ストライクフォース大会中止の背景

ストライクフォースが9月29日の「メレンデス vs ヒーリー」大会のキャンセルを発表した。メレンデスの負傷欠場を受けて、Showtimeが放送中止を決断した。

この件についてのメレンデスの説明は、つい最近どこかで聞いたような話の繰り返しになっている。

(大会が中止になってしまうことについて)こうなるとは思わなかった。全く頭をよぎらなかった。だからその知らせを聞いたときには落ち込んだよ。

試合の12日前に、きつい練習をやっていたんだ。最後のハードなスパーリングだ。ジェイク・シールズとテイクダウンの取り合いをしていて、僕はテイクダウンをとられまいと踏ん張っていた。そしたら肩から落とされてしまって、ケガをしてしまったんだ。

無理しようと思えば出来る。家族のため、娘のためなら、足が一本でも戦えるんだ。でもいまは、自分の今後のキャリアにとって何が大切なのかを考えた。若い頃なら、選手としてのエゴを優先させただろうが、いまの僕にとって試合はビジネスなんだ。ケガを押して試合に出ても、いまの自分にとってプラスにならないと考えた。



もともとこの大会のカードも、先日中止になったUFC151同様、メレンデスの試合を除くと、それ以外のカードはウソだろというくらい地味なものであった。もともとこの大会にラインアップされていたジョシュ・トムソンが、自分がメインイベントでパット・ヒーリーと戦うと申し出ていたそうだが、テレビ局はそれについては考慮しなかった。米MMAメディアのなかには、自分で弱いカードを組んだ以上、プロモーターなりテレビ局はもう少し自己責任を果たすべきではないかという意見が見られた。また、ストライクフォースにもショータイムにも、代替カードを探す努力が全く見られなかったことにも批判の声が上がっており、こんなことが続くようでは、大枚はたいてキャンプを張って準備をしてきた選手が気の毒にも程があるとの報道が見られた(パット・ヒーリーはキャンプに50万円使ったとしている)。

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UFC152ポストファイト、グレッグ・ジャクソンのインタビューより。MMA Fighting

Q 1R目にヴィトーがアームバーを決めました。

グレッグ あのアームバーはちゃんと対策を練習していたんだけど、ヴィトーはとにかくスピードが早くて、タイミングも素晴らしかった。でもジョンが立ち上がって相手を振り落とそうとしている様子を見て、メンタル面は落ち着いているなと確信した。アームバーの瞬間はセコンド全員が凍り付いたけど、それ以降のジョンはやるべきことをやってくれたと思う。

Q ジョーンズの動きにミスがあったのでしょうか。

A そうじゃないんだ。でもジョンにはお尻をちょっとずらしてしまうことがあって、そこをヴィトーがすごいタイミングで90度に刈り込んできて、アームバーに捉えてしまった。ジョンのミスではなく、ヴィトーがすごかったんだよ。

Q ジョーンズは自分の長い腕に助けられたのでしょうか。

A いや、メンタルが落ち着いていたことがすべてだよ。

Q 1R終了後のインターバルではどんなアドバイスを?

A 「腕が!腕が!」とか言っていたから、大丈夫、その腕で殴ってやれと言ったんだ。むかしGSPが金的を受けたとき、その金的で殴ってやれとアドバイスした笑い話を踏まえている。そんな風にリラックスさせることが大事なんだ。「やられた、こんなことは初めてだ、恐ろしい」などとナーバスに考え出すと、そこから雪崩式に墜ちていってしまう。コーチの役目は、まあ落ち着け、まずはやるべきことをやれ、腕の心配はあとでゆっくりしようなどとアドバイスして、集中力を取り戻してやることなんだ。

Q ヴィトーは思っていたより強かったですか。

A いや、ヴィトーは常にタフな選手であることは知っている。尊敬しているよ。

Q フィニッシュはずいぶん唐突にも見えました。

A そうだね。パスガードを早めにしなさいとアドバイスした。2Rだか3Rだか、ガードの中にいる様子が危険に見えたんで、グラウンド&パウンドはいいけど、そこに座っているのは避けなさいと言ったんだ。やっとパスガードできたと思ったら勝つことが出来たね。



