「UFC Japan: Edgar vs. Henderson」レビュー

「UFC144: Edgar vs. Henderson」をWOWOWで観戦した。

ヴォーン・リー def 山本“KID”徳郁
キッドが激しく攻め立てているように見えたシーンもあったが、パンチが単調で、見事に全部ブロックされていた・・・本来キッドはもっと鬼畜で意地悪な選手だったと思うのに、勝ちを焦ってしまっているのか、ナイーブなくらいに素直に見えてしまうのが悲しい。

五味隆典 def 光岡映二
1Rの五味は、ばくち的な、結果はしらんという明日なき打撃戦をやっているだけに見えたが、2Rに入って突如怒り爆発、一気に圧倒したおした。そうか、クレイ・グイダやネイト・ディアズに負けたからといって、光岡に負けるとはならないということか・・・。1R最後の光岡のウラ三角のような技、アレはアレで良かったんだろうか・・・

- WOWOW生中継開始。放送席ゲストに福山雅治。いきなり福山出演のタイヤとタブレットPCのCMがふつうに流れて驚く。今日の中継はCM入りかと思ったが、CMは結局最初だけだった。福山はTKとも、もう1人の解説の宇野薫とも親交がある模様だ。福山のコメントは、ちょっとウザ目の格オタ的。まあ同病相憐れむ感もあって、どこか好ましい感じもしてしまったのが悔しい。

日沖発 def バート・パラゼウスキー
これでもか、これでもかと詰めていく日沖的展開が炸裂、誠に安心してみていられた。ずばりいって、「29-28」のジャッジが2人もいたというのは不満である。こんなもん、どうすれば「30-27」以外に見えるのかがわからない。

ティム・ブッシュ def 岡見勇信
岡見、貫禄がすごい。日本のゴッドファーザーみたいになってる。入場テーマはカブキ的というかTAJIRI的というか、以前からこんな曲でしたっけ?対戦相手のティム・ブッシュ、WOWOWでは稲垣氏によって、レスリングのバックグラウンドがあって、グラウンド&パウンドが強い人だと紹介。これを受けて西アナ「典型的なアメリカ人、ティム・ブッシュ」としてアナウンス。類型的なルックスは、たしかにいかにもかませ犬だけどさあ。岡見は1R、2Rを圧倒。客席からリック・フレア的な「Woooo!」がずっと続いていたのは何?しかしそんなゆるんだ空気を、ブッシュが3Rに人が変わったようにどう猛に切り裂き、力学的にあり得なさそうなクリンチアッパーで格上岡見にアップセット勝利。さすがにテレビ画面からも、会場の冷え冷えと固まった空気が伝わってくる。ずばり言ってアンデウソン戦よりもずっと完敗の図。ほかの日本人の敗戦は心の準備があったのだが、まさか岡見が・・・

ジェイク・シールズ def 秋山成勲
入場する秋山にブーイング!しかしそのブーイングもどこか心半分、ふつうに歓声もあがっている。こころからの悪意のブーイングこそが、秋山の黒魔術を肥大化させると思うんだけど。ブルース・バッファーはファーストネームもラストネームもカットして、「セクシヤマ」としかコールせず。テイクダウンディフェンスや柔道の投げ技に、シールズ対策のあとは見て取れた。シールズのことを実によく無力化していたと思うのだが、同時に秋山は自分のことも無力化してしまっていたように見えた。マウスガードを落として白々しく手間取るとか、大事なところでケージをつかむとか、ところどころにヒートできる要素も散りばめてはあったのだが、それもスルーされ、ずばり言って秋山史上最大の凡戦。ここまで凡戦をやるなら、星は確実に拾ってほしいところだ。

マーク・ハント def シーク・コンゴ
ハントはランキングではどの辺に位置する人なのだろう。どうしてこんなに強いのか、わけが分からない。試合後インタビューでも話が通じない風なのがすばらしい。来週のオーストラリア大会にも出させろと言い張っているそうだから、機嫌がいいのだろう。

ライアン・ベイダー def クイントン・ランページ・ジャクソン
ダナ・ホワイトは大会前に、「PRIDEの音楽なんか流さないぞ」といっていたが、堂々と流された。これは気持ちよくだまされた。みちのくドライバーのようなスラム技も含め、ランページはファンの記憶を沸き立たせるような、プロレスラー的なファンサービスを尽くしてくれた。ただ個人的にはランページの日本LOVE、PRIDE愛はそんなに真に受けなくてもいいのではないかと疑っているし、前日にオブザーバのサイトで、ランページは怪我をしていて、練習不足であり、そのせいで減量も出来なかったとのニュースを読んでいたので、ギミックでどこまでカバーできるかな、と思いながら眺めていた。そしたら、やっぱりプロレスじゃないので、カバーできなかったというお話。ちなみにランページは日本人の奥さんとは離婚しているんじゃないかと思う。ネットのラジオショーとか、そういうところで複数の記者がその旨を語っており、公然の秘密のような状態なのかと思われる。

