【戦極2レビュー】油断と隙の失敗作?

何ともまったりとした大会だった。PPVを寝ころんでみていたが、途中何度も落ちてしまった。試合の方は、ショーケース的な意味合いのマッチメークが多くて、選手はがんばっているんだろうけど、驚きやピーク感覚に欠けていた。ただ試合については、予告通りに行われているわけで、ある程度想定内だ。仕方ない。

想定外だったのは、あまりにまどろっこしいプロダクションである。とにかく、間延びしている。今回は大会全体に、80年代のディスコ風の音楽とライティングがテーマだったように思う。しかし、開始早々延々と、ピカピカ光りながらディスコ音楽を流すだけ、というのはいかがなものか。大げさなリングアナウンサーも興ざめだし、煽り映像もひどかった。

煽り映像では、選手の「絶対勝ちます」程度の密度の薄いコメントを四方八方に切り刻み、昔のディスコ音楽に載せてテンポ悪く編集してあり、合間には子供向け百科事典から抜いたような食物連鎖図といった悪趣味な静止画がインサートされ、そこに「行くぞ」「出るぞ」というサムライ言葉が被さってくる。もう、無茶苦茶である。スクリプトもキャッチも、25歳くらいの人が勝手に考えたような、勿体ぶっていて煮詰まらない言葉が並ぶ。しかも尺がいちいち長い。ストレートに言えば、出来不出来以前の問題、殆ど時間の無駄であると感じられるほどであった。有料放送でこんな事を感じさせないで欲しい。煽られるどころか、冷やされた。アイデアや能力にも問題があると思うが、どうも根本的に予算が足りないのではないかという印象も持った。試合後のマイクも、間延び要因のひとつだ。北岡など、「喋るつもりはなかったんだけどな。何を喋ろうかな、えーと」と喋っていたのである。

試合の方は、北岡と光岡がスカ勝ちし、Road to 五味を印象づけた。ただし北岡はK-1戦士をいきなりつかまえてフロントチョークに取ったのであり、光岡の相手もレベルがよく分からず、プロレスでスターを光らせるだけのために行うプロモーショナルマッチのようにも見えた。

中尾KISSは勝利の直後、テレビカメラのレンズにガチでディープなKISSをしていた。視聴者から見れば、中尾がブラウン管に迫ってくるわけだ。そのあと、中尾の唾液でねっとりと霞んだ画面を1、2分見せ続けられることと相成ったのだからたまらない。唇とレンズが、ホントに触れてはいけないだろう。中尾さんにはこの点、猛省いただきたい。なお中尾の試合中、客席の秋山の姿が抜かれた。場内のビジョンでは映らなかったのだろうか。観客はまったくの無反応であった。ちなみに、休憩時間あけには三崎が挨拶のためリングに立っている。秋山を映すならタイミングと言うことも考えられたい。

川村とランデルマンの試合は、川村にドンドン追い詰められる落日のランデルマンを心情的に応援してしまった。病み上がりのランデルマンは、とにかく一人で汗をダラダラかいているし、リングサイドのレポートによると、鼻水も止まらないと言うことであった。これは呼吸がスムースに行かないときの症状であるとの説明があった。見るからにコンディションが悪そうで、「もしかしてこの人は、相当に気分が悪いのを我慢しているのではないか」と言う風に見えた。よく持ちこたえたと思う。ユナニマス・デシジョンで勝ったランデルマンが「ワン・モア・タイム」と連呼し、負けた川村が「OK!」みたいな顔をしていたことからも、不甲斐ない試合をしたという自覚が伺える。なおランデルマンのマイクを、通訳の人が、「応援のメールをください」と訳していたのは間違いだ。ランデルマンは、「病気の時に応援メールをくれた人、どうもありがとう」と言っていたのである。

ホジャー・グレイシーは興味深い。グレイシー一族特有のうさんくささ、外連、商売気がない。ヒョードル風のやや冷たいほほえみをたたえて悠然としている。近藤をまるっきり子供扱いしていた。ただ、わかってはいたことだが、実際に試合を見てみると、ちょっと身体のサイズも違いすぎて、圧倒したのは技術だけのせいには見えなかった。それにしてもこの試合、どちらが負けても、その後どうするんだろう、とは思っていたが、近藤が見事にかませ犬になってしまった・・・寂しいけど、犬死に近い・・・ホジャーの勝利を花束で祝うという段取りも、近藤の身になればなんとも無情である。

ジョシュとモンソンの試合。ジョシュが吉田戦のような「おもしろい試合」をしようとするも、モンソンの堅さに阻まれ、結局最後まで膠着してしまい、つまらない試合に終わってしまった、という印象である。モンソンって負けない人なんだろうなあ、と思った。そして驚くなかれ、判定で勝ったジョシュは、Kamiproの人が考えたと思われる戦極ポーズを決めまくっていた。こんなもん、Kamipro以外で報道してもらえるのだろうか。というか、Kamipro自身すら、ちゃんと報道するのだろうか。

全試合終了後、全選手がリングに再登場したときにも、ジョシュが、北岡が、中尾が、またもや戦極ポーズを五月雨式に決めまくっていた。この辺の段取りも、ちゃんと詰めておかないから間延びする。ハッスルポーズだって、最後に一度、決めるだけだし、決める前には客を立たせて、何度も教えこんでいるのである。おかげで戦極ポーズ、早くも食傷気味だ。戦極旗揚げ戦で、吉田と三崎と五味が談笑している風景には、かるい痛さを覚えつつも、この一流選手たちが新天地でがんばってやっていこうという思いにキュンときたが、今回の戦極ポーズ連発は、盛り上げようとする選手の気持ちは軽くくみ取りつつも、痛さばかりがワル目立ちしてしまう結果となった。

前回大会では、まだ旗揚げもしていないDREAMに牙をむきまくっていた戦極であるが、DREAM1,2あたりの低空飛行ぶりに、油断と慢心はなかっただろうか。DREAM3と戦極2では品質が完全に逆転している。戦極もがんばってくれないと困る。

なお戦極5までのスケジュールが発表になり、8月の戦極4に五味が出場することもアナウンスされていた。

スポンサーサイト

毎週更新!

Ad

Ad

MMA Update