UFC182レビュー


遅ればせながら、明けましておめでとうございます。私の方、どうということもなく、なんとなく新年を迎えてしまっております。お休みに入ったらあれをしよう、これをしようとあれこれ思っていたはずなのに、いまになって、いったい何をしようとしていたのかがさっぱり思い出せません。


ジョン・ジョーンズ def ダニエル・コーミエ

武道や芸術の習熟の過程に「守破離」がある。Wikiに書かれている定義を借りながら進めると、UFCでもプレリムカードなどを見ている限り、師匠に教わった型をしっかりと「守る」段階の試合がよく見られるように思う。メインカードになると、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」試合が見られる。個性が出てくるわけである。ところが今日の「ジョーンズ vs コーミエ」は、さらにその先に進化し、型から「離れ」て自在になっているように見える。「ペティス vs メレンデス」や「ローラー vs ヘンドリックス」の時にも思ったけれど、こういった「離」の段階の試合は、彼らが何をやっているのか、もはや第三者には正確には語れるはずもないというか、ひょっとしたら本人たちだって、その場その場で、これまでの蓄積から染み出てくるアドリブをやっているのであって、言語で説明しきれなかったりするのではないかと想像する。とにもかくにも、両者は相手の全身の表面の殴れるところをできる限り多く殴ろうとし、見る側は奇想天外さとスピード感にめまいを感じつつ、うわーすげーと口を開けて見る以外に方法がない。ひょっとしたらジョーンズがサクッと勝ってしまうのでは・・・とも思っていたが、事前のハイプに十分答えてくれる素晴らしい試合だった。

両選手の顔色や表情だけをあえて観察してみれば、最初の3Rくらいまでは、困惑しているような冴えない表情のジョーンズに対して、疲れてはいるが充実した表情のコーミエ、という対比があった。しかし最後の2R、いわゆるチャンピオンシップラウンドにはいり、グレッグ・ジャクソンが「トム&ジェリー!」という謎の暗号を叫び、ジョーンズが連続テイクダウンを奪うと、コーミエの落胆感が強まり、それに反比例するようにジョーンズがドンドン元気を取り戻していった、という風に見えた。後半はプロレスのボディスラムマッチならぬ、「テイクダウンマッチ」の様相も呈した。それはそれで意地の張り合いがとても興味深かったのだが、勝敗的にはあまり意味があるとも思えず、敗色濃厚なコーミエが乗ってはいけないゲームだったようにも見えた。

あとはジョーンズの小さな不可解行動の積み重ねを、どう解釈すればいいのか、見る側としてはその処理と検証はちゃんと行っておくべきなのではないかと思った。

堀口恭司 def ルイス・ゴーディノ

連勝中の堀口に与えられた格下との試合。舞台はラスベガスのPPVメインカード。まさに堀口のためにカスタムメイドで用意されたお披露目の舞台だった。(もっともUFCはこのごろ、こういう格差のある試合を良く組むようになってきたように思う。以前はこういうマッチメークは余り見られなかった。派手なフィニッシュがほしいのかなと思ったりもする)。まさにUFCが敷いてくれたエリート出世街道であったわけで、このような試合はただ勝つだけでなく、きっちりとフィニッシュしなければならなかったのではないかな、ここは一番、要求になんとしても満点回答すべきだったのではないかな、とも想像する。

もちろん、判定でもなんでも、勝利を収めたことは立派なものだし、いつもどおりの軽快でどこか心躍るパフォーマンスを見せてくれた。普通はそれで十分なのだ。ただ本人は「今回は勝ちにこだわってKOできなかった」とコメントしていたが、いや今回は勝つこと以上が求められていたのでは?と思うし、今回KOができないと、次回以降はもっと強豪とあたることになるわけで、ますますできなくなることは間違いない。ゴン格インタビューによると、堀口選手は対戦相手に応じたゲームプランや練習メニューを作ることについて「今のレベルではまだ必要ない、自分がやるべきことが出来ていれば十分」と語っているが、堀口の試合を見たマット・ヒュームは同じ誌面上で「対戦相手の研究が必要」と指摘している。堀口選手はマッチメークにも恵まれていると思う(UFCの配慮を感じる)ので、まだまだ出来る余地があるならそれを尽くした上で、現時点ではハゲシャチョーのニーズに答えておいた方が、今後なにかと得するのではないかと思うのだが、たぶん。

