この忙しいときに中邑真輔論


ハードディスクレコーダー消化の偶然のタイミングで、「武藤 vs 棚橋」(チャンカン3日目)と「武藤 vs 中邑」(武藤IWGP戴冠)を立て続けに見た。結論的には棚橋の試合の方が100倍おもしろかった。天と地ほど違っていた。こうなると原因を考えてみたくなる。

●まず棚橋と中邑の試合がダイレクトに比較可能であるというのがまずい。棚橋は棚橋なりに、中邑は中邑なりにおもしろい、とならなければ仕方ない。ところが残念ながら、「中邑なり」のおもしろさというのが、わからない。中邑の試合をこんな風に見ても仕方ないんだろうけどなあ、と思いながら見続けざるを得ないことになる。

●中邑の試合は、意外にバックドロップやジャーマンといった大技が多い。そうでなければサブミッション技である。一応、サブミッションが必殺技ということになっているのだろうけれど、たとえば昔のUWF戦士のようなソリッド感もリアルさもない。そうなると、地味な寝技と、典型的な大技という組み合わせで展開することになり、いつ見てもやっていることが唐突で、流れがバタバタしていて、意味がよく分からないのである。大技と小技の間の、中間的なイメージの技があるといい。ホントならキックがいいのだが、この人のキックはフォームがヘニャっとしていてだらしなく見えるのでダメだ。ちょっと柔術家のような体つきなので、ド派手な回転体サブミッションをやまほど開発するというのはどうだろう。

●中邑はどんな試合をしたいのだろうか。「一番凄いのはプロレスなんだよ」などという以上、格闘技を意識しているのか。それとも、それはそれとして、格闘技スタイルはイヤなのだろうか。どちらなのか、わからない。レスラーとしてのお手本は誰なのだろうか。棚橋はドラゴンをモデルにしていると公言している。誰かのまねをした方が良いとは言わないが、これでは見る人にとって、どう思ってみればいいのか、よく分からないので不親切だと思う。

●棚橋の動きはよく理解できる。理解できればそれでいいということもないし、大仰で鼻持ちならない動きだし、どうみても効き目があるようにも見えないが、それでも、そうくればこういく、というお約束が浸透している。そして、棚橋 vs 武藤戦では、そのお約束がときに、いいリズムで快く破られる。それが、良いものを見た、ビッグマッチだ、というプレミア感につながる。棚橋は前半戦で武藤の足を攻撃している。よほどうまくないと、武藤の足には触れないのではないかと思うが、これがあったおかげで、今度は武藤の棚橋への足への反撃がいつもより厳しい攻めに映る。一点集中の足攻め攻防の納得感、定番の動きと例外の動き、リズムと加速感がある。だいたい、本人が充実しているのがよく分かる。

●中邑の動きは、いつもと違っていたのかどうかがよくわからない。タイトルマッチだから凄くがんばったのだろうとは思うが、気の毒なことに伝わってこない。何をどう組み立てたいのか、意図が見えない。もちろん長所もある。やられっぷりはいい。この試合でも、武藤の首へのドラスクの威力はかつてないほどよく分かったし、シャイニングも顔面でマトモに受けていた。思い出してみればこの人は、高山や藤田のヒザも見事に受けていた。本当にスキルなのかどうかはよくわからないが、受けの凄みはいい。ただ、それが彼のスタイルにどうマッチしているかとなると、これもまたよく分からないので、「たまたま現れた凄いシーン」に見えるばかりなのである。

●新日本のエースでいるというのは、幅が狭まって辛いだろう。中邑の他流試合を見てみたい。森嶋やKENTAとどう戦うだろうか。あるいは、ハッスルかDREAMか、どちらかに出場してみるというのはどうか。今のファンはそこを見てる。この人、やればイグナチェフにも勝てる人である。そして柴田のことも忘れないで欲しい。いつか必ず行われるはずのグラッジマッチである。一人で旅をするようなイメージは、中邑によく似合うと思う。トップレスラーなら、その一人旅を自分でプロデュースしているような様子も欲しい。実際には他人のプラニングに乗っていても構わない。

●なんだか中邑は空っぽであるかのように書いたが、本人なりには色んなことを考えているんだろう。たとえば、決まり切ったムーブを繰り返すサラリーマンだけにはなりたくないとか、胃が痛くなるほど考えている風には見せないのが美学だとか、あるのかもしれない。I編集長は昔、中邑について、まずはひげを剃って背筋を伸ばせと言っていた。この辺がよく当たっているのかもしれない。この人は、見る人がどんなイメージを持つか、ということについて、本当はよく考えているのに、最後の表現のところで意外と無頓着なのではないか?

