相次ぐ選手の減量失敗で溶け落ちてゆくUFC177・・・

UFC177が計量を前に連続悲劇に襲われた。まず、今大会プレリムでのスコット・ヨルゲンセン戦でUFCデビューを飾る予定だった2008年北京五輪金メダリストのヘンリー・セフードが体調不良を理由に欠場することとなった。セフードの今週火曜日の段階で体重が137パウンドあったと報じられているが、130まで落とした時点で痙攣と吐き気に襲われ、病院に搬送されたのだという(フライ級のリミットは125)。セフードにとって、ここ9か月で4度目の減量失敗による欠場(Legacy 25, 31, 34, UFC177)。ちなみにセフードは121パウンド級で金メダルを取っている。

さらに、メインイベントでTJディラショーとのタイトル戦リマッチに臨む予定だったヘナン・バラオンも減量中の体調不良で欠場することとなった。ホテルの部屋で風呂から出たところ、めまいを感じて転倒、壁で頭を打ち、失神して病院に搬送されたという。

ノヴァ・ウニオンでは減量失敗が相次いでおり、バラオン以外にもジョセ・アルド、ホニー・マルケス、クラウディア・ガデラ、レアンドロ・ソウサ(故人)などがいる。

バラオンの代役として、ディラショーのバンタム級ベルトに挑戦するのは、前座に出場予定だったジョー・ソトである。ソトは元TPFバンタム級王者、ベラトールフェザー級王者。前回は8月7日にTPF20で戦ったばかりで、今回がUFCデビュー。Twitterのフォロワー数は388人(8月30日朝6時現在)。アイオワ・セントラルコミュニティカレッジ時代にはジョン・ジョーンズのルームメイトだったのだそうだ。掛け率はディラショー-1500、ソト+700。

これで結局UFC177はメインカード5試合、プレリム3試合の、計8試合編成となり、Fight Pass向けのEarly Prelimsはなくなった。出場選手中、トップ10入りしている選手はディラショーただひとり。ダナ・ホワイトは、大会の中止は考えなかったと語っているが、契約により24時間前のPPVのキャンセルはできないことになっている模様だとの報道もあった。

出所 F4W(1) F4W(2) MMA Fighting

Dave Doyle記者
UFC176がキャンセル、177が崩壊。だれかが大会数多すぎということに気がつくべき・・・

ベン・アスクレン
なに、タイトルショットが無料?なら僕がいただこうか。

CMパンク
それでも試合を見るぞ。だって、ショートノーティスで受けて立つ選手が好きだからだ。チャンスをつかみ取ってくれ!

Ben Fowles記者
もはやUFC177のPPVを買う最大の理由は、何かますますおかしなことが起きるに違いないという可能性だけだ!

チェール・ソネン
明日の大会を私が救ってさしあげよう。UFCの選手であれば、誰とでも戦おう。



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米GQ誌が「スポーツ界の低俗人間トップ25」なるランキングを発表、MMAからはダナ・ホワイトとウォーマシーンが堂々ベスト10入りした。ダナ・ホワイトの選定理由としてGQ誌は、「選手への金払いが悪く、ライバル会社をいじめ、ハゲた白人版のドンキングを気取ってみたところで、カリスマ性が増すわけではない」と記述している。

ダナ・ホワイトの反応

どうせMMAについてろくに勉強もしていないヤツが書いたんだろう。私の名前は、ウォーマシーンとランス・アームストロングに挟まれている。UFCブランドにとっては迷惑な話だ。UFCは選手にちゃんとカネを払っている。他人が何か言い出すのを止めることはできないし、誰からも愛されるなんてこともあり得ない。個人的には気にしない。私のような公人になれば、いろんなことを言われるものだ。言われることをいちいち気にしていたら、とっくの昔にムチャクチャなことになってる。私はこういうことはまったく気にしないんだ。



トップ25の原文記事を見てみたいところだが、残念ながらウェッブには掲載されていないようだ。MMA Junkieが上位10人を転載していたのを紹介するが、結果的には眺めてみてもよくわからん。

1. Donald Sterling
2. Aaron Hernandez
3. Sepp Blatter
4. Isiah Thomas
5. Chad Curtis
6. Tiki Barber
7. War Machine
8. Dana White
9. Lance Armstrong
10. Bobby Petrino

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メキシコシティで行われるUFC180のチケット発売が開始され、8時間で21,000枚を売り切り、ソルドアウトとなったそうだ。もはや違いのわかるMMAファンは、UFCの非アメリカ大会にこそ刮目すべき。

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先月号のゴン格で、川尻選手が網膜剥離について語るインタビューを、息を飲みながら読んだ。僕自身にも身に覚えのある病気だということもあって、これでまだ現役続行を模索しようとする勇気には、心から感服するばかりだ。ちなみにバックリンク法は再発率が高いなんて、僕は説明を受けなかったのでちょっとショックを受けている。

MMA Planetにもインタビューが載っていたが、こちらでは川尻氏は目の手術を「不快ではあるが痛くない」、先生の腕が良いと問題が無いのだと語っていた。僕の場合はもう痛くて痛くて、手術中は痛いのをこらえるので息が荒くなり大汗をかき、血圧が250とかまでいったのだ。あの痛みは必ずしも、この病気の手術に付きものではないのだと言うことを知ったのも驚きだった。

ところで、ゴン格インタビューの中で川尻選手は、今回は米国から情報が漏れてしまったので、やむなくファンにも説明することにしたのだという趣旨のことを述べていた。僕もわりに思慮なくいろんな英語ニュースを、こんなのありましたぜとパッパと訳してしまう面があるので、なんだか心苦しい(僕がこの件を訳したかどうかは覚えていないけれど)。ただ、思うのだけれど、海外MMA情報に触れていると、海外選手は一般に自分のケガや病気について、日本人選手に比べて、あけすけに語る人が多いような気がする。もちろん、ガイジンだって単純に何もかもぶちまけているわけではないのだろうけど、やっぱり平均的な傾向としては、そういうことがいえそうだ。

こういう情報は、オープンにしたほうがいいのか、よくないのか、どちらなのであろうか。一ファンとしては、選手のこういう話を聞けるのはなんとなくうれしい。これでたとえば1年後に、川尻選手がUFCで復帰したら、黙って欠場していたのと比べれば、確実に何割か増しで熱い気持ちで応援できるだろうと思う。仮にこのまま引退となっても、ああ、結局そういう風に決めたんだ、仕方ないよねと、よりよく理解できる。もっとも、こちらがそう思うというだけのことであって、当の本人にとってはこんなことはメリットでもなんでもないだろうけど。

逆に情報をクローズにしておくと、どんなメリットがあるのだろう。あいつは終わったなど、周囲の勝手で無責任なレッテル貼りから自由になれる、現役か引退かという決断を先送りできる、復帰戦で対戦相手に弱点を知らせない、といったところだろうか。MMAに限らず、スポーツ選手のなかには、ケガを隠すことを選んでプレイしている人はたくさんいるんだろうなと思う。ケガを隠して出場するのが美徳だとする価値観も、日本人にはあるかもしれない。いや、僕だって、他人からどう思われるかわからない情報は、特に聞かれもしないのであれば、とりあえず伏せておく方が無難かなと思って過ごしている面はある。考えてみれば誰だってそうである。ケガ情報に関するガイジンと日本人の差は、選手の側の差と言うよりも、世間の目の差なのかもしれないなどと思う。


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