ゾンビ甦らず!【UFC163レビュー】

ジョセ・アルド def. ジョン・チャンソン

世界的なゾンビブームにのって、TKZ(The Korean Zombie)に奇跡の風が吹くのではないかとも思われたが、さずがにそう上手いシナリオは実らなかった。それでも、自分が放ったパンチで自分の肩が抜けるというのは、これはこれでなかなかゾンビ的な負け方なのではないかと思った。ケガで久しぶりの試合だったというあたりが、身体がオーバーヒートしてしまった原因だったのかもしれない。

リンク先、TKZが着ていた不吉なTシャツ)

TKZはガルシアと大戦争をやってのけたり、ビックリするような秒殺やら、クリエイティブな関節技などを繰り出すことから「意外性の男」の印象があるので、今回についても、基本的にはアルドが有利、ひょっとするとアルド圧勝かとは思いつつも、万が一にも意外な形でTKZがアップセットしてくれるかも、という期待の持ち方で観戦した。

しかしふたを開けてみれば、TKZはもはや「確実性の男」であった。マイケル・チャンドラーのように無茶苦茶なスピードがあるわけでもなければ、ジョニヘンのようにウンザリするほど強いパンチがあるわけでもなく、ムキムキの身体をしているわけでもないのだが、アルドの剛を柔らかく受け流して、自分のペースに持って行く様子は見ていて痛快だった。何度やってもこれくらいの試合はできるというか、アクシデントがなければ最後は勝っていたかもしれないと思わせた。この程度のフィジカルでここまでできるなら、工夫次第で日本人ファイターももっと勝てるのではないかと思わせた。

僕はTKZを見ていると、所英男を思い出す。所にだって、突然ジャンピングダブルニーパッドを出したり、とっさにツイスターやニンジャチョークを思いつくセンスはあるだろう。所のような、ガイジンから見て話が通じない感じの選手が、ラスベガスでおどおどしながら勝ち進む姿をいっそう見てみたくなった。


フィル・デイビス def. リョート・マチダ

デイビスのユナニマスディシジョン勝ちには異論噴出の模様、ダナ・ホワイトも3Rともリョートが取っていたと言っているし、有名どころの米MMA記者もほとんどが30-27でリョートだとツイートしていたようだ。
こういう風に異論が出るときには、たいていは僕自身もその異論のほうに同感というか、このケースで言えばリョートが勝ってだろと思うことが多いはずなんだけれど、今回はどうしたことか、デイビスの勝ちで納得なのであった。
実はWOWOW中継はデイビス有利の実況解説が行われていた。それを見ていた僕は、その話を素直に受け入れていただけなのかもしれない。ただ、カウンター狙いに終始するリョートが、デイビスほど手数の多い対戦相手を、結局仕留められず判定まで行ってしまった場合には、判定で星を取ることは原理的に言って難しいのではないかと思われた。カウンター狙いでリスクを取らないことの代償が、判定で不利になるということなのではないだろうか。そうでなければ、対戦相手の立場に立って考えてみれば、立つ瀬が無い。
試合後のケージ上でのインタビューでリョートは、観衆のこのブーイングを聞いてくれれば、どちらが勝ったか明らかだろうと述べていた。現実に判定負けを喫したのに、そんなことを言っていたのでは、この人は次回も同じ方法で負けるのではないかとも見えた。

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●絶賛開催中の新日本G1、初日の浜松大会が、PSPやSopcastといったプライベートなストリーミング配信を通じて、中国で1,000万人が視聴したという報道があるとF4Wが伝えている


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