファイトマネーについての話をするだけが許されないのでしょう

誰が何を言ってもかまわない。これまでも選手がいろんな不満をぶちまけたことはある。ファンに支持される選手である限り、何を言ってもかまわない。報復などあり得ない。

Q 選手の取り分が10%というのは正確ですか?

とんでもない。全然違う。

Q では何%くらいなのですか。

選手への支払い比率は、他のメジャースポーツに遜色ないですよ。

Q 売り上げの50%近くを、選手に支払っているというのですか。

そうだ。

Q 選手の中には、ボーナスが管理手法になっていると言う人もいました。ある選手は、噂や推測の情報が多すぎて、不満を言うことが出来ない、ボスのケツにキスをするしかないと言っていました。

ケツにはキスしなくなければ、良い仕事をしてくれればいい。アメリカのどの企業でもそれは同じだ。われわれはパフォーマンスに払っている。

私たちは、ほかのアメリカの起業家と同じように、資金をリスクにさらし、起業家精神を持って一日14時間働き、産業を作り出したんだ。誇りに思っているよ。



UFC fighters say low pay simply brutal(ESPN)


この番組の放映前から、ダナ・ホワイトはこの番組を「ゴミ」とよび、ESPNならびにジョシュ・グロス記者(元シャードッグ)のいい加減な仕事ぶりをさらしてやると息巻いていた。

話をでっち上げたジョシュ・グロスは悲観的な卑怯者だ。幸い、インタビューの模様はこちらでも撮影してある。だからESPNが放送後に、未編集版を公開することにする。これは楽しみだ。ESPNとグロスはUFCをハッキングするつもりだろうが、今回は逆襲してやる。あいつらの信用をガタガタにすることが楽しみでならない。2つの顔の嘘つきメディアめ。(MMA Mania)



ESPNが撮影しながらも放送しなかった、ロレンゾ・フェルティータのインタビュー映像を公開している。この映像には、UFC編集版と、47分の未編集版の2種類がある。

ESPNがカットしたロレンゾのコメントには次のようなものがあった。

・TUFファーストシーズンでUFCが離陸して以来、選手への支払い額の増加は、売り上げの増加を上回っているんだよ。

・われわれは良い仕事をした選手にボーナスを支払う。試合を評価し、期待を上回った試合をした人には、契約書の金額の何倍ものカネを払っているんだ。

・ESPNの年商は28億ドルだそうだが、金曜日に放送しているボクシング中継に出場している4回戦ボーイのファイトマネーは275ドルだそうじゃないか。6000ドルというのはそれより随分良いと思うがな。われわれの年商は28億ドルもないけれどな。



なお、未編集版の映像の中でロレンゾは、初めて公式に、独禁法の捜査を受けていることを認めている

>ダナ・ホワイトがずっと好戦的だったので、ESPNに対するよほどおもしろい反撃を楽しめるのかと期待感を上げすぎていたら、どうもいまいち話がかみ合っていないようすで、肩すかしだった。モノポリーに近づけば、使われる側が搾取されるというのはものの道理、それは良いことではないよと言うのもまたその通りであり、ジャーナリストがそこに問題意識を持つこと自体は結構まともなことだと思う。ただ、なにせUFCは上場企業でもないことから、議論するにも具体的なデータがさっぱりわからないことと、ESPNが取ったコメントがケン・シャムロックくらいしかないという時点で、番組の説得力はあまりない。UFCにしてみれば、放っておいてもいいような内容なのではないかとも思うのだが、ダナ・ホワイトがここまで好戦的だということは、やはり痛いところは突いているんだと思う。遠く日本から眺めていると、こういう痛いところを突くメディアがあるというのは、どちらかといえばうらやましいことではないかと感じた。

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MMA Manifestoというサイトが、2011年のUFCファイターの年収ランキングを掲載している。コミッションに報告されたファイトマネー、ファイトオブザナイトなどの公開ボーナスの額を足し上げたもので、それ以外のボーナスやスポンサー収入などは加味されていない。

・平均年収は91,000ドル。
・51%の選手の年収が、アメリカの世帯平均(45,000ドル)を下回っている。
・72選手(21%)の年収が1万ドル未満であった。

1 Tito Ortiz* $1,495,000
2 Michael Bisping* $850,000
3 Jon Jones* $785,000
4 Antonio Rodrigo Nogueira* $750,000
5 Vitor Belfort* $620,000
(以下、リンク先には337位まで掲載)

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UFC142ブラジル大会の、ブラジル現地でのテレビ視聴率が14.6%、占拠率が70%、視聴者数2,300万人であったことが明らかになった。この生中継は深夜1時50分からの放送だった。同時間帯の他地上波チャンネルの視聴率は、3.7%、1.6%、1.0%などとなっていた。

日本でもごく一部のスポーツ国際中継が、深夜早朝にすごい数字を取ることがあるが、ブラジルでのUFCは、そういう種類の番組に近いといえるのかもしれない。

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ロンダ・ラウジークリスチャン・サイボーグとロンダ・ラウジーがツイッター上でやばい。
@criscyborg

次の犠牲者はロンダ。ノーマーシー!(ジナ・カラーノの血まみれ写真付き)


@RondaRousey

あんたにはチXポがついているだけじゃない。ジナのあんな写真を使うなんて、あんたがXンポ。この八百長野郎。



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1月17日にモハメド・アリが70歳の誕生日を迎えた。すばらしい回顧記事もちらほら見られる。

Muhammad Ali: Reflecting Back on Meeting The Greatest ( Thomas Gerbasi, BoxingScene)

Legendary Ali remains a giant among men (Kevin Iole, Yahoo! Sports)





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