視聴率にも注目!UFC on FOX 4大会 / スイックの910日間


今年5月にダナ・ホワイトが突然、レスリング・オブザーバのデイブ・メルツァー記者を名指しで非難する映像をリリースした。ホワイトはこう語っている。

デイブ・メルツァーがたいそうなストーリーを書いて、視聴率が悪いせいでUFCとFOXの未来が呪われているかのように言っている。デイブ、キミのことは好きだし、尊敬もしているが、上からアドバイスを送るような記事はいかがなものかな。自分も来週あたり、記事を書いて、あんたがどうすればYahooでの仕事を失わなくて済んだかを解説してやろうと思っているんだがな。来週発表するから、デイブ、楽しみに読むがいい。

記者諸君は、まずはしっかり宿題をやりなさい。UFCが一時的な流行であるとか、将来に期待が持てないとか、そんなことを言う前に、しっかり調べなさい。よく知りもしないのに書くんじゃない。そしてデイブ・メルツァー、あんたはYahooを首になったばかりだろ。あんたからビジネスアドバイスを受けようなんていう人は誰もいないぜ。



このようにホワイトを激怒させた「オブザーバー」の記事は、「UFC on FOX3」大会の低視聴率を分析するものだった。第4回の on FOX大会を前にして、5月のレスリングオブザーバーを振り返って紹介しておきたい。

(5月5日のUFC on FOX 3大会が、視聴率1.5%、視聴者数241万人、前回大会より48%も低下したことについて、当日はメイウエザーのボクシングPPV戦や、その頃超話題だった人気映画 The Avengers の公開日だったことをふまえて)問題はこの低視聴率が、ほかにいろいろな娯楽があったことによる一回限りのことなのか、カードが弱かったと言うことなのか、それともMMAを地上波で全国放送するというのは、「セレブ・ボクシング」のように短命で終わってしまうものなのか、ということである。

・・・いろんな状況が重なってたまたまこうなった、というのであれば問題はない。たった1回の低視聴率が、UFCとFOXの7年契約を台無しにするわけもない。しかし、UFCとFOXは、成長の痛みを共有している。FOXが、数字の取れない番組に資金を投じるわけがない。UFCにしても、Spike TVで放送していた頃より視聴者数が少ないという事実にハッピーであるわけがない。FOXで放送されれば、PPV販売数がどんどん増えていくという話だったはずなのに、現状ではファンを逃がさないことに精一杯の有様だ。

・・・UFCが放送のしすぎでファンに飽きられてきているのだとしたら、これは大問題である。「露出のしすぎ」による飽きという問題は、修正するのに大変に長い時間がかかる上、問題があること自体になかなか気がつかないものなのである。しかし、地上波放送の世界で、第3話までの視聴率が3.1、2.6、1.5と推移している番組は、普通なら打ち切り決定である。

・・・オブザーバ紙では緊急アンケートを行い、on FOX 2は見たのに、On FOX 3は見なかったという人に理由を尋ねた。理由は多種多様で、決定的に重大な理由は見られなかった。そのことが修正の難しさを物語る。回答の23%が、UFCの番組が多すぎて興味を失ったとしている。15%が映画「The Avengers」を見に行ったと回答、9%が出場選手が弱かったとしている。9%が今回はたまたま見送った、8%が「レスナーが引退してMMAへの興味が失せた」、8%がメイウエザーの試合を見ていた、7%がビッグファイトしか見ないから、5%が別のスポーツ番組を見ていたと回答している・・・



その後デイブ・メルツァーは「レスリング・オブザーバ・ラジオ」で、プロモーターから怒られるのはビンス・マクマホンのおかげで慣れているとしながらも(長い間WWFからも取材拒否をされていたはずだ)、ダナとはこれ以前もこれ以降も定期的にメールのやりとりをしている関係で、このときだけ急にディスられたのは奇妙な気がしたと明かしていた。ちなみにFOXでは土曜の夜をスポーツ枠としており、MMAだけでなく、フットボールや野球などを常時放送しており、野球の場合通常、300万人程度の視聴者を集めているそうだ。UFC中継がこの線を大きく下回り続けるようだと、それなら野球を放送しておくか、という判断になっても不思議はない。on FOX 4大会も、それほどびっくりするようなカードではないし、ロンドン五輪の最中と言うこともある。いったいどんな結果を生み出すのかが注目される。

