UFC172 レビュー



五味隆典 def アイザック・ヴァリ・フラッグ

何年かぶりといっていいほど練習をやり込んだと、各誌で自らの好調ぶりを語っていた五味。もっともこのような発言は、長年五味をウォッチしていると誰しも気がつくように、あまりアテにならないことが多いようだ。いや、練習は本当にすごくしたのかもしれない。ただ、どうも試合がそんな風に見えないことはわりにある。今回は1R途中にいきなりガス欠、1R終盤にはIVFのバックを取ってソロリソロリと相手の首に腕を回し、あとはガチッと締めるだけに見えたが、どういうわけか何もせずに釈放。しかし、フラフラの五味はけしてフィニッシュされないという不思議な過去データもあって、リンゴ・スター似のIVFのお人好しにも助けられての辛勝と見えた。

WOWOWではジョン・ジョーンズの試合の直後にこの試合が放送されたこともあって、なんだかずいぶん粗っぽい試合に見えてしまったということもあった。グラウンド&パウンドにいけば楽勝勝てそうにも見えたし、ラウンド終盤にはせめてテイクダウンでポイントを取りに行けばいいのになどと素人目にも思ったが、五味はそんなことは試してみようとすらしなかった。「KOじゃなきゃダメだよ」と思って戦っているのかなあ、と想像もしてみたけれど、五味本人はきわどい判定勝ちという結果にも思いの外満足しているようだった。WOWOWインタビューを、カメラに目線すらくれることないまま、「みんなで勝てて良かった。ウィルはどこに行った?」で締めるその姿は、どこか時代遅れな地方の大物政治家のようにも見えなくもなかった。

それにしてもバルチモアの観客からのゴミコールには驚いた。アメリカ風の「USA! USA!」とか「Let's Go David!」的な前乗りアッパーなチャントではなく、まるっきり日本のプロレス会場における、日本人による日本語の、「馬場コール」とおなじまったりしたリズム感の五味コールなのであった。アメリカ人にこういう発声ができるのだということにごく単純に驚いた。この観客なら、レフリーに島田裕二が出てきたら、ちゃんとブーイングをしてくれるのではないかと思われるほどだった。


ジョン・ジョーンズ def. グローバー・テイシェイラ

あれだけいろんな角度からいろんな種類の打撃をやられたら、対戦相手はいったいどうすればいいのだろうとつくづく思わされた。試合後インタビューによれば、これを作戦ではなくアドリブでやっているという。こんなことができるスパーリングパートナーもこの世に存在せず、もはや対策など立てようもない。

テイシェイラはこれといっていい場面を作ることができなかった。それでも、ここまで連勝を重ねてきたテイシェイラよりも、今回こんなに完敗したのに、ジョーンズの猛攻を浴びながら、最後まで目も肝も据わっていたテイシェイラの姿が、これまで以上に勇敢に見えた。

ジョーンズに物足りないところがあるとすれば、なんといってもPPVセールスであろう。キャラが伝わってこない、何者なのかわからない、高い格闘能力に比べ稚拙な言動がアンバランス、といった評価も散見する。たしかに、ムーブは時にプロレス的ではあるが、ジョーンズはけしてプロレス心がくすぐられる選手ではない。アンデウソン・シウバも一時期、PPVセールスの低さが指摘されていた。それががらりと変わったのは、チェール・ソネン戦の後である。ジョーンズにもおそらくはライバルが必要なのだろう。それに加えて、若くてナイーブなアスリートは嫌がりがちだけれども、本人がしっかりヒール役を引き受けることが大事なんじゃないかとも思う。

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先頃急逝したアルティメット・ウォリアー氏、検死の結果、死因は心臓麻痺であったことが明らかになった。ファンにスピーチをした翌日に亡くなるという、あまりにドラマティックなタイミングから、一部では自殺説もあったが、これは払拭されたことになる。

アルティメット・ウォリアーに関して、興味深い記事がWhat Cultureにあったので紹介したい。1987年に新日本プロレスに登場したビッグ・バンベイダーの中の人が、実はアルティメット・ウォリアー(当時のリングネームはディンゴ・ウォリアー)になる方向で交渉が進んでいたのだという。しかしタッチの差でビンス・マクマホンにさらわれてしまい、やむなく第2の候補者であったレオン・ホワイトに決まったのだという。

アルティメット・ウォリアーは日本では2試合しかしていない。最初の試合は1990年4月13日、東京ドームでの「日米レスリングサミット」で、テッド・デビアスにフォール勝ちしている。この大会の2週間前に、ウォリアーはホーガンを下してWWF王座を獲得、そのせいでドーム大会で予定されていた「ホーガン vs. テリー・ゴーディ」のWWFタイトル戦が中止になり、そのことを事前に知らされていなかった馬場が激怒した、と伝えられる(諸説あるとは思うが)。

2度目は1991年3月21日の新日本とWCWの合同興行「スターケイド・イン・闘強導夢」で、ウォリアーはサージェント・スローターにフォール勝ちを収めた。WWF/WCW戦争が日本にも飛び火していた時代で、このわずか9日後にはSWSとWWFの合同ドーム興行も開催されており、こちらのメインイベントは「ホーガン・天龍 vs. ロード・ウォーリアーズ」であった。

ちなみに僕自身は当時、愛読していた「ファイト」がアルティメット・ウォリアーのことを「作られたチャンピオン」「筋肉の化け物」「WWFはこんな偽物王者でいいのか」といった論調で批判していたこともあり、そんな見方にも影響を受けて、正直偏見をもっていた。そのせいか、「たしかにファストフードみたいな試合をする人だなあ」という生意気な印象をもったものだった。

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こちらの記事によると、ストライクフォース時代にはロビー・ローラーやカン・リーと同格で勝ったり負けたりしていた「鉄の拳」スコット・スミスは現在、アルコール中毒からのリハビリに励む毎日なのだそうだ。リハビリは一進一退なのだそうだが、最近のローラーの活躍をみて、期するところもあるらしい。ストライクフォース時代にはすでにアルコール漬けだったという衝撃の告白もある。もともとケージではびっくりするような一発逆転勝ちをしてきた人だ。もうひと花、さかせるところを見てみたい。

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郷野聡寛オフィシャルブログ 2014年4月23日

この動向は全然知らなかった。心動かされる。感動しているのか、心配しているのか、引いているのかは自分でもよくわからないけれど・・・幸多かれと思うしかない。

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「プロレス技は接触する肌の面積が大きい」 なぜ「JKリフレ」は摘発されたのか?(弁護士ドットコム )

「プロレス技、特に寝技になると、簡易マッサージよりも接触する肌の面積が大きい・・・ふとももなど接触する肌の部位も、簡易マッサージの場合より性的な要素を含んで・・・」とある。

そういえば米国ではMMAをテーマにしたエロ小説が1つのジャンルとして確立しつつあるのだという。機会があればどこかで紹介してみるかもしれない。

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曙が体調不良を訴え緊急入院 肺炎で9日に退院したばかりだった(デイリースポーツ)

身体に水がたまるのだそうだ。たんなる風邪や疲労では水はたまらないだろう。案ぜられる。


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