ヘンダーソン vs. トムソンレビュー【UFC on FOX 10】

ベンソン・ヘンダーソン def ジョシュ・トムソン(UFC on FOX 10)

正直な話、どこかオールドスクールな香りのジョシュ・トムソンが、最新型MMAの代表選手ベンソン・ヘンダーソンに、どうせまた洒落臭いやり方でフィニッシュされてしまうのではないかと思っていたのだけれど、トムソンはガス欠も起こすことなくフルラウンドを戦い抜き、伝えられるところによると1Rにはすでに親指を骨折しながらも、腕一本で元王者と見所いっぱいの互角の試合を披露してくれたのだった。ベテランの懐の深さを感じる。

バックドロップや小股すくいスープレクス、トラースキックにスモールパッケージと、馬鹿馬鹿しいムーブを次から次へと決めてみせるトムソンに対し、話が通じない年長者に心底ムカッ腹を立てているかのようなベンヘンのセール顔が嬉しい。きっとなにか、トムソンからすごくイヤなことをされていたのだろう。ラウンドが終わっても後ろから襲いかかりそうな勢いだった。

判定結果には反論も渦巻いているけれども、まあどちらに転んでも仕方ないという風には思えた。ベンヘンの判定の拾いっぷりは、これはこれで芸という気もする。トムソンの打撃の手数の少なさは素人目にも気になったから、拳を握れなかったことが敗因の1つになってしまったのかもしれない。

試合後記者会見でのトムソンは、今日は自分が勝っていたはずだと確信していると語り、これが最後の試合になるかもしれないと引退を示唆する様なコメントを出しつつ、「試合直後で気が立っているから、いま何かを明言するのはよしておくよ」などとも語っていた。いやいや、今日のトムソンは過去最強くらいの出来映えだった。まだまだ、若手のイヤらしい壁になって活躍して欲しい。あと、日本人ファンの思考回路としては、トムソンが活躍すればするほど、トムソンを完封した川尻への幻想が高まる仕組みとなっている。

今回のWOWOW中継で衝撃だったのはなんといっても、高柳アナである。すっかり若返って、リングス中継でも始まったのかと思ってしまった。あれは経費で落ちるほうのやつなのだろうか。実にどっちでもいいが。

*****

UFCのヨーロッパ担当のボスで、ダナ・ホワイトをして「アニマル」「大物」と呼ばしめるゲイリー・クック氏のインタビューがFightlandにあった。クック氏は2008年にNikeからマンチェスターシティ・フットボールクラブに移籍、同クラブを世界で最も金持ちのチームに仕立て上げたが、舌禍で退任に追い込まれたという経歴を持っている。

Q MMAとはどのようにして出会ったのですか。

フットボールクラブの遠征でロサンゼルスに来ていたとき、練習以外のことは何もしたがらない選手たちがこぞってUFCのジムに見学に行きたがったんだ。「これは何かが起きているぞ。スポーツヒーローが、スポーツヒーローを追いかけている」と思ったんだよ。

Q フットボール選手とMMAファイターとではどんな違いがありますか。

MMAファイターとは交流を持つ頻度は少ないんだが、つきあいは深くなるね。この間はジミ・マヌワがオフィスに来て、いろいろ知りたがって、3時間もおしゃべりしていったよ。アレクサンダー・グスタフソンも熱心だった。みんな生活のために必死だし、MMAを代表する意気をもっている。みんながMMAを育てていこうとしているんだ。

Q フットボール選手はそこまで考えたりしない、と?

間違いなくそうだ。フットボール選手の場合は、自分で自分の運命を決めていくと言うよりは、コーチやメディア、スポンサーに左右されることが多いからね。

マンチェスターシティ・フットボールクラブが海外に遠征するときには、必ず誰かをホテルに待機させることになっていた。というのも、必ず1割くらいの選手がホテルにパスポートを忘れてくるからなんだ。

あるとき選手がやってきて私にこう言ったんだ。「iPodをなくしちゃったんですけど」。だから私はこう答えた。「そうか、なくしちゃったか。うーん、どこにいったのかな、私にもわからない。私が探してやると約束もできない。というか、君の給料を知っているから正直に言うが、もう1台買えよ!」

こんなのに比べると、ダナ・ホワイトの選手管理はあらっぽくていいな。控室で、「こうすればこれを与える。ああすればいくら与える」などと、選手にカネの稼ぎ方を発表しているんだからね。

Q カネの稼ぎ方といえば、MMAのスポンサーシップについて、ダナ・ホワイトやロレンゾ・フェルティータに提案しているそうですね。

私は「中央管理」を信じているんだ。

Q どういう意味ですか

限られた量の知的財産というものは、ひとまとめにした方が価値が高くなると言うことだよ。具体的に言えば、選手が個別にスポンサーと交渉するのではなくて、UFCのオフィシャルスポンサーになってもらって、そこから選手に配分する方が、選手の取り分だって多くなると思わんかね?

