「川尻達也 vs デニス・シーバー」感想


川尻達也 def デニス・シーバー【UFN69ベルリン大会】

ブルース・リーばりにアチョーとローリングソバットなども繰り出し、その不可解な髪型も含め、謎の東洋人特有の不気味さを醸し出しながら、なんだかんだでシングルレッグを奪いに行く立ち上がりの川尻。なるほどこれなら、ムダに殴られることなく距離を詰められると言うことなのだろうか。それにしても、負傷明けのベテラン選手が、たとえギミック気味なのだとしても、こうして新しいムーブに取り組んでいるということには頭が下がる。こんな風にアプローチをはっきりと変えて、しかも良い結果につなげる選手というのは、案外あまり見たことがないし、ましてやベテランともなればなおのこと、新しいことを試したくなくなるというのは格闘家に限ったことではないだろう。

ダメージという点では両者に決定打がなく、アウェイでの戦いだったことを思えば、おかしな判定がでやしないかと心配だったが、結果的には無事にまともな判定が行われてほっとした(もっともシバーには、たとえばニック・ヘインなどに比べて、あまり地元の英雄感はなかった)。UFCの日本人ファイターがランカー対決で、相手を力でねじ伏せるところをみるのはなんだか久しぶりな気がして、溜飲が下がる思いだ。

とはいえシバーのジャブを食らって目をしばつかせる様子を見ていると、こちらまで痛かった。なお本人がTwitterで、帰国後の眼科検診で異常がなかった旨を報告している。

米メディアでは試合後の反響は正直あまり見られない。「モンスターたちから薬物を取り上げたら、自分がチャンピオンになれる」発言も、もっと反響があるかとおもったが、いまのところそうでもない。しかし本来、このような発言をほかに誰もしないのは不思議なことだ、ということは忘れない方がいい。

●ヨアナ・ヤンジェイチェックには「殺し」がある。ベースがムエタイということもあって、どことなくクリスチャン・サイボーグにも似た暴風雨のような連打でペネーを流血の大惨事に葬り去っていた。このヤンジェイチェック、インタビューなどでは癒やし系、天然ボケ系で、試合前