ビジネス・アズ・ユージュアル【パッキャオ vs. メイウエザー】


「パッキャオ vs. メイウエザー」、みなさんはどのような感想をもたれただろうか。

僕はボクシングについてはライトファンで、地上波でやってれば観戦し(見ないこともある。なぜあるものは見て、別のものは見ないのかは自分でも謎)、WOWOWでは少なくともこの2人の近年の試合くらいはずっと見てきているというくらいの興味の持ち方なんだけど、そんな僕程度のファンからしても、これほどまでに破綻なく想像通りに進む試合というのも珍しいのではないかというのが率直な感想である。ああ、メイウエザーが提示する課題は、パッキャオを持ってしても解くことが出来ないのだなと、つくづくそう再認識したにすぎなかった。僕が期待していたのは、メイウエザー戦法にパッキャオが初めて風穴を開けてみせ、多少なりともメイウエザーが取り乱すというカタルシスだったのだ。それなのにメイウエザーときたら、まるでムーミンに出てくるニョロニョロのように、パッキャオがいくら手を伸ばしても、ひたすらにヌルヌルとつかみ所がないばかりなのであった。異常なまでの事前の盛り上がり、プンプン漂うカネの匂い、大人の事情が見え隠れするダブルリングアナウンサー制度など、ギミックやセッティングはまさに夢の舞台だった。ただ、肝心の中身は、メイウエザーの言うとおり、彼にとって過去48戦の1つに過ぎないものであった。

もっとも、見ている側のエキスペリエンスとしては、この試合が実現してしまった以上、なんだかボクシングの最終回を見てしまったような気分もする。だって、これから何を楽しみにすれば良いのだ?これ以上楽しみな試合など、少なくともこの先2,3年にありえるのか?そして、最終回とは言っても、感動の大団円と言うより、最終回に伏線の回収を急ぎすぎる出来の悪いドラマみたいな後味もする。メイウエザーはタイトルを返上し、あと1試合で引退すると語っている。希代の悪役のラストストーリーが、このまま「無事に」終わってしまって良いものだろうか。

メイウェザー、パッキャオは名勝負だったのか?(THE PAGE)

リンク先、村田諒太のコメントが意外に辛口で興味深い。村田の試合は先日フジテレビで見たが、表情や佇まいがずいぶんとプロっぽくなってきていて好ましかった。デビュー戦など、ニヤニヤしながら花道を歩いていたので、僕などその表情から、ややっ、これはヤオなのでは?と疑ったほどだったのだが、今回は戦う男の緊張感がちゃんと出ていた。もちろん人間、考えているとおりの表情をしているとは限らないわけではあるが、まあ、サラッとテレビを見ているだけの人は、そういう風に表面的に見ますわな、という程度の話ではあるとはいえ、しかしさりとて、一事が万事ということもあるのであって、きっちりフィニッシュしていた試合ぶりも併せて(あまりに強すぎて、僕の目には相変わらずいささか出来すぎのフィニッシュシーンにも見えてしまうのだが)、なかなかに頼もしいことである。

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ロンダ・ラウジーのWWE再出陣についてダナ・ホワイトが、「レッスルマニアでのロンダは素晴らしかった。私も楽しんだが、こういうことは一度きりだ」と、ニヤニヤしながらコメントした。

来年のレッスルマニアにロンダが出場することは決定事項だと考えていたWWEのクリエイティブチームは、このダナ・ホワイト発言に驚愕しているという。

UFCの契約では原則として、専属契約中の選手がプロレスに出場することを禁じている。実際、2011年にWWEが当時UFCと契約していたブロック・レスナーのレッスルマニア出場を打診し、2010年にはUFC会場でレスナーとアンダーテイカーの接近遭遇アングルまで演出したものの、結局この計画はUFCが拒絶し話が流れている。

もっとも、UFCファイターのプロレス出場には例外もあり、2014年大晦日にはジョシュ・バーネットがUFCの許諾を得てIGFに出場、かつてはミルコ・クルコップがハッスルに出場したり、トム・ローラー、シェイナ・ベイズラーがROHにマネージャー的な役回りで出演することも許可している(ここまでレスリングオブザーバー)。