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ジョン・ジョーンズと個人面談を行ったダナ・ホワイト。歯切れ悪し。MMA Junkie

いい話し合いができたよ。ただ内容については明かさない。男同士の約束をして、お互いに秘密を守ることにした。
今回ジョンは間違いを犯した。間違いは正さないといけない。彼にはまだまだ未来があるんだ。
ジョンが今後も勝ち続け、自分をもっとよく知るようになっていけば、試合だけじゃなくて、彼のイメージもずっと良くなっていくだろう。ときには自分で自分の扱いに難儀しているようだが、悪い男ではないんだよ。



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ジョン・ジョーンズの決め技「アメリカーナ」について、柔術家の方からメールで、「V1」はおそらく日本独自の呼称で、あの技はアメリカでは「アメリカーナ」呼称が一般的だと教えていただいた。ブラジル人の柔術家がまだ柔術の技術が浸透していなかった当時のアメリカ人をこの技で仕留めまくったことから「アメリカーナ」になったという説があるとか。

すると今回は、アメリカ人のジョーンズがブラジル人のベウフォートに意趣返しをした、とも読めることになるのかも!ジョーンズがそこまで意図していたかはわからないけれど。

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しかしダナ・ホワイトの「イヤなら見るな。おまえのカネなどいらん」という発言は、かえすがえすすごいよなあ。プロモーターなら、いや、何らかの意味での商売人なら誰しも一度は吐いてみたい言葉である。

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2012年9月10日、第1007回目のRAWは、1997年のモントリオール事件(「ブレット・ハート vs ショーン・マイケルズ」)と同じ会場、ベルセンターで行われたが、またしても歴史に残る大会となった。ジェリー・ローラー(62)が実況中に強度の心臓麻痺を起こしたのである。

心臓麻痺は東部標準時で午後9時58分に起きた。そのときローラーはマイケル・コールとともに、「タイタス・オニール、ダレン・ヤング vs. ダニエル・ブライアン、ケイン」を実況していた。テレビ画面からも異常は察知できた。というのも、おおぜいの観客が試合を見ないで、リングサイドの実況席の方向を見ていたからである。ちょうど客席で喧嘩が起きたときのような反応だった。コールは実況を続けていたが、あきらかに気が動転している様子だった。観客からの「ジェリー」コールが聞こえたような気もしたが、とにかく確かなことは、ローラーの声がしなくなったことだった。テレビ視聴者に対する説明はしばらくの間、なにもなかった。バックステージからは、放送席を映すなという指示と、ローラーを直ちにバックステージに搬送せよという指示が届けられた。

ローラーは激しくあえいだ後、胸を腕を抱え込むようにして倒れた。会場内にいた人の報告では、ローラーは自分の胸をかきむしりながら激しくけいれんし、床に倒れ込んだという。そして床に嘔吐しながら、心肺停止状態に陥った。複数の救急救命士が急行し、ローラーをバックステージに連れて行った。

バックステージでは救急車が来るまで、約15分にわたって蘇生術が施され、除細動器も7回使用された。バックステージでの処置は極めて迅速なもので、ローラーは数分で自発呼吸をし始めた・・・

ローラーが倒れてから20分後、コールがテレビ視聴者に向けて事態を説明し始めた。コールはビンスが指示する言葉をそのままアナウンスし、ローラーが意識を失って倒れたこと、バックステージで蘇生術を受けていることを説明した。コールはの声は震えており、涙まじりであった。そしてコールははっきりと、これはエンターテインメントではありませんと説明した。

その後の番組はほとんどが事前の録画したテープの放送だった。コールはそのまま実況席に残り、映像の合間に2度にわたってローラーの状況を説明した。会場の観客は、何かが起きたらしいこと、ローラーがバックステージに連れて行かれたことは理解していたが、それ以上の説明を受けることはなかった・・・


9月17日号のレスリングオブザーバーより。ローラーは翌日心臓手術を受け、現在はすでに退院し自宅療養中である。懸念されていた酸素欠乏による脳障害は起きていなかったという。


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