ローラー惜敗!/ ダイナミックファスナーのなぞ

ジョニー・ヘンドリックス def ロビー・ローラー【UFC171】

大ベテランでオールドスクールなあのロビー・ローラーが、2014年にUFCでタイトルに挑戦する・・・シュールというのか、ほとんど時代錯誤といってもいいのではないかと思われるほどの遅咲きの大輪ぶりである。別段、負けが込んでいた時期があったわけでもないけれど、ストライクフォースでも何となく中堅的なポジションに甘んじていたローラー、かなり最近まで、ケガを恐れて練習ではスパーリングをほとんどしていなかったというローラー、いまだにマネージャーがモンテ・コックスであるというローラーが、UFC最先端で快進撃を続ける様は、最近ではマーク・ハントとならぶフィールグッド・ストーリーといえるのではないかと思う。

会場がジョニヘンの地元と言うこともあり、ジョニヘンに熱いコールが飛ぶ。WOWOW放送席もどういうわけかジョニヘンを押すのがデフォルトみたいだ。でも個人的には判官贔屓も加わって、ローラー押しで観戦。近い距離でお互いになぶり殺し合うような壮絶な消耗戦で、いつ何が起きても不思議はなく、ひとときたりとも目を離すことができない。ある時点では、本当にローラーが勝ってしまうのではないかと心臓がバクバクした。ダメージがないわけがないのに、笑顔すら見せて戦っているのは、遅咲き故の大舞台の味わい方なのか、それともダメージを覆い隠すプリテンダーなのか。リーチアドバンテージのあるローラーだけど、それを棄てて近い距離でごちゃごちゃした感じの打ち合いを続けていたことで、むしろジョニヘンのあの左のメガトンパンチのICBM弾に遠くから発射されるのを封じていたようにも見えた。

判定が読まれる前の切なさもなかなかだった。ローラーがここで負けると、なんだか現役の山を越してしまう感が出てしまうのではないかと思われた。かといって、ジョニヘンがここで負けるのも、前回のGSP戦を踏まえれば、これまた気の毒すぎて切ない。

ジョニヘンは前回のGSP戦で、勝ちを確信するあまり、5Rは攻めよりはむしろ失点しないこと、守りに入ったとコメントしている。結果的にそのことでジョニヘンは大きな代償を支払った。そのせいか今回は、もうあんな5Rはいやだ、あんなことは繰り返さないという、つよい気持ちが見て取れた。そして前回のGSP同様に、顔がよりボコボコに腫れている方の選手が勝ち名乗りを上げることになったのだった。

**

かつてストライクフォースでGSPならぬ「OSP」と呼ばれていたオビンス・サンプルーが、ウクライナ人ファイター、ニキタ・クリロフに極めたあの肩固めのようなフィニッシュホールドは、Von Flue Chokeというのだそうだ。いろいろ検索してみても、どうやらジェームス・ヴォン・フルーという選手が最初に使った技らしいというくらいのことしかわからない。DREAMで菊野がアルバレスにスタンドで長時間極めていたのと似ているような気も。

**

今大会で個人的に気になったのは、クリロフの入場曲がデュエイン・エディだったことだ。いい曲なのだが、クリロフ氏が何故これを選んだのかは割に知りたい。



もう1つ気になったことは、いまやありとあらゆるUFCファイターのトランクスに社名(ロゴマークですらない)表記が見られる米MMA界のメジャースポンサー、「DYNAMIC FASTNER」と何なのか、ということである。これについて調べてみると、1月にMMA Junkieがすでに取材していた。なんでもこの会社は、建築現場向けの工具や留め具(ファスナーとはいわゆるチャックのことだけでなく、ネジなども含む留め具全般のことのようである)を販売するプロ向けホームセンターのような店で、とくに鋼板加工用途の工具の品揃えが豊富なのだそうだ。社員数は100人で、全米に6店舗を展開しているという。大のMMAファンである社長のKevin Perz氏は、「テレビで当社の名前が映ると、その翌日にはたくさんのメールをもらいます。UFC168のあとには、MMAファイターのマネージャー4人からスポンサーシップの売り込みがあったので、全部にYesといいました」と語っている。選手のトランクスに社名を入れる平均費用は1500ドルなのだそうだ。ただ、大好きなミーシャ・テイトには6500ドルを支払い、「もしロンダに勝ったら勝利ボーナス1万ドル」を約束していたという。アパレル用品を扱っていない同社には、UFCからいわゆる「スポンサー税」(選手のスポンサーをするに際して、UFCに支払わないと行けない上納金のことで、5万ドルとも言われる)も課せられていないのだという。

Perz氏は語っている。「別段どうということもないんですよ。テレビで、しかも地球上で最もクールな場所で自社の名前を目にする。それが心躍ることなんです。お客さんも見てくれているのだとしたら、きっと元は取れますよ・・・ときには、こんな風にホイホイとスポンサー料を出し続けて、自分でもどこかおかしいんじゃないかと思うこともある。でも現状の価格なら、もうしばらくは続けられそうですよ・・・私がUFCなら、どうしてキミらのような零細企業がこんなことをしているのかね、と尋ねるだろうなあと思いますね。うちなんか、すぐに弾き出されるとは思いますけど、でもまあ、少しはスポーツのためになっていますかね」

なんと、小金持ちの道具屋のオヤジの道楽だったのである・・・

*****

ダナ・ホワイトから「何でもできる男なのに、ノンビリしていて何もしようとしない」と試合ぶりを批判されたジョセ・アルドが、アンソニー・ペティス戦もメレンデスに奪われ、次の試合の予定も決まらず、イライラを募らせる。MMA Fighting

(次の対戦相手として5連勝中のチャド・メンデスの名前が挙がっていることについて)メンデスにはリスペクトを払うが、ヤツが前回KO勝ちしたかどうかとか、そういうことは自分には関係ない。ヤツの戦い方は何も変わっていないし、トップ10ファイターとの試合もしていない。それでえも次の挑戦者がヤツになるなら、こちらとしては研究して戦うだけだ。

誰もが僕の試合ぶりを批判するが、前回の試合(リカルド・ラマス戦)はとてもうまく戦えたと思っているんだ。自分はずっと攻め続けた。ほとんどの人ができないような技術や能力を苦労して披露しているのに、ノンビリしているなどと言われてしまう。難しいものだ。いちいち気にしてはいられない。

僕は自分がスローダウンしたとは思っていない。戦略的になったと思っているんだ。前回の試合でもとても攻撃的に戦った。KOはいつでも狙っている。でも対戦相手が逃げ続ける場合には、うまくいかないことある。

負ければみんなに忘れられる。チャンピオンである限り、誰にも忘れられない。自分はとにかく勝ち続けたいんだ。



*****

ジョルジュ・サンピエールがインタビューに答えて、自身が好きなMMAファイターは、ホイス・グレイシー、桜庭和志、マーク・コールマン、ティト・オーティス、マット・ヒューズだと述べた。UFCの川尻達也氏もこのところのTwitterで、ティトの古い試合をさかんに愛でており、ティトの意外な玄人人気の高さをうかがわせる。

*****

This History of Joshi Part 1: Almost Perfect (Wrestletalk.tv)

The History of Joshi Part 2: Perfect (Wrestletalk.tv)


**
スポンサーサイト

毎週更新!

Ad

プロフィール

高橋テツヤ

Author:高橋テツヤ
プロフィール

Ad

MMA Update