ダナ・ホワイト発言を受けてWWEのステファニー・マクマホンは、「ロンダのマニア出場を考えてみたことがないとは言わない。でも具体的な計画があるわけではない」と語っている。「ロンダの出場はダナ・ホワイト次第。でも、出場するにしても、いまごろからネタをばらしてしまったのでは、ストーリーのクライマックスまで持たないでしょう」などとも語っている。WWEでは、来年のマニアで「ロンダ・ラウジー対ステファニー・マクマホン」のシングル戦を行う計画を持っていると伝えられている(MMA Fighting)。

プロモーターの発言なのであるから、額面通りに受け取ることはできそうにない。しかし、ロンダをレッスルマニアで見たい人は、ここはいったんおとなしくがっかりしておくのが、あとで楽しい気分になれそうである。

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独りくらいはジョン・ジョーンズの味方がいてもいい、ということだろうか。ジョーンズのマネージャー、マルキ・カワがMMA Hourに出演しコメント。

われわれはもう、オクタゴンでのジョン・ジョーンズの最後を見てしまったのかもしれない。ジョンはこれから自分のことに集中することになる。やるべきことにじっくり取り組んで行くことになる。だから、もうラストファイトを終えてしまっているとしても、私はそれで構わない。

私に言えること、きみらも行間に読みとることができることは、アスリートなら誰でもこういう時期があるということだ。ジョンだけの問題ではない。ほかの選手も、あとになって振り返ってみれば、ただ何もかもが過剰だったということに気がつく。7日前のショートノーティスの試合を受けなければ、ゴミ箱にうち捨てられる。強盗を捕まえれば、素晴らしい人間だと誉められる。世界王者になれば、取材もたくさん受けないといけない。やることが多すぎる。ジョンだけじゃないんだ。GSPでも、アンデウソンにも大変な思いをしているということを言いたいんだ。

ジョンが復帰してこないとすれば、それは彼が自分でそう決めたからだ。プレッシャーのせい?それもあるかもしれない。ベルトを剥奪されたから?それもあるかもしれない。試合が多すぎるから?そういう面もあるだろう。いずれにせよ、彼が復帰しないのだとすれば、それは彼の決断だ。私はジョンがやることにケチを付けるつもりはない。それと同じように、だれであれ、ジョンのこれまでの業績を自分の手柄にすることはできない。良くも悪くも、ジョン・ジョーンズに関わることは、ジョン・ジョーンズそのものなんだよ。

ジョンの試合をもう見ることが出来ないとすれば、それは彼がそう決めたからだ。あんたらが思うような問題のせいではない。ネガティブな見出しのせいでもない。ひとえに、彼がもう十分だと思ったからなんだ。

誰がなんと言おうが、私はジョンが史上最強であることには変わりがないと思っている。彼がなしえたことを出来る選手など、ほかにいないし、彼のようなやり方でMMAにインパクトを与えることが出来る選手も誰もいない。現実問題として、あんたらがジョンを貶めようとして、あることないこと、あれこれ言うことはできるだろうが、詰まるところ、オクタゴンの中ではジョンは史上最強だった。それだけは誰も否定できない。

ジョンがMMAに復帰してくるとすれば、それも本人がそうしたいからだ。ダニエル・コーミエのためでも、わたしのためでもない。それが私が言いたいことのすべてだ。



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今週末のメタモリス大会(メインイベントにはジョシュ・バーネットが登場だ)は、招待客オンリーで開催されるのだそうだ。一般向けのチケット発売はなし、メディアも入場させないという。視聴する方法はネットPPVだけである。舞台裏まで全部見せる巌流島とはまったく逆の手法である。個人的には、伏せられると逆に見たくなる。

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舞の海氏が新説「日本人力士の“甘さ”は前文に起因する」「反省しすぎて土俵際…」(産経ニュース)

氏はジョークで言っているわけだが、オレはこの意見、どこか2割くらいは真に受けたくなるところがあるな・・・


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高橋テツヤ

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