DREAM.3 米国での評判 / 煽りV論


Caol Uno vs. Mitsuhiro Ishida
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Caol Uno vs. Mitsuhiro Ishida


米国MMAサイト等のDREAM寸評を並べてみました。

Dave Meltzer of Yahoo! Sports

超ビッグな選手には欠けていたが、ライト級トーナメント準々決勝3試合を中心としたカードは、結果的には今年最高のMMA大会となった・・・アルバレスとハンセンは、最初のラウンドは速いペースで動き続け、ハイライトは、両者は同時にパンチをあてるシーンが何度かあったことで、それはまるで映画の中のロッキーとアポロのようであった・・・

アルバレスは、「こんな試合を出来るのも二人の人間がいるからこそで、二人とも勝者だと思う」と語ったが、日本人の価値観では、楽しめる試合は勝ち負けを超えて尊ばれる面があるので、アルバレスのコメントは的を得ていると言えよう。


Kid Nate of BloodyElbow

ライト級グランプリはかなり画期的で、優勝者は誰であろうと、世界のライト級の1位か2位にはつけると思う。アルバレス・ハンセン戦は素晴らしかったし、宇野と石田の試合も遜色がなかった。宇野のようなウォーリアーがカムバックして、最高のヤングファイターを下すのは非常にドラマティックなことだ。石田のスタイルは和製ショーン・シャークといったところで、ここしばらくはトップ選手相手に圧倒的な試合を見せていたものだ・・・PRIDE33やShockwaveには満たないかもしれないが、武士道よりは良い。


Daniel Herbertson of Sherdog:

これまでの二大会はうまくいっているとは言えなかったが、DREAMの日曜日の大会は、日本のMMAの有るべき姿に向けた地盤を見せてくれた。


Sam Caplan of 5 ounces of pain:

ノスタルジーの力は偉大だ。並の大会でも実物よりもずっと良いものに見える。この12時間、私はeメールやIM、電話を山ほど受けた。「DREAMを見たかい?なんてグレートなんだ!」

グレート?グレートのレベルも下がったものだ。

・・・アルバレスとハンセンによる今年の最優秀試合を除けば、この大会はそんなにグレートだっただろうか?DREAMはたしかにPRIDEっぽい。グランプリ形式と言った要素を引き継いでいるし、同じ選手も出ている。でもPRIDEじゃあない。全然違う。

どうやらDREAM.3にそんなに感心していない自分は少数派のようだけど、PRIDEについてはZuffaが買収した時点で諦めた。DREAMはDREAMとして評価すべきで、PRIDEの栄光とは関連づけない方が良い・・・

DREAM.3には、このプロモーションの駄目な点がたくさん見られた・・・ステージの設営はPRIDE品質とは言い難い。NASAが人工衛星でも建設しているようなステージだった。花道は奇妙な作りで、建設現場の非常用の迂回路のようにも見えた。

・・・たしかにPRIDEにもおかしなマッチメークがあったが、それなりの意図が見えた。上昇中の選手にはレジェンドをあてて、敬意を表しながらニュースターを作ろうとしていた。ところがDREAMでは選手を単純に潰しているように見える。ジェイソン・ミラーをスターにしたいのは分かるが、才能の差をプロと大学生の差くらいに縮めることは出来なかったか?

そして、マジな話、石田と宇野がメインイベント?武士道でもありえないだろ。石田ってみんなが推すほど良い選手だろうか?素晴らしいレスラーだとは思うけど、あまりにレスリングスキルに頼りすぎていて、僕の趣味には合わない。


ああ、DREAM、よかったですね。この大会からHDNetで生中継されるようになりましたが、おおむね評判が良いみたいです。石田が退屈、という声はちょっと多いかな。唯一否定的なスタンス、Five Ounces ブログは(このブログはPRIDE愛が強すぎて頑固になってます)、HDNetの番組製作のひどさも延々と嘆いていて、それに対する賛同コメントが多数ついています。日本のPPV映像は100倍よかった、と言うコメントもありました。アメリカでも、番組製作に目くじらを立てる人は多いみたいです(笑)。

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煽り映像論について、トラックバックをくださる「先カンブリアンの補遣」さんに反応したいな、と思いつつ、延び延びになっていました。先方のおっしゃっていることがかなり高度で含意豊富なので、僕には十全に理解できておらず、アンサーソングには力が及びそうにないからなんですが、ただ、追加で独り言を言いたくはなる(笑)。Number誌にTBSへの取材記事も出たことをきっかけに、もう少し書いてみます。

