UFC on FOX 7レビュー

ダナ・ホワイトは「たまたまだよ」ととぼけるが、どこからどう見ても春の「UFC対ストライクフォース」全面対抗戦祭となった UFC on FOX 7大会をWOWOWで観戦した。

ジョシュ・トムソン def ネイト・ディアズ

両選手、ニヤニヤしたり悪態をつきながらの、悪意に満ちたサークリングがうすら恐ろしくも楽しい。あまり見慣れない、ネイトがフィニッシュされるシーンも、決め技がハイキックであったところも、なかなかの衝撃映像だった。トムソンがこんなに強いなら、そのトムソンに何度も勝っているメレンデスは案外やるのではないかと期待感が高まったのだが・・・
とはいえ、なにより衝撃だったのは、レフリーのオックス・ベイカーのヒゲの三つ編みであった。

ダニエル・コーミエ def フランク・ミア

柴田ばりに走って入場、猪木ばりに延髄切りまで繰り出したコーミエが、ミアを好きなようにして完封した。257パウンドの大男ミアを、一回り小さなコーミエが金網に貼り付け続ける様子は不思議ですらあり、異次元の強さを感じさせた。

ベンソン・ヘンダーソン def ギルバート・メレンデス

ほんの小さな穴やほころびから、一気呵成に攻め込む印象の強い両選手が、相手の小さな穴やほころびを探し続け、自分の穴やほころびをふさぎ続けたと言う印象だった。本格的な戦闘モードに入る前の、イニシアティブの奪い合いに終始した感はあったが、両者の気の強さは十分伝わってきて見応えがあった。メレンデスの試合に見える時間と、ヘンダーソンの試合に見える時間が交錯した。マスト判定で星の決着は付いたが、事実上のドローにも見えた。

オブザーバの報道によると、メレンデスびいきの観客はこの判定結果に大ブーイングを起こし、ベンヘンのプロポーズシーンにもブーイングの雨嵐が吹き乱れていたという。

今日の「UFC対ストライクフォース」8番勝負の結果は4勝4敗のタイに終わったことになる。また、全部で8試合がKO決着となったが、これは2008年のUFC92とならぶ、最多KO試合数のタイ記録なのだそうだ (Yahoo Sports)。

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ハレワニ記者とホワイトの関係がちょっと冷えているように見える、恒例MMA Fightingインタビューより(大会前のもの)。

Q ストライクフォース勢とUFC勢が、ストライクフォース本拠地HPパビリオンで大激突です!

たまたまそうなっただけだよ。対抗戦という意識はない。でもストライクフォースの選手は、ようやく稼ぐチャンスを掴んで、やる気満々だ。負けたらカットされるかも、ということもわきまえているのだろう。彼らの戦いぶりには満足しているよ。

Q ベンソン・ヘンダーソン、マット・ブラウンと、FOX中継に繰り返し登場する選手がいます。なにか考えがあってのことなのですか。

なにもないよ。みんなが見たがるエキサイティングな試合を提供しているだけだ。土曜日のメインカードも全部エキサイティングな試合になるだろう。ベンソンについては知名度を上げていきたいとは考えているがね。

Q ヘンダーソン、メレンデス両選手はベルトを持って入場しますか?そもそも、なぜUFCチャンピオンは、ボクシングのようにベルトを持って入場しないのでしょう?

確かにそうだな。ただ、ボクシングとはいろいろ雰囲気が違うからな。選手によるという面もあるぞ。パルヴァーやシルビアはベルトを持ってきていた。

Q コーミエのヘビー級戦は今回限りになりますか。

彼のやりたいようにさせるさ。

Q TUFのトライアウトはいかがでしたか。

女子選手には感銘を受けたよ。とても楽しめた。今回は自分も最初から最後まで、ずっと付き添っていたんだ。シーズン1のトライアウトの時にも大物選手が大挙してやってきたが、今回はそのことを思い出したよ。活気があってよかった。誰が合格したかはまだ内緒だ。そのうち発表する。

Q 先週になって「UFC行動規定」を公開したのはなぜですか

たまたまだよ。ミトリオンの件とは関係ない。

Q 勝利した選手が試合後インタビューを受けることにも批判的でした。

デラホーヤなんかも勝ったあとでトークショーなんかに出まくっていたが、昔から自分には意味がわからなかった。試合に勝った選手がメディアに戻っていくのはどうもピンとこない。試合に勝ったら家に帰って休め。ミトリオンに同情的な声も多いが、あほらしい。この国では、どこの会社に勤めていようが、ああいうアホなことを公共の場で口にしたら、それなりに責任をとらないといけないということなんだ。

ミトリオンは電話でわびを入れてきた。大人らしく、ちゃんとしていたよ。

Q ケベック州アスレティックコミッションによるGSPの計量問題についてコメントを。

愉快な話とは言えないが、とにかくあればコミッションの問題であって、私の問題ではない。GSPが400グラムオーバーしていたと言うが、そんなもん、パンツを脱げば解決だよ。それで足りなくても、あと100グラムかそこらだろ。大勢に影響ない。



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●リンク先の映像、「ジンガノ vs. テイト」戦2R終了時に見せたテイトの「いけず」攻撃。萌え~。ジンガノの闘魂に火が付いたのはこのせいだったのかも?!出所Fighters Only

●ウラジミール・マチュシェンコ(42)がベラトール入り。ただし6月19日にはじまるサマーシリーズで開催されるキング・モーら4名参加の次期ライトヘビー級トーナメントには参加しない予定

●ESPNのJosh Gross記者が、「ニューヨーク州では今年もMMAを解禁しない見通し」とツイートしている

●ナイキの新製品、ジョン・ジョーンズモデルの靴が20分で完売したらしい。これって、そんなに物欲そそられるかな。Figure Four Daily ラジオより。

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谷川貞治 平謝り K-1凋落、本当の理由(松岡正剛の千夜千冊)

千夜千冊の文章をスナック菓子のように簡単に食い尽くし、全然物足りないというのは僕には珍しいことだ。現代思想「プロレス」ももちろんリアルタイムで既読である。


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「平謝り」はずいぶんまえに僕も読んだ。謝るどころか自慢話ばかりだなとも思ったが、まあ、全編にわたって謝ってばかりの本を読まされても仕方ない。読後感はK1中継を見たあとの感想とよく似ていた。それなりに事前の期待感を持って読んだし、読んでいる最中はそこそこ楽しめたし、細かく楽しく突っ込むことも出来るが、翌日にはあんまり記憶がなくて、書評を書くにも苦労するほどなのだ。少なくとも、げげっ、そんな話は知らなかった!と目玉が飛び出るようなコンテンツはなかった。わかる人が読めばわかるように、砂糖で包まれているのかもしれない。それにしても、やはりK-1やPRIDEの顛末は、複数の当事者や観察者からの描写が出そろわないと、立体像を結ばないように感じた。実は海外でも長い記事が時々出る。長すぎてとても訳せないのだが、一件単純な事実でも、ガイジンから見るとこうなんだ、へえと思うこともあるものだ。

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高橋テツヤ

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