UFC187レビュー


アンドレイ・アルロフスキー def トラビス・ブラウン

アルロフスキーは10年前にUFCヘビー級チャンピオンだった男だ。当時日本にはまだまだ「UFCはつまらない」と言う人が多く、アルロフスキーやティム・シルビアはつまらない選手の代表格だった。堅い試合をする人だったのだ。UFCをリリースされたアルロフスキーは、アフリクション、ストライクフォース、WSOFなどを渡り歩いていたが、その途中で無残なまでのKO負けを重ねている。ヒョードルに打ち落とされ、ブレット・ロジャーズに撲殺され、毎回のように完全失神を繰り返し、「打たれ弱すぎる」「このままでは脳障害が心配だ」「すでに脳障害が起きているのではないか」などと、陰に陽に引退を勧告するメディアもあったほどだ。

そのアルロフルキーがここにきてUFCトップ戦線で3連勝である。折からのヘビー級の人手不足あって、事実上のトップコンテンダーとなったといっても過言ではない。試合後インタビューではローガンが「ふくらはぎの負傷は大丈夫でしたか」と尋ね、アルロフスキーが負傷を抱えたまま戦っていたことも明らかになった。実にすごい復活劇、実にすごいラウンドだった。


試合後にアルロフスキーにすまなかったなと声をかけられた旧友ブラウン

謝るんじゃない。これが仕事だろうが。




クリス・ワイドマン def ヴィトー・ベウフォート

前日計量で「お前のテストステロン値はまだ高いだろう!知っているんだぞ!」などと激高していたワイドマンが、その怒りを全部ぶつける残忍なパフォーマンスを見せた。ここまで実力差があるとは意外だった。ベウフォートの体つきは、やっぱりここ最近数試合の引くほどのムキムキさと比べれば、かなり緩んでいたように見えた。そのせいで負けたのかどうかはわからないけれど。


ダニエル・コーミエ def アンソニー・ジョンソン

いきなりのジョンソン渾身の一撃にはびっくりしたけれど、それ以外はコーミエが明瞭な力の差を見せ、ジョンソンの心を折ったかに見えた。それにしてもジョンソンの試合後インタビューには驚いた。ついさっきギブアップして負けた男が、「みなさん、人生はけしてギブアップしてはいけません」と演説しはじめたのだ。こちらとしては、え?この人はなぜいまそれを言う?と、そのおにぎりせんべいのような顔の輪郭をしげしげと眺めるしかなかった。


●猛烈な勢いで試合数を重ねることでお馴染みのドナルド・セラーニが、次戦までは間隔が空く可能性を示唆。いつも「うちのババアにきいてみるよ」などとうそぶきながら試合を気軽に引き受けるセラーニから、「マネージャー」という分別くさい単語が出てきたことにちょっと面食らった。

次の試合はタイトルショットでなければマネージャーが許してくれないと思うんだ。だから気長に待つことにするよ。



●対戦相手のニーナ・アンザロフの風邪により、「ロンダ2世」ローズ・ナマユナスの試合は土壇場で中止になった。がっかり!

●試合後のジョー・ローガンの勝利選手インタビューがだんだんうざくなってきたな。聞き手のほうが選手よりウンとたくさんしゃべっているというのはどういうことなのだ?フィリピン大会でマーク・ムニョスに「それではマイクをお預けします」といって身を引いたジョン・アニクのすがすがしさに比べれば!

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ダナ・ホワイト大会後インタビュー

Q コーミエの試合ぶりはいかがでしたか。

思った通りの試合だったよ。ジョンソンには一発のパワーがあるが、それが炸裂しない限り、コーミエがレスリングで圧倒すると思っていた。

Q コーミエは正王者とは言えないのではないかとの声もあります。

まあ、その意見も理解はできる。王者になるには王者を倒さないといけないからな。でもその王者がいないんだから仕方ないだろう。コーミエが正王者だよ。

Q コーミエの初防衛戦の相手がジョン・ジョーンズになる可能性はありますか。

お互いに嫌いあっているようだし、そうなるとおもしろいとは思うが、ジョーンズの件がどうなるかわからないので、なんともいえない。まあ今日のところは、コーミエが代役を果たしてくれたことに感謝するよ。

Q クリス・ワイドマンの試合ぶりはいかがでしたか

ヴィトーのパンチが効いてきたよな。最初の2Rに限れば、ヴィトーほど危険な選手はいない。あのまま試合が終わると思った人もいただろう。ヴィトーのパンチのキレは相変わらずだった。それを受けきったワイドマンの打たれ強さが上回ったわけだ。

Q ヴィトーは引退しないでしょうか。

しないと思うよ。

Q ワイドマンの次の相手はロックホールドでしょうか。

ロックホールドは、ジャカレイではなく自分にやらせてくれ、ワイドマンをマチダのような目にあわせてやると猛アピールしているよ。ロックホールドがナンバーワン・コンテンダーであることは確かだ。まあ考えてみるよ。

Q アンドレイ・アルロフスキーは依然として元気です!