カンブリさんのご指摘、PRIDE葬送を船木と田村に託すとか、UとPRIDEのアナロジーというのは、編集製作の方法論として十分わかりますし、内容的にもおもしろくて、あり得る解釈だと思います。僕個人は内容面に思い入れが有りすぎて、ピンと来ると言うより、重箱の隅をつつきそうになってしまうし、葬送なら桜庭に託したいかなとも思ったりもするんですが、まあまあ、そこは無粋ですね。多様な解釈が楽しいのであってね。正解すらないかもしれないし。

PPVと地上波の視聴者層の違いを考慮すべきとのご指摘は、これは当然のことで、全部アグリーです。ただ、当ブログでは、違いを際だたせはしましたが、実際には実に7分におよぶこの煽りVで、文言修正がたった数カ所という、実にミニマルな編集ぶりなんですね。そのわずかの加筆の中で、「U以外のプロレスは全部嘘だ」みたいなことを言ってしまう。それで一般視聴者がUを深く理解し、この試合により興味を持つとも考えにくい。視聴者層の違いを反映したテーマの入れ替えが必要なら、クリエイターなら横着しないで大胆に作り替えるべきでしょう。これはクリエイターの仕事というより、神経質な上司が無理に朱を入れた、と言う風に見えます。殆どの場合、そういうことって、社内的な意味しかないですね。

佐藤大輔氏はUに思い入れを持っていない、と言う事実は、KamiproHandのコラムに掲載されていました。もちろん、PRIDEに関わるようになってから、多少の後追いはしているようですが、その代わり、今回は念入りに取材をしていた、ということです。それはそんなもんだろうとは思います。佐藤氏はプロレスの知識で食っている人ではないです。TBSにUの映像素材が残っていた、ということも、今回のクリーンヒットの要因だったようです。実態としては、TBSのライブラリーありきで製作した、ということは案外あるかもしれません。若かりし日の船木や田村、高田や前田のゴン太顔。そこには桜庭もいたはずです。クリエイターなら料理したくなるでしょう。

今回のUWFの煽りについて僕なりにかみ砕くと、Uのことなんか誰も知らないから、誰でも知ってる連合赤軍をアナロジーに持ち出した。もっとも、僕自身も、一般視聴者も、連合赤軍のことだって詳しくは分からない。そこはそれでいいんです。連合赤軍には過激さ、青さ、狂気、もろさ、死といった、強いイメージ喚起力があって、そのイメージに相通じるものがUという集団にはあるんだよ、ということが伝われば十分と言うことなんだろうと思います。そんな時代遅れのアウトサイダーの生き残りが雌雄を決するんだよ、といっておいて、ポンと選手入場シーンに引き継ぐと。だから、それを地上波向けにわかりやすくする、というのなら、連合赤軍の「それらしさ」を、一般向けに拡大する、変態じゃなくてもわかるように連合赤軍を具体的に詳しく述べる、というのが王道じゃないのかなあと思うんですね。プロレスといった別の要素を持ち出すなら、連合赤軍は引っ込めるとか、アナロジーという手法を放棄しないと、いったい何と何のアナロジーによって何を言わんとしているのか、焦点がぼやけて、わからなくなる。そして、誰が喜ぶのか分からないような、イヤな感じだけが残るんですね。編集で横着すると、たいていは傲慢に見えますから。

ところで、PRIDEが開拓した煽り映像の基本精神は、「侠」ということじゃないのかなあ、と考えています。やっぱりヤクザなんだけど(笑)、ヤクザの専売特許ではない。浅草キッドの「お笑い男の星座2」収録の「男のホモっ気、百瀬博教」で、百瀬氏がこんな発言をしています。

男のホモっ気って奴が体内からにじみ出ている漢(おとこ)でないと、親分にはなれないんですよ。男らしい、っていうのは何かと言えば、「まさかの時にいかに男らしく振る舞えるか」ってことだけなんですよ


実務的に言っても、こういう人に恥をかかせない、あるいはこういう人が見てニヤリとするような煽りVである必要があるわけでね。Uや連合赤軍にも、侠は感じられます。川尻にはあんまり感じないなあ。今日なんか、前言翻して謝ったらしいし、ずっこけるわ。

Kamipro Special 最新号の座談会で井上崇宏という人が、「日本人は良くも悪くも、体質的に不条理なものを受け入れてしまう」なーんて言い方をしているのが、まあ、これと近い内容なんでしょう。もうちょっと言葉豊かにお願いしたいところだなあ。「体質」なんてボキャブラリーは、ちょっと引きますわ。

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“煽りV論” の感想

JUGEMテーマ:格闘技全般  OMASUKI FIGHTさんからトラックバックのお返しを頂きましたので、そちらの感想をば。

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