いつもと変わらぬ一日【小橋引退戦レビュー】


いまどきのプロレスと比べれば、入場も試合も、シンプルで不器用でこれといったギミックもない小橋。試合が終わってインタビューに答えても、まことに実直で優等生なことしか言わない小橋。それなのに、テレビ画面でみても明らかにわかるほど、近年まれに見る鈴なりの大観衆を集める小橋。日テレのスポーツニュースで報道されれば、不思議なほどまっすぐ世間様に届き、だれもが腑に落ちてしまう小橋。見るからにサービス精神が豊富だったり、見た目にインパクトがあったり、誰もが熱くなる悪党だったりするわけでない。常識人アスリートそのままの姿で、これほど英雄像を結ぶ選手がいまどきほかにいるだろうか。

欠場と復帰の繰り返しの中で、小橋はできる動きがドンドン制限されていたはずだ。ヒザが悪いから投げ技が出来ない。チョップに頼りすぎた結果、ヒジまで痛めていたとどこかで読んだ。それでも、440日ぶりの試合だという小橋は、すくなくとも440日前の状態にはしっかり戻して、この舞台に備えてくれていたように思う。満身創痍でどうやって練習し、コンディションを維持するのかと思うと、頭が下がる。他方で、プロレスって優しいし、知恵にあふれているなあとも思った。ヘビー級の8人タッグにどうして唐突に金丸なんかが入っているのかなと思ったら、うまいこと小橋のスープレクスの標的になっていたし、佐々木や潮崎と言ったチョップの使い手はそれぞれに、小橋が1人でチョップを打ちまくらなくていいように、胸をどす黒く腫らして負担を分担しながら小橋をたてていた。

武藤と小橋のムーンサルトは、見ていてハラハラする、という段階を越えて、見ているだけで痛い。やり終えたあとの武藤は、ごまかしてはいるが、立ち上がるまですごく時間がかかっている。前回、オールトゥゲザーでやったムーンサルトでヒザをぶっ壊した小橋は、今回もマットにヒザをしたたか打ち付けているように見えた。引退した以上、報道には出てこないだろうが、大きな怪我をしていなければいいがと思う。ただ、この過剰さが小橋の、そして全日四天王の魅力であったことも確かなのである。小橋にとっては、大舞台でのムーンサルトは、「いつもと同じ」ことだったのかもしれない。

試合後の大きな笑顔、そして退場前に赤コーナーに顔を埋めるシーンには涙腺が緩んだ。最後まで、たたずまいだけで酔わせ、満足させてくれた。プロレスラーの理想型だと言うほかない。

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新チャンネルFox Sports 1で放送されるUFC大会は、水曜日の夜を指定席として生中継されることから「FOX UFC Wednesday Live」と命名され、第1回が8月28日(水)、第2回が9月4日(水)に行われることが明らかになった。開催場所や対戦カードは未発表であるが、9月4日大会はブラジルのブラジリアで行われるとの報道が先行している。これにより8月後半のUFCは、8月17日のボストン大会、8月28日のウエンズデーライブ、8月31日のUFC164、9月4日のウエンズデーライブというクレイジースケジュールで強行されることになる。また9月4日大会のライブ中継直後には、米国ではTUF新シリーズ(ラウジー vs. キャット)の第1回放送がはじまる。なおこのうちWOWOWで見られるのは8月31日大会だけである。

また、従来Fuelチャンネルで放送されていたケニー・フロリアン司会の30分間の情報番組「UFC Tonight」が、1時間番組にパワーアップして、新チャンネルFox Sports 1にお引っ越しする。この引っ越しは番組としての大きな出世であると見られている。番組コメンテーター役ではチェール・ソネンが事実上のレギュラー出演をしている。自分の試合の直前直後にも欠席しないで出演し、さまざまな情報を熱心に分析して見せていた。Figure Four Weelky

スパイクTVで放送中のライバル団体ベラトールは、9月からのシーズン9開始までの間、6~8月は月1回の「サマーシリーズ」を開催する縮小スケジュールで運営されるが、6月19日の「ベラトール96」大会は水曜日の生中継となる。ベラトールが今後とも水曜日中継を継続するようであれば、Fox Sports Net 1チャンネルのUFCと直接競合することになる。スパイクTVでは、8月以降も水曜日にベラトールの生中継を行うかどうかは未定であるとコメントしている。シーズン8は木曜日に中継を行っていた。MMA Junkie

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5月25日UFC160でのジュニオール・ドスサントス戦が間近になっているマーク・ハントが、2002年に米国で逮捕歴があるために、米国に向けてニュージーランドを出国できていないことが明らかになった。まもなく出国できる見通しで、UFCでも状況を把握し、策を打っているという。MMA Fighting

ハント自身の説明による2002年の逮捕劇は次のようなものだ。「友達の1人が別の友達をクラブの外で殴った。だれかが俺に助けを求めてきた。そこで様子を見に行くと、酔っ払った2人がもめていた。で、クラブに戻ろうとすると、覆面警官が中に入ってはいけないと言うんだ。じゃあせめて彼女を呼びにいかせてくれと頼んだんだが、ダメだという。もう一度頼んだら、これ以上しつこいと逮捕すると言うんだ。それで、俺はもう一度頼んだんだよ。そしたら警棒で殴られた。頭にきたよ。」

「ヤツは左手で警棒を持っていた。俺はヤツに近づいていった。そしたらヤツは、右手で催涙ガスを吹き付けやがった。俺は酔ってすらいなかったが、結局泥酔の罪で大晦日を牢屋で過ごしたよ」

それ以来ハントはアメリカで3回試合をしているが、2006年のPRIDE32ラスベガス大会でのバタービーン戦を欠場したのは、負傷したのではなく実はこのせいだったと語っている。

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UFCが2つめのYouTubeチャンネルである「UFC Select」を静かにリリースした。月600円の有料チェンネルで、過去のPPV大会などのアーカイブコンテンツが順次追加されていくという。14日間の無料お試しつきとなっている。



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