UFC175ファイトレビュー


ユライア・ホール def チアゴ・サントス

FOX中継なら自己規制されるであろう、ホールの不自然に折れ曲がった足の指の絵が、PPVではここぞとばかりに大写しにされる。おそらく会場のビジョンにも移されたのであろう、その効果もあってか、試合が進むにつれ、ホールの壮絶なハートの強さが強調されていき、会場のファンを一体化していったように見えた。もともとこの人、TUFでは周囲が静まり返るような戦慄の連続KOを果たし、レベルの違う逸材として、当時のチェール・ソネンコーチをして「すぐにでもアンデウソンに挑戦できる」と言わしめた選手。それがTUF決勝では、UFC版石井智宏とも言われるケルビン・ガステラムのど根性ファイトのまえにオーラを消され、その後も心ここにあらずのような平凡な試合で勝ったり負けたり。今回ケガでファンの支持を得たというのは皮肉なことであったが、これをきっかけに怪物性が開花してくれるとしたら今後が楽しみだ。ただし自己啓発系の試合後インタビューは個人的にはご勘弁願いたい。


ロンダ・ラウジー def アレクシス・デイビス

この現代MMA最高峰の洗練された舞台で、こんなガキ大将のような勝ち方って、ありえるのだろうか。むんずと押さえつけて殴っただけではないか。あまりの役者の違いに唖然とするしかない。というか、なぜこれまでの柔道五輪MMAファイターは、この勝ち方ができなかったのだろうと逆に不思議になってしまった。

ロンダが勝ち名乗りを受ける際、背後にそろいもそろったUFC幹部のハッピーエンド感も半端ない。ロンダの最近の囲み取材動画などをみていると、喋り方がもうダナ・ホワイトそっくりになってきていて、ダナ・ホワイトの後継者はソネンではなくてロンダなのではないかと思うほどなのだが、もしかすると実際に、もはやロンダは経営幹部の一人だとみなしてもよいのかもしれない。その影で、その場にいたはずなのにまったく気配をかき消されていた敗者アレクシス・デイビス陣営。今ごろはいったいどんな気分でいるのだろうか・・・実力の世界とはいえ、あまりに残酷だ。


クリス・ワイドマン def リョート・マチダ

ミズガキさんはマチダのがんばりに感心したようだったが、僕の目には、基本的にはずっと、ワイドマンがマチダを慌てさせ、困らせ続けているように映った。ワイドマンはおそらく、相打ち上等と思って入ってくるのに対し、マチダは相打ちではまずいと思っているであろうところが決定的な差であるように見えた。ただし4Rのワイドマンは、急にビデオゲームのキャラのように、顔から表情が失せ、身体の動きもやや機械的で非合理的なものになっていた時間帯があって、おやおやと思わせた。アンデウソンに連勝したとはいえ、いずれも目にものを言わせたような勝ち方ではなかったワイドマンではあるが、今回マチダ・パズルを解いたことで、実力を証明したのではないかと思う。次はヴィトー、その次はジャカレイ・ムサシの勝者になるだろうか、いずれも楽しみな試合だが、ワイドマンの高値安定が続きそうな気はする。

ではBGMにクリス・ワイドマンの入場曲をどうぞ。



フランキー・エドガー def. BJペン(TUF19フィナーレ)

立って寝て、エドガーの独壇場で、ペンは何もやらせてもらえなかった。至極簡単にテイクダウンをとられてしまうペンは、そのままずっとマットに背を付けていたが、下からの攻めを見せることもなく、エドガーのパウンドをひたすらに食らい続けた。正直なところ、こんなペンは見たくなかった。差がありすぎて悲しい試合、知りたくもない現実を突きつけられたような試合だった。

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