ベンソン・ヘンダーソン def フランキー・エドガー
いやあ、2人とも、大変なスポーツ選手ですわ。これはすごい。なぜか負けたフランキーのことが好きになった。見終わったあとのぐったり感も、感想が言葉にならないのも、四天王プロレスっぽい。


- UFC144ポストファイト記者会見映像より。

♪♪
DW:アンソニー・ペティスはタイトルショットを獲得した。(ジム・ミラー vs. ネイト・ディアズ戦の勝者がトップコンテンダーではないのか?)We'll see。

ランページ:練習中に強いレスラーとスパーリングをしていて、ヒザを怪我してしまった。本当はドクターストップがかかっていた。スラムをやったときにヒザが再び痛んだ。この状態では負けても不思議はない。
(負けたら引退というコメントもありましたが)
この状態でもやれる範囲のことは出来た。引退はしない。

DW:マーク・ハントはあの年でよくやってる。彼への敬意はどんどん増加している。コンゴに勝ったというのは大きい。ハントは・・・「In the mix」だ・・・(笑いをこらえるように)(訳注 In the mixはダナ・ホワイト用語、コンテンダーをねらえる位置にいるというの意味)

DW:「エドガー vs. アルド」は見てみたいが、階級を落とすかどうかは彼次第だよ。

エドガー:他人のことをくさすつもりはないけど、自分は2度も再戦をしないといけなかった。だとすれば?
(ライト級戦にはどれくらい減量してくるのですか)
ゼロだよ。
(アルド戦を切望する声が多いです)
そんなにすぐには考えられないよ

DW:(ティム・ブッシュについて)最初の2R に圧倒された選手は、3Rにはあんな風に戦うべきだ。

DW:過去10年、日本についてあることないことを聞いてきた。でも今回は期待以上だった。計量にもたくさんの人が来たし、試合もすごかった。また戻ってきたいと思う。
(日本にまた戻ってくるとしたら、大会は夜に開催するなどの修正はしますか)
ノー。北米でのPPVの時間を尊重する。

DW:(日沖は「in the mix」ですか)まだわからんな。

DW:(4連敗の秋山の今後は?)秋山のスタイルは好きだ。ウエルター初戦で調子は良さそうだった。あのシールズと判定まで行ったんだ。でもちょっと負けすぎだな。みんなで話し合いをするよ。

DW:自分は審判じゃないが、水垣には勝利者ボーナスを支払うよ。


>遅れて記者会見に参加したエドガーとヘンダーソンはスーツにネクタイでばっちり決めていた。UFC試合後記者会見では、チャンピオンクラスはだいたいいつも、そうしている。むかしのNWAチャンピオンみたいで格好いいけど、やっぱり汗だく血まみれになった直後だし、まだ汗が噴き出て湯気が立っているような感じなので、Tシャツ姿で楽にしてほしいなあといつも思う。ほかの選手はジャージ姿でリラックスしてるんだし。


- 印象的だったツイート(追記アリ)

@DanHerbertson (大会前)

今日のウエイインでのファンの反応にはぶっとんだ。僕も、日本のメディアも斜に構えていたが、UFCはやってくれた。

まるで日本のMMAが再点火したみたいだった。こんなにたくさんのファンが熱を持っているのはPRIDE以来のことだ。信じられない。

感動で涙が出そうだ。言葉もない。日本のMMAは死んでいない。寝ていただけだ。それをUFCが起こそうとしている。



John Morgan@MMAjunkieJohn

日本のファンはいまでも知識が豊富で、礼儀正しいな。一部のアメリカ人が卑猥なことを叫んでいるのがみっともなかったわ。



T.Jay Thompson@TJMMA

あの入場には、ダナとロレンゾが6000万ドル払った値打ちがあった!



Tony Loiseleur@JustTonyL

2年前に、当時WECが大好きだった自分に、ベンヘンが日本でUFCライト級のベルトを取るぞなんて教えてやったら、どう思っただろうな・・・



Dana White@danawhite

きみら、通訳の@the_mizutamaをどう思った?すばらしくないか?