・・・プロレスを書くのは難しいな。低脳がばれそうだ。どうでしょう。ピンと来ますか?

*****
エリートXCの主力選手が続々DREAM参戦へ!DREAMとプロエリート社が協力関係を強化!! (DREAM公式)

当然の提携だと思います。ちょっと遅かったくらいです。これでキッドや秋山がアメリカンスターになれるかもしれません。軽い階級はあんまり人材がいないかもね・・・

選手融通では双方にたしかなメリットがあるでしょうが、ただEliteXCには金はないよ。

契約選手一覧はこちら。ジナ・カラーノが一番見たいんですけど、どうしましょう。

ついでに、アングルジャパンさんによるこの記者会見の模様より。

対戦相手の井上も「納得できないこともあったけど、あとはやるだけです」と憮然とした表情。この辺のことについて、笹原EPは「大丈夫ですよ。井上選手がどこに怒っているのか分からないですけど・・・


石田、川尻、青木、永田、そして井上と、みんな不満が一杯だ!
みんなが少しづつ不満、と言う状態が、ベストの人事であるとも言われます。


*****
JZ With Torn ACL, Out Rest of Year (BloodyElbow)

JZカルバンがSherdogのラジオショーに出演、青木戦以前より半月板を損傷していたこと、青木戦で靱帯を断裂したことを明らかにしました。手術が必要で、リハビリに4ヶ月かかるそうです。年内復帰は絶望的と言うことです。

*****
Affliction rolls dice with top talent (Strikes and Submissions, USA Today)

Affliction still has a few tests to pass for official go-ahead (Josh Gross, Inside MMA, SI.Com)

7月19日Affliction旗揚げ戦カードが次の通り発表。

(メインカード)
エミリャーエンコ・ヒョードル vs ティム・シルビア
ジョシュ・バーネット vs ペドロ・ヒーゾ
レナート・ソブラル vs マイク・ホワイトヘッド
マット・リンドランド vs ファビオ・ネガオ または ベン・ロスウェル vs TBA
ポール・ブエンテロ vs エミリャーエンコ・アレクサンダー

(PPV前座試合)
• Savant Young - Mark Hominick
• Justin Levens - Ray Lazama
• J.J. Ambrose - Patrick Speight
• Mike Pyle - Brett Cooper

ベン・ロスウエルの対戦相手には、アンドレイ・アルロスキーの噂。大会名称は、UFCとEliteXCに自社の衣装着用を禁じられたことを逆手に取ったような「Banned」(禁止)。テレビ放送については、まずPPV。価格はUFC並となる見込み(45~50ドル)。このほか、決裂が報じられたHDNetとは依然として交渉中。アンダーカードを無料放送して宣伝に使いたいほか、PPVも後日無料放送したい意向とか。

会場はアナハイムのホンダ・センター、チケットは5月20日発売開始。10月には第二回大会を予定し、「ヒョードル vs シルビア」「バーネット vs ヒーゾ」の勝者同士を戦わせたいとのこと。

カリフォルニア州アスレティック・コミッションによる開催承認はこれからで、実際の開催アナウンスやチケット発売は承認後でなければならない。Afflictionでは、現地のプロモーターRoy Engelbrecht氏のプロモーター・ライセンスのもとで大会を開催しようとしている。コミッションは現在、ファイトマネー総額の2倍の供託金を求めることとしており、総額600万ドルとも噂される巨額のファイトマネーの供託金を拠出できるかどうかが不安視されている(Afflictionでは、総額600万ドルというのは事実ではなく、供託金拠出も問題ないとしている)。

また、バーネット、シルビアが過去にカリフォルニア州のステロイドテストでポジティブになったことがあることも懸念されている。

ちなみに、Engelbrechtと言う人物をちょっと検索、はっきりとは分からないのですが、少なくとも最近まで、デラホーヤのGoldenBoyの役員をしていました。AfflictionとGoldenBoyの関係は切れたわけではないのかも。カードははっきり言ってなかなか強力ですが、本当のPPV DRAWはシルビア一人というのはやや不安。

スポンサーサイト

毎週更新!

Ad

Ad

MMA Update