それと、ホリグチキョウジなんて、シンプルで明快なお名前だと僕は思うのだが、ブルース・バッファーはいつまでたっても苦しげに「キヨジ・ホラグチィ」とか言っていて、これでは青い目のファンが一生かかっても堀口の名前を覚えられそうにもないので、何かキャッチーなニックネームがあった方がいいと思う。WOWOWのゲストの人も言っていたが、「キラービー」をニックネームにすると良いのではないかと思うがどうだろうか。

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新日本ドーム大会もつまみ食いして観戦した。セミファイナルの「中邑 vs 飯伏」、個人的には過去5年くらいでベストファイトといえるくらいの好試合だった。ホント、すごいです。ぐうの音も出ない。他方でメインイベントは僕にはピンとこなかった。会場は沸いていたけれどね。

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UFC Fight Passが、パンクラス、Cage Rage、Extreme Challenge、Hook’s’Shoot、King of the Cageなど8団体の映像ライブラリーを提供すると発表。これでFight Passが提供する試合数は5,000試合から13,000試合へと増えることになるのだそうだ。もっとも、いますぐドカンと公開されるのではなく、新コンテンツは4月頃から段階的に投入・公開されることになるのだという。

MMA Fightingは、日本の情報筋情報として、UFCがK-1、DREAM、HERO’S、およびRINGSのライブラリの取得を目指して交渉しているらしいと報じている。またUFCのチーフ・コンテンツ・オフィサー、マーシャル・ゼラスニック氏は、今回映像ライブラリを提供することになったプロモーションのうち、現在でもイベントを開催している団体について、ライブ中継を行うことも検討しているが、現時点で決定していることは何もないと語っている。UFCではFight Passの加入者数を非公開としているが、ゼラスニック氏は「初年度の強気の目標は完全に達成」し、世界165か国に加入者がいるとしている。

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Wrestling Observer Newsletter1月5日号より、2014年ファイトビジネス概況 (2013年12月〜2014年11月)

観客動員数
65,000 - 4/6 WWE WrestleMania New Orleans Mercedes Benz Superdome (Daniel Bryan vs. Randy Orton vs. Batista)

35,000 - 1/4 New Japan Wrestle Kingdom Tokyo Dome (Shinsuke Nakamura vs. Hiroshi Tanahashi)

21,000 - 8/24 AAA TripleMania Mexico City Arena Ciudad (Perro Aguayo Jr. vs. Dr. Wagner Jr. vs. Cibernetico vs. Myzteziz)

21,000 - 11/15 UFC 180 Mexico City Arena Ciudad (Fabricio Werdum vs. Mark Hunt)


北米でのPPV販売数
1,025,000 - 12/28/13 UFC Chris Weidman vs. Anderson Silva; Ronda Rousey vs. Miesha Tate

925,000 - 9/13 Golden Boy/Mayweather/Showtime Floyd Mayweather Jr. vs. Marcos Maidana

900,000 - 5/3 Golden Boy/Mayweather/Showtime Floyd Mayweather Jr. vs. Marcos Maidana

750,000 - 5/12 Top Rank/HBO - Manny Pacquiao vs. Timothy Bradley

545,000 - 7/5 UFC Chris Weidman vs. Lyoto Machida; Ronda Rousey vs. Alexis Davis


北米でのゲート収入
$9,800,000 - WWE WrestleMania 4/6 New Orleans Mercedes Benz Superdome, Daniel Bryan vs. Randy Orton vs. Batista

$6,277,733 - 12/28/13 UFC 168 Las Vegas MGM Grand Garden Arena, Chris Weidman vs. Anderson Silva, Ronda Rousey vs. Miesha Tate

$4,233,621 - 7/5 UFC 175 Las Vegas MGM Grand Garden Arena Chris Weidman vs. Lyoto Machida, Ronda Rousey vs. Alexis Davis

UFCの年度別PPV売上件数データ
年度 大会数 合計売上件数 平均売上件数
2007  10   4,660,000  466,000
2008  13   6,885,000  530,000
2009  13   7,755,000  595,000
2010  15   8,970,000  598,000
2011  15   5,950,000  397,000
2012  13   6,025,000  463,000
2013  13   5,470,000  420,770
2014  12   3,825,000  318,800

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CagePotato.com Presents: The 2014 Potato Awards (CagePotato)





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