>すばらしいです。ハキハキしていて聞きやすいし、訳じたいも他の通訳と比べて段違いに抜けが少なくて高精度!専門用語も逃げずに訳していたところにはちょっと萌えたし。
ついでに、オクタゴンガールの西垣さんもよかった。オクタゴンから降りて、自分の席に戻るときに、フッとこちらを振り向くところが、アリアニーなんかには想像もつかない和風の美である。

*****

MMA Fightingのダナ・ホワイトインタビューより。大会前のもの。

Q 日本は6~7年ぶりではないですか

しばらくぶりだな。清潔だし、整然としている国だね。

Q 町で話を聞いたのですが、みんなK1やPRIDEのことは知っているのですが、ここ5年くらいのことは誰も何も知らないようでした。

アメリカでもそんなもんだよ。いまでこそFOX中継で勢いがあるが、町に出て聞いてみれば、似たようなものだ。日本でのUFCの認知度も高くないようだね。

Q いきなり地上波がついたブラジルとは勝手の違うマーケットです。

ご存じの通りアメリカでも、地上波がつくまで時間がかかっただろ。イギリスでも主要チャンネルと契約できているとはいえなくて、しょっちゅうチャンネルが変わっているから評判が良くないんだよ。アメリカやイギリスと同じように、日本でもいい契約が出来るまで、戦うしかないね。

Q 元PRIDEファイターをもっと参戦させるべきだったとの声があります。

そういうカスタマイズはしないんだ。それに、日本人選手をたくさん使っているだろう?これまでも批判は色々受けてきたが、UFCは成長し続けている。

Q ニック・ディアズに仮処分が行われたネバダ州アスレティックコミッションに、調理人組合がやってきて、「UFCがモハメドアリ法を遵守していない」などと訴えていたそうです。

調理人組合のアホどもが理解不足のまま、またみっともないことをしている。おまえらのやることなど、痛くもかゆくもないが、わざわざ金と時間を使って、調理人にたくさんの仕事を提供しているUFCを責め立てるなんて、おまえらはギャング集団だ。



Ariel Halewani が渋谷で「UFCを知っているか」と聞いて回る映像はこちら。ちゃんと仕事してるなあ。「暴力的なものが今のテレビにそぐわないのでは」という論を吐く人が意外に多い印象。

*****

UFCアジアのマーク・フィッシャーのインタビューより。大会前に収録されたもの。

Q ここまでのPR活動はどうでしたか。

過去数ヶ月に色々やってきた。スポーツメディアでの露出を増やしたけれど、知名度や啓発というより、ここからアジア展開の勢いをつけたいという気持ちが強い。

Q 地上波がない日本への再参入はブラジルとは違います。

WOWOWはアンスクランブル放送でPRをしてくれた。今回の成功が、将来の地上波獲得につながるといいなと思っている。

Q ファン層も少し気質が違いますね。

観衆はアメリカよりも静かだと聞いている。プロレス風にグッドガイ・バッドガイをはっきりさせたりする方がいいのかも知れないね。どうなるのか、大会を見てみたい。

Q なぜ日本ではここ数年、MMAが衰退しているのでしょう

国内のプロモーターが財政上の問題を抱えて、選手やファンとの間の約束が守れなくなったことが1つ、そしてもう一つは率直なところ、ヤクザ問題なんだろうと思う。国がヤクザ対策を強化しているからね。

Q UFCがPRIDEを再生しようとしていたときにも、いろんな問題があったと聞いています。今回の開催にあたって、ヤクザと遭遇することはありましたか。

私の関知する範囲ではなかった。パートナーの電通には多少あったかもしれないが、いまのところは順調にいっているよ。

Q ここしばらく、デンツーの名前をよく聞きますが、どういう会社なのか、アメリカ人にはよく分かりません。

トップ企業との取引のあるメディアと広告の代理店だよ。国内では圧倒的存在で、世界でも最大級の会社だ。スポーツ部門にも力を入れているし、コネクションもリソースも持っている。ふつうチケットはわれわれが自前で販売するのだが、海外では電通のようなプロモーターを使うことがあるんだ。

Q アジアでUFCの最大のライバルはどこになりますか?

特定のライバル団体というよりも、MMAの認知度を高め、啓発していくという過程そのものが挑戦だよ。

Q 次のアジア進出はどこでしょう?インドや韓国という噂もあります。

ちゃんと決まっていることは特にないんだけど、11月下旬に3,4カ所の候補を検討している。日本に戻ってくることもあるだろうけれど、11月のタイミングではなくて、1年後ということになるだろう。







スポンサーサイト

毎週更新!

Ad

Ad

MMA Update