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「UFC on FOX4」メインカードでのダマルケス・ジョンソン戦で910日ぶりに復帰するマイク「クイック」スイック選手の事情。Yahoo! Sports ならびに Sports Illustrated.Comより。

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2007年頃、マイク・スイックは真夜中に、心臓発作かと思うような鋭い痛みを胸に感じて、何度も目が覚めてしまうようになった。スイックは当時、UFC69での岡見勇信戦に備えていた。痛みの発作は徐々に激しさと頻度を増していき、スイックはついに、選手生命の終焉宣告におびえなから、医者を訪ねた。

しかし医者はスイックの症状に戸惑った。最初は胃食道逆流症だと診断され、つぎには消化不良だと言われた。ほかにもさまざまな仮説が提示され、そのたびに薬が変わっていった。食道にボトックスを注射したこともあった。しかし、何をやっても効果はなかった。

「当時は満足に食事が取れなくて、練習しながら薬ばかり飲んでいた。もうダメなんじゃないかと思うこともあった」とスイックは語っている。さまざまな苦しい試行錯誤を経て、最終的な診断は「食道けいれん」であるということになった。治療法はない。

2009年11月、UFC105でダン・ハーディと戦った頃は、体調不良の極地だった。毎晩のように発作に襲われ、睡眠時間を奪われていた。翌年2月、UFC109でのパウロ・チアゴ戦を最後に、スイックは長い欠場期間に入った。

「フルタイムのUFCファイターが、フルタイムのUFCファンになったみたいだった。2年半も、ただのひとりのファンとして、UFCの大会を次から次へと見ているだけだった。」とスイックは語っている。「この舞台で自分が戦っていないことにはフラストレーションを感じる。試合から遠ざかっていると、どんどん忘れられて、実績も何もない選手になってしまったように感じる」

痛みの発作は完治したわけではないが、スイックは発作をコントロールすることができるようになった。食べても大丈夫なものも把握したし、食べる量が減った分をサプリメントで補うことも出来るようになった。それでもまだ、スイックには不運が襲い続けた。

スイックには2011年1月に試合が組まれたが、腰の負傷で欠場を余儀なくされた。その後2011年8月のブラジル大会にむけた練習中に、今度は左膝を断裂。「呪われているのか、何かにとりつかれているんじゃないかと思ったよ」とスイックは語っている。ヒザの負傷は前十字靭帯、内側側副靱帯、半月板の断裂祭り状態だった。

「あれ以来、練習も死ぬほど怖い。練習中もあらゆることに極端に注意している。車の運転だって、制限速度を守っている。全力を尽くして、ケガをしないようにしているんだ」

910日ぶりの復帰戦についてスイックは決意を語っている。「どんな感じになるんだろうね。こんなに間隔が開いたのははじめてだからね。でも自分はこの手の状況には強いんだ。いつも自分が思ったより、ずっとうまくやれる。一つだけ確かなことは、ハートをむき出しにして戦うよ。今後はもう、試合が出来ることを当たり前だとは思わない。どの試合も、これが引退試合だと思って戦うつもりだ。」


・・・こちらのインタビューでは、スイックの元にFOX大会出場のオファーが届いたその日に、おじいさんが亡くなったというエピソードも披露されている。この試合をおじいさんに是非見せたかった、試合をおじいさんに捧げたいと語っている。ご冥福を祈りたいが、それにしても本当にいろいろある人だ・・・

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今年初頭にスゥエーデンで発足した国際MMA連盟(12か国加盟、60か国が申請中)がロンドンで、国際五輪委員会の代表団に、MMAの五輪競技化を訴えた。国際MMA連盟では、1年かけて各階級で16人参加のトーナメントを実施することを提唱、使える技を制限することで安全性に配慮したり、プロMMAとは異なったスコアリングシステムを採用するという青写真を示したという。

UFCの法務渉外マーク・ラトナーによると、五輪競技化するには、少なくとも50か国でその競技が行われていなければならないそうで、「一夜にして実現できることではなく、時間はかかるだろうが、すでに種はまかれている」と語っている。

FOX TVの解説者ジェイ・グレイザーは、五輪優勝選手がそのままプロ入りするという道筋が出来ると素晴らしいとコメントしている。

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