UFC155レビュー

UFC155をWOWOWで観戦した。

デレク・ブランソン def クリス・レーベン

レーベンは前回の試合後の薬物検査で陽性となりUFCから出場停止を食らっていたが、欠場していた14ヶ月間、もっぱらペインキラーとアルコールを抜いていたということだ。リハビリの内容がMMAファイターと言うよりオールドスクールなプロレスラーに近い。入場時点からどこか枯れているように見えたし、試合の動きも緩慢に見えるが、以前からそうだったような気もするし、ブランソンの強さがわからないこともあって、もう一つよくわからない。ブランソンはストライクフォースからの移籍組で、いわば軍団の先鋒として登場してきたわけだが、UFCでは対抗戦ムードを盛り上げるつもりは全くないようである。いつものように3Rに予備ガスタンクをつかってレーベンが盛り返したようにも見えたが、喧嘩に勝ってゲームには負けたような試合だった。

大会後記者会見のダナ・ホワイト:この試合をPPVカードにしたのは間違いだったな。あの子(ブランソン)は時計ばかり見ていて、まるで14歳の子供が早く学校から帰りたいみたいだった。

岡見勇信 def アラン・ベルチャー

岡見がベルチャーを自分の形に引きづり込み溺れさせた。どことなく運気下降中に見える岡見よりも、時の勢いは、連勝中のベルチャーにあるかと思われたが、ふたを開けてみれば1軍と2軍くらいの違いがあったように思う。打撃で一度二度とぐらつき、ひやっとさせてくれるのも、最近の岡見さんの芸のうちである。まあ、今日勝ったからと言って、ベルト再挑戦が近づいたとは思わないけれども、岡見の場合はこれからも末永く、何となく時々登場してくれればそれで満足かなとも思う。

岡見については、チェール・ソネンの母親に銃で撃たれる寸前だったという笑い話がある。ダナ・ホワイトのビデオ・ブログの中で、ソネンがR1グランプリ並みに作り込んでいそうな岡見の笑い話を披露して、ダナやスタッフ一同が「ユーシン・・・」と言いながら腹を抱えて笑い転げるというシーンがあって、すごく興味をひかれて何度か視聴したのだけれども、笑いながらの早口トークなので、どうも肝心の所が、僕の英語力では聞き取れなかったのである。

試合後のインタビューや記者会見でも岡見はそのことばかり聞かれていたが、例によって「話すと長くなるので、またの機会に」とか「詳しくはチェールに聞いて下さい」などと、可能な限りの短い答えを探し出してうっちゃるばかりであった。どなたか、ことの詳細を岡見にインタビューしていただけないものだろうか。気になって仕方がない。


ジム・ミラー def ジョー・ローザン

1Rは「ラウンド・オブザ・イヤー」とでも言いたくなるような激闘だった。ジム・ミラーの戦慄の三沢エルボーがローザンの額を大きく切り裂いていた。UFCではホントに、カットで試合が止まると言うことがない。WOWOWではこの両者を「名勝負製造器」と呼んで煽っていたが、ジム・ミラーのような地味な男が、いつから名勝負製造器になったのかなと怪訝には思った。イナガキ氏はレフリーやセコンドが何をしゃべっているのか、訳して紹介してくれるのはいいのだが、「Doctor!」とか「Last Round」くらいの単語レベルをいちいち詳しく訳してくれるのは奇妙なことである。何を考えているのかいまいち不明だったWOWOWの女子アナは、この試合を見た後、血まみれだけどこれならもっと見ていたいですねと、突如キラーな一面をのぞかせていた。この試合はファイトオブザナイトとなったが、これでローゾンは12回目のボーナスとなり、UFC最多となった。併せてジム・ミラーはライト級で11勝目となり、これもUFC最多となるそうだ。ローゾンは額を40針縫ったそうである。

ケイン・ベラスケス def ジュニオール・ドスサントス

1Rにほぼ勝負は決していたかに見えたが、なぜかケインがなかなかフィニッシュできないまま、5Rまでもつれ込んだ印象だった。実は2Rあたりから、僕も昼飯による満腹感と床暖房のダブルインパクトにKOされて、ドスサントス同様、意識がないまま5Rまで視聴してしまった次第である。ベラスケスはこの試合で27回のテイクダウンに成功、これはUFCヘビー級戦では新記録だそうだ。

大会後記者会見でダナは、今日の大会はセミとメインに救われた、それ以外はあまり好きな試合ではなかったと、ずいぶんハッキリと言ってくれている。プレリムはおもしろかったらしい。トッド・ダフィは勝った。レナード・ガルシアは負けて4連敗となったが、大変な激闘だった模様で、「解雇するわけないよ」(ダナ)ということである。

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大会後の囲み会見でダナ・ホワイトが、2013年11月に、ニューヨークのマジソンスクエアガーデンで、UFC20周年記念大会を開催したいと発言した。対戦カードもすでに念頭にあるという。もちろんニューヨークではMMAは未だに解禁されていない。何か勝算があっての発言なのか、新年の抱負を述べてみただけなのか、真意詳細は不明である。

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試合直前に迫ったフィル・バローニ、来日前12月23日の本人のブログより。

最近はしょっちゅうマーク・コールマンと電話で話をしている。たくさん勇気をもらっているよ。コールマンはかつて、死んでいた自分を引き上げてくれて、日本でのキャリアを積ませてくれた。そのことにはいつも感謝している。コールマンと話をしていると自信が出てくる。コールマンはホール・オブ・フェイマーで、UFC王者で、PRIDE王者で、グラウンド&パウンドのゴッドファーザーだ。彼が俺のことを信じてくれるんだから、自分で自分を信じないわけにはいかない。

・・・ロンダ・ラウジーが最近、オリンピックとMMAの違いに触れていた。あの子はこの業界ではまだ新顔だからわからないだろうが、何回かパッとしない試合をした後には、意見も変わってくると思う。もちろん彼女の成功を祈っているし、自分のような経験はしないでほしいと思うけれども、格闘技ビジネスというのは本来、 自分の健康を金に換えているという面があるんだよ。

ヴァンダレイ・シウバが日本でブライアン・スタンと戦うことについて 語っているビデオを見たよ。シウバで本当に感心するのは、つねにポジティブなところだ。昔、ランディ・クートゥアのジムのシャワーで話し込んだことがあるんだが、33歳になることをものすごく前向きに捉えていた。僕らは同い年でね、僕ときたらその頃はちょっと落ち込んでいたんだけど、彼は絶好調だと言っていた。経験豊富なのにまだ若い、だからこれからが全盛期なんだと言っていたよ。彼はいまだにUFCで生き残っていて、日本大会でメインを張るんだね。ホントに驚きだよ。



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だいぶ前の話になってしまったが、まだ需要はあるだろうか・・・ダニエル・ウエストから見たパンクラスでの中井りん戦。本人のFacebookより。罰金は払っていない模様である・・・

火曜日のフライトで日本に向かった。フライト前の体重が66.5kg、機内では水とブラックコーヒーしか取らなかったのに、13時間のフライト直後の体重はなぜか70.8kgになっていた。そこから18時間で契約体重の61.2kgまで落とすのがどうしても無理で、前日計量の午後6時の締切時点で62.2kgだった。パンクラスの人は、試合があるかどうかわからないが、とりあえず明日は来てくれと言った。翌日会場に行ってまた計量したら67kgあった。私は通常、水分補給をすると70~72kgまで戻るから、私にしては軽いほうだった。計量の後、私はサウナスーツを着せられて走らされた。1時間ほど汗を流した後、パンクラスの社長がやってきて、試合は行う、ひざ蹴り、チョークは禁止だと言った。私たちは合意した。ヒザとチョークが禁止なのは私だけだ、とは言わなかった。

試合前にウメッキーが、私が勝っても裁定はドローとなり、タイトルは与えないと発表した。私が勝ってタイトルを取るというシナリオはなかったことになる。私がそのことを理解したのは試合の翌日だったけれど、その場でわかっていたとしても試合はしたと思う。試合が始まるとリンは3Rにわたって私から逃げ続けた。私は2,3度テイクダウンを取られたけれど、その後は果敢にアームバーを狙っていった。3Rを通じて私が圧倒していたと思う。2Rに彼女は私にヒザを入れた。私はレフリーに抗議したが、ヒザが禁止なのは私だけなのだとレフリーは答えた。その時点で私の攻め手はほとんどなかった。対戦相手はまともに戦うつもりはないようだったし、ベルトを持って行くことはほぼ確実だった。私は何のために戦っているのかわからなくなった。正々堂々と戦うのが試合じゃないのか。もちろん、1kgの体重オーバーは不公平だと言われるのかもしれないけど、リンの体つきを見ていると、増強剤をやっているように思われたし、彼女は13時間かけて旅をしてこなくてもいいんだから、減量もさぞ楽だったんだろうなと思った。試合前にさらにイライラしたのは、パンクラスが私の入場曲のCDをなくして曲が使えなかったり、セコンドのパスが見当たらなくなったので、入場するのにパスを買わないといけなかったりしたのだ。これらすべてを勘案すると、どうもパンクラスかリン陣営かが、私がタイトルを取ってしまうことを恐れて試合のルールを曲げ、私が勝ちようがないようにして、さらに試合当日にいろいろな厄介を起こして私を不安にさせようとしたのではないかと思う。なんだかリンが気の毒に思えた。本当に信頼されていたら、こんなチープで子どもっぽいゲームに頼る必要などないはずだからだ。

試合後にパンクラスのおっさんが1000ドル払えと言ってきた。1kgの体重超過の場合はそうなると契約書に書いてあると主張していた。ボストンやロンドンの法律事務所で働いていた経験もある私に言わせれば、試合のルールが変わった時点で、元の契約は無効になる。話し合いは平行線に終わり、結局彼らは弁護士を雇って対策を検討すると言っていた。パンクラスに雇われていたメイ・ヤマグチからは、私だけがヒザとチョークを使ってはいけないことになっていたことを、プレスにしゃべってはいけないと言われた。でもその段階でわたしはもうそのことをTweet してしまっていた。そんな情報を伏せろという以上、やはりパンクラスは、私を罰したいのか、リンに勝たせたいのか、腐った戦術を用いていたことは明らかだ・・・
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[格闘技][UFC][CS]UFC155を見た感想

録画して観ました。 セミファイナル セミファイナルの見ごたえある攻防、とくに最後の最後までカニバサミから足関節を仕掛けていった敗者の折れない心にはたいへん感銘を受けました

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