イベントオブザイヤー! UFCダブリン大会

アイルランドのダブリンで開催されたUFC Fight Night46。小谷が出場すること以外にはさほど見所のない、近頃やや乱造気味・食傷気味の、世界の果てで行われている準ローカルFight Pass大会だと高をくくって、見るのをサボった人もいたのではないか。

そういう人は、とんでもない出し物を見落としたことになる。

報道では前評判は目にはしていた。いわく、「コナー・マクレガーはアイルランドではUFCそのものよりでかい存在」「マクレガーがメインイベントなら、8万人のスタジアムも満員必至」などである。そういった報道を信用しなかったわけではないのだけれど、そこはやはり、マクレガーがまだ、トップコンテンダーに勝っていない現状では、そこまで特別に興味を持ちにくい存在だったことも確かだ(もっともマクレガーはこの試合前の時点で、UFC戦績わずか2勝0敗だ)。

そもそも公開計量から様子がおかしかった。ただの計量に、観客が集まりすぎなのである。そして、マクレガーとブランダオのステアダウンの緊張感が半端ない。近頃は海外大会には足を運ばないことも多いダナ・ホワイトが、最初から両者の間に割り込みっぱなしだ。

迎えたメインイベント、客電が落ちると、ブラジリアンファイターのディエゴ・ブランダオの入場曲、「Sandstorm」が流れ始める。ああ、なるほど、これはもう、「ヴァンダレイ対桜庭」ではないか。小刻みに身体を動かしながら半笑いで入場してくるブランダオ。これに対して、国民的期待を背負って入場してくるコナー・マクレガーには、何かを背負っている人独特の、責任感あふれる英雄オーラが出まくっている。こういう姿のは滅多に見れない時分の花だから、せっかく同世代にMMAファンをやっているなら、念のため見ておいた方がいい。試合の方はマクレガーが、名勝負製造器のブランダオに名勝負を作る間も与えずあっという間に追い込み、不思議なくらい棒立ちにさせておいて、殴り倒したのであった。まるで電流に打たれたかのように爆発する観衆。会場の天井は落ち、床が抜けそうだ。マクレガーファンでもなければ、アイルランド人でもない自分まで、合理的な理由もなく、胸が詰まって涙が出そうになりそうな、舞い散る花吹雪が見えてくるような光景だ。

いつの間にこんなにたくさんいたのか、本大会にはアイルランド系のファイターが合計6人出場し、なんと6戦全勝だ。神がかっている。じっと見てみると、アイルランドの選手の方が微妙に格上になるように試合が組んではあるような気もするが、それでもあからさまなまでの差でもないし、ちゃんと結果を出すというのは大変なことだと思う。選手と客とが完全に共犯関係を結んでいる。プロレスと同じで、これだけ客が騒げば、なんと言うことのない試合でも名勝負に見えてくる。小谷の敗因も、「場の雰囲気」というのが一番大きかったのではないかとしか思えなかった。

これはまさに、UFCの考える正しい海外大会なのだろう。現地マーケットが盛り上がり、メインイベントからはPPVで即戦力になりそうなスター選手が輩出される。日本大会もこうありたいという良き見本だ。たかだか動員9000人、選手の顔ぶれから察するに、お金もそんなにかかっていないだろう大会ではあるのだが、見る側のパンパンに膨らんだ期待感と、それに答えて結果を出す選手たちの2つが一致したとき──どちらが卵かニワトリかはわからないにせよ──単なるローカル大会が、かくも簡単かつ完全にメジャーなインターナショナルイベントに転じるものかと驚かされる。


コナー・マクレガーの試合後インタビュー。インタビュアーはダン・ハーディ!

1Rで片を付けると言っていただろう?だから言ったとおりに1Rで終わらせたんだよ。
アイルランドのの土の上で俺を倒せる男など、この世に存在しない。
これから控室に戻って、ロレンゾ・フェルティータとウィスキーでも飲みながら、次回のサッカースタジアム大会の計画について話し合うとしよう。
去年から言っていることだが、われわれはUFCに参加(take part)してるんじゃないぞ、乗っ取るんだ(take over)!




ダナ・ホワイト、プレリムファイト進行中に。

ニール・シーリー戦の歓声を測ってみたら103デシベルだった。ロックコンサートは110デシベルだぞ。(ソース

観客はこんなことではメインイベントの前に疲れ果ててしまうんじゃないのか!(ソース


(後に、メインイベントでは最大111デシベルを達成していたことが明らかに)

デイブ・メルツァー記者

これまでに見た中でも最高の観客。(プレレムに出場していた)ホロハンもペンドラッドもキャラが濃い!(ソース

こんなことを言うことになるとは思わなかった。でも今日の中継で、Fight PassはWWE Networkを、おもしろさの点で上回った。(ソース



アリエル・ハレワニ記者

この観客は「ババ・オライリー」のオープニングビデオにも、試合と同じように反応している!(ソース

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高橋テツヤ

Author:高橋テツヤ
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