GLORY4さいたま大会いまさらレビュー


実は大晦日にPPVを買わなかったもので、GLORY4さいたま大会、先だってサムライで放送されたものをようやく観戦した。観戦雑感を。

・K-1ヘビー級のお馴染みの選手が続々と出てくるのは、これはやっぱり眺めていて豪華だし楽しい。ワンナイトトーナメントの1回戦は、「レジェンド選手対ニューカマー」という趣旨でマッチメークされていたようで、シュルトやハリトーノフ、ボンヤスキーやアーツらが相変わらずの姿を見せてくれていたのは安定感がある。顔ぶれに間違いはない。

・「レジェンド選手対ニューカマー」対決はおおむねレジェンド選手に軍配が上がっていた。2分3ラウンドという短期決戦(しかも最初の2Rの判定を取ればその段階で判定勝ち)ルールもレジェンドに味方したのかもしれない。やがてはニューカマーがレジェンドを乗り越えてくれれば、わかりやすく時代のバトンタッチが実現するだろう。意外に時代は変わっていないなと思うと同時に、バトンタッチに間に合ったことは幸いなことではないかと思う。

・レフリングはかなり不可解である。たとえばあるレフリーは、ダウンした選手を抱きかかえるようにして起き上がらせる。どうしてそういうことをするのか、さっぱりわからない。そうして選手を立たせたあと、そのときどきで試合を継続したり、止めたりする。何を基準に、継続したり止めたりしているのかもわからない。そして試合を止めたらしい場合でも、その旨の身振り手振りもしないし、ゴングも要請しないでマイペースでウィナーズコールを待っているものだから、その場にいる人がなんとなく、ボサッと手をつないで立っているだけの絵になってしまったりしていて、いったいこれはなんなんだと思ってしまうのである。

別のレフリーは、選手が同じラウンドで2度目のダウンすると、まずはダウンカウントを数える。選手は懸命に立ち上がり、カウント8くらいでファイティングポーズをとる。するとその時点でレフリーが、「2ダウン!」と叫んで試合を止めるのである。これ、意味がわかりますか。いろいろ想像してみるに、ルール的には3ノックダウン制らしいのだが、レフリーが2ノックダウン制だと勘違いしているのかもしれない。しかしそれなら、2度目のダウンを喫した段階で試合はストップすべきで、カウントを数える必要はない。あるいは、ダウン回数に関係なく、ダメージを勘案してのTKO宣告なのかもしれないが、それなら、2ダウンだからストップしますよと言わんばかりの宣告はおかしい。とにかく、「2ダウン」宣告と、試合を止めることとの因果関係がまるでわからないのである。グーカン・サキにボディを打たれて倒れたラオーマルという日本人選手は(あんなケイレンする越中詩郎のような倒れ方を見たのは初めてで、ホントかよと思ってしまったが)、「2ダウン」と言われて、「何だ、負けかよ!」みたいにめっちゃ悔しがって見せていたが、それもさっぱりわからない。僕がラオーマルなら、2ダウンと言われたら、「で?」と思うんじゃないかと思った。まあ各選手、これと言って抗議もなく淡々と進行していたので、当事者は理解しているのだろうが、見ているこっちはさっぱりわからない。実況の矢野さんも解説の武蔵も、明らかにさっぱりわかっていなかった。

そのほか、激しい打ち合いの最中に「待て」をかけるから何かと思ったら、タイムアップのゴングが鳴ったのかと勘違いしたレフリー(ああ、違うの、じゃあ再開)、ウィナーズコールの後、敗者の手を上げたレフリーもいた。

・会場設営的には、花道が1本であった。テンポアップのためか、2人同時に入場させるものだから、結果的に対戦する選手が並んで歩いて入場する羽目に陥っていた。これはいただけない。ほのぼの、仲良しに見える。決闘に向かう男は、ぜひとも1人で歩くべきで、テンポアップしたいなら、花道は別々にすべきだ。

・リングアナも大変気になった。勝手なやり方で客をあおるのだが、結構ややこしい英語で煽るものだから、日本人の観客はあんまり答えない。そこにますます、ややこしい英語を突っ込む。そういう余計なエネルギーはさんざん使うのだが、ウィナーズコールで選手名を堂々と間違えるといった、あり得ない基本的なミスを犯す。この辺は日本やアメリカのリングアナとは大きく違う。よく言えば型にはまっていないということなのだろうが、悪く言えば、型がなくて自己流で安っぽい。リングアナと言うより、DJ的なのである。むかしIt’s Showtimeを見たときにも、リングアナに威厳がないなあと思ったものだった。