Q しかし選手がUFCをリリースされると、スポンサーごと丸裸になってしまいますよね。それにトップ選手は取り分がむしろ少なくなるのでは・・・?

そういう問題があることはわかる。解決策を考えないとな。ただ、いい悪いじゃなくて、私はその方はいいと信じているんだ。UFCは成長しているし、そういうときにはパッケージにした方が価値が上がっていくものなんだよ。

Q ダナやロレンゾは賛成しているのですか。

いや、キミと同じような反論をされたよ。

Q あなたのお仕事の内容はどのようなことなのですか。

米国以外での大会に責任を負う組織を作り上げることだ。ただ、出社初日には、1人で座っていただけだったな。だってみんなマカオに行っちゃってたから。

Q MMAは野蛮だという声に、どう対応していきますか?

一部の人の美意識に不愉快な面はあるのだろう。でも、MMAが野蛮だなんて言っている選手は一人もいないよ。ブラッド・ピケットに金網以外で戦ったことがあるかと聞いたら、「一度も無い」っていっていたよ。

Q まあそういう選手もいますが、たとえばジミ・マヌワなんかは・・・

いや、そうなんだけどさ、要するにこれは戦略のゲームなんだから。

Q ドミニク・クルーズは、試合でカットされることより、それを縫うための針が怖いと言っています。

それは真実を突いた話だと思うよ。MMAが野蛮かどうか、それは主観の問題なんだ。議論が二分するのは理解できるし、そこがおもしろいんじゃないか。



*****

Zuffaの「チーフコンテンツオフィサー」として、UFC Fight Passを推進しているマーシャル・ゼラスニック氏が、UFC海外展開の組織論を語る。MMA Fighting

Q UFCの海外支社はどの地域を担当しているのですか?たとえば北京オフィスは、インドやアジア全域をカバーするのですか?

海外支社は地域統括支社という位置づけになっている。例えばロンドンオフィスはロシアを含むヨーロッパ・中東・アフリカ全域を担当している。北京オフィスとシンガポールオフィスはいずれも、アジア全域を担当する。しくみ的にはオーストラリアとインドも担当すべきだが、いまはそうなっていない。

トロントオフィスのトム・ライトがオーストラリアとニュージーランドを管轄しているんだ。そしてインドは当面、ラスベガスの私が見ている。ソニーと提携している関係でそういう形になっている。将来的には海外支社に移管していきたい。

Q 海外支社にはどの程度の権限があるのですか。

海外支社の独立性については、しかるべきバランスを模索している最中だ。マッチメークに関しては、ジョー・シルバとショーン・シェルビーが選手育成とマッチメーク全体を見ていて、今後も変わらない。そこがUFCの成功の元になっているからだ。

マーケティングやプロモーションに関しては、本社と毎週のように打ち合わせをしながら、海外支社が独自の戦略と独自の予算で進めている。

海外支社では必要に応じて採用もできる。大会運営については完全に任せている。大会運営や選手の移動などを一手に引き受ける。

海外支社の独立性は将来的には増えていくだろう。事業が成長するにつれ、「シンク・グローバル、アクト・ローカル」ということが大切になってくる。ありふれた表現だけど、そういう方向に向かっていくと思う。



*****

アイルランド出身の配管工、トニー・ケリー(24)は、結婚を機に、アメリカのルイビルに新居を構えた。2012年11月のことである。

1月17日(金)、ケリーはある家の配管修理に向かった。同僚は、その家のお向かいに、あのモハメド・アリが住んでいるぞと言っていた。ケリーは半信半疑だったが、アリの大ファンだということもあり、思い切ってお向かいのドアをノックしてみた。

「ドアをノックすると、アリの奥さんのヨランダが出てきた。そこで、アイルランドから来た者ですが、アリさんの大ファンなので、ご挨拶させてもらえませんかと尋ねてみた。そしたら、もちろんどうぞといわれて家の中に通された。アリは居間で座っていた」

ケリーはアリに挨拶し、奥さんに写真を撮ってもらった。

1月17日はモハメド・アリの72回目の誕生日だった。(Yahoo! Sports)




**
スポンサーサイト

毎週更新!

Ad

プロフィール

高橋テツヤ

Author:高橋テツヤ
プロフィール

Ad

MMA Update