もう聞いたと思うが、ヤツはふくらはぎを痛めていて、ほんの2時間前まで、試合は中止になってもおかしくなかったんだ。昨晩の段階でヤツはほとんど歩くことも出来なかったんだぞ。試合の直前にも、ほんとうにやるのか、無理をしなくてもいいんだぞと聞きにいったが、やると言うんだよ。

Q これでアルロフスキーはトップコンテンダーになりましたか。

それはわからんな。



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グレッグ・ジャクソンの大会後インタビュー。MMA Fighting

Q ドナルド・セラーニが試合前に負傷し、あなたが欠場を勧めたと伝えられています。

あばらを結構ひどく怪我をしていたので、彼の身体が純粋に心配だった。個人的には欠場して欲しかったが、本人の出場意向が固かったので、その方向で全力サポートするよう切り替えたよ。ケガはキャンプの中盤でおきた。ただ、ちょうどその頃、ハビブ・ヌルマゴメドフも負傷欠場を発表したこともあってね・・・

Q アルロフスキーが勝ったとき、あなたは泣いていませんでしたか?

いつも試合では冷静さを保つようにしているんだけど、アンドレイとはもうずっと長い間、毎日一緒に練習してきたからね。一緒に世界中を回って、ファイターとしてのキャリアを立て直してきたんだ。すごい強敵のトラビスに、まさかこんな風に勝ってくれるとは・・・アンドレイが6連敗したころには、この選手はもう終わっていると言われたものだ。でも私は、アンドレイはまだまだ強くなれると信じていたんだ。

Q 素晴らしい復活劇ですが、次はタイトルに挑戦させたいですか?それとももう1試合挟みたい?

それはどちらでも構わない。こちらとしては、決められた試合に備えるだけだよ。

Q アンドレイの出場についても決断を迫られましたね。

アンドレイはラスベガスに来てから足首をひねってしまってね。しばらく動けない状態だったんだ。私も普段からスポーツキラーとか言われているから辛いところだよ・・・ただアンドレイの場合には、直前に反射神経や動きを再確認したら、そんなに悪くなかったんだ。

Q ジョン・ダドソンは勝利にも納得していないようです。

いや、良い試合をしていたと思うよ。ダドソンはタイミングを捉えるタイプの選手で、そういうタイプの選手は試合間隔が1年も空くと、なかなか試合勘を取り戻せないものなんだ。その中で良くやっていたと思う。



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Uncensored Jerry Lawler Andy Kaufman on Letterman 1982(BEST VERSION)

リンク先のYouTube動画、1982年のデビッド・レターマンのトークショーに、アンディ・カウフマンとジェリー・ローラーが出演した回の動画。これはたまらんわ〜。共感してくれる人は日本で10人もいないかもしれないけど、その10人の人にはぜひシェアしたい動画だ。あえて例えてみれば、天龍とRGが「いいとも」で挑発し合うような感じか。この動画のハイライトでの1つでもある、ローラーがカウフマンにピンタをするシーンが、先頃放送されたレターマンのトークショーの最終回の名場面シーンで流されたことから急に注目を浴び、このような動画に脚光が当たっているということらしい。カウフマンはこうして時々よみがえる。

カウフマンのリング上での活躍については、どこかで一度まとめてみたいと、もうずっと昔から思っている。

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録画していたK-1 World GP 4.19代々木大会を見終わった。6時間番組を、特に急ぎもせずに見るものだから、見終わるのに時間がかかるのだ。それにしても、メインイベントの55キロ級トーナメント優勝戦「武尊 vs. 大雅」はすさまじい試合だった。両者笑いながら、まさにWARとしかいいようのない猛烈な殴り合いをノンストップでやらかしたのだ。しかも、レナード・ガルシアみたいに大味なパンチではなく、シャープでソリッドな打撃を「あとはどうなってもしらん」「死ね」とばかりに悪意満点で食らわせあう。バッドアスにも程がある。UFCをふくめても、今年これまでのベストバウトといってもいいかもしれない。なお大雅という選手は、あの魔裟斗二世、HIROYAの実の弟である。そのHIROYAは、この大会で木村ミノルにあっさりと負けている。K-1はもはや、早すぎるくらいのスピードで世代交代が進んでいる。TUFジャパンにもこの若さとスピード感が欲しいものだが・・・。とにかくこの優勝戦、未見の方は検索でも何でもして、どうにかしてみるようにすると得をすると思う。


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