・前述したとおり、ルールは2分3ラウンド制、しかも最初の2Rの判定を取ればそれで判定勝ちを取れる、というものであった。感想としては、かなりゲーム性が前面に出ており、決闘色は薄いように見えた。ルールを変えれば試合の味付けも変わるのは当然で、これもグローリーらしさなのかもしれないし、僕は意外に悪くないと思った。ただ問題は、このルールをテレビ視聴者にわかりやすく見せるには、運営進行上の細かい工夫があと10個くらい足りないということだ。ラウンド毎にオープンスコアリングになるわけだが、表示されるスコアカードが非常に見にくく、一見どちらが勝ったのかよくわからない。選手にも、会場にも、その辺がよく伝わっているのかなという印象は持った。ちょっとしたアナウンスのタイミングもどこか気になったり、不手際が悪目立ちし、せっかくの緊張感を削いでいることが多かった。日本やアメリカのイベントに比べると、細部の詰めの甘さのようなものを感じてしまう。これが欧州風ということなのか、それとも投資家が仕切っているイベントだということなのかはよくわからない。僕自身が格闘技のこととなると小姑のようにうるさい異常な視聴者であることが問題なのかもしれない。ただ、進行の手際のせいで、趣が削がれる瞬間が多々見うけられたことは事実だ。

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ダナ・ホワイト、レスリング五輪除外問題について

問題は、見たいと思う人が少ないことだ。近頃はどの競技も、チケット売上とか視聴者数とかそんなことばかりだ。多くの人が、レスリングをどうにかしないといけないといっている。こうなると、MMAが五輪競技へと進化していく可能性もあるんじゃないのか。MMAは視聴率を取るぞ。客もたくさん集める。レスリングにはそれは無理だ。私が運営しても、レスリングを救えるとは思わない。これでもこの5,6年、私だってレスリングには資金提供をしてきているんだぞ。そりゃレスリングがなくなってほしくはないさ。MMAにとっても大きな要素だからね。でも、何かが起きないと無理だな。結局のところ、MMA的なものへと進化していくのではないのか。まあ、わからんけどな。レスリングはなくならないが、競技としてはこのままではまずいだろうな。



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MMA Junkie のJohn Morgan記者のツイートによると、ニック・ディアズがGSP戦のあおり番組「Countdown」の撮影を3度無断欠席したそうだ。ダナ・ホワイトは、大金が無駄になったが、まあ仕方ないと語っているそうだ。それでこそニック!

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1月のUFC on FX7、「ペドロ・ノーブル vs ユーリ・アルカンタラ」戦では、アルカンタラがノーブルの後頭部を殴ったとして反則負けを喫した。ビデオリプレイでも、反則パンチがヒットしたところは確認されている。しかし、殴られたノーブルがうつぶせに伸びてしまったようすが妙に芝居がかっていたとされ、ダナ・ホワイトまでもが「あいつはたいした役者だな」と批判する気の毒な騒ぎとなっていた。

この件について、アルカンタラのマネージャであるヴァリッジ・イズマイウがブラジルのメディアに対し、「打撃は全部、耳にヒットしていた。後頭部には一度も当たっていない。何の疑いもないことだ。ノーブルはみっともない男だ。あのパンチは反則ではない」とコメントしたところ、ノーブルが所属するブラジリアントップチームのムリーロ・ブスタマンチの激怒が止まらなくなった

ヴァリッジは非道でプロ失格だ。自分自身が臆病者であるだけでは者足らず、UFCに入ったばかりの、同郷ブラジルの若者を盛んに批判する。思慮もリスペクトも何もかもが足りないし、UFCのレフリーの判断を認めようともしない。

ペドロを始め、すべてのBTTの選手は、今後イズマイウ主宰のジャングルファイトへの参戦を拒否することとする。オーナーの考え方に同意できないからである。イズマイウはこれまでも、これからも、この競技のロールモデルたり得ない。なぜならそれは、彼が倫理とか道徳という言葉の意味を知らないからだ。

ノーブルのような有望で正直な若者に対する不正義を私は黙認できない。彼に対するこれ以上の批判は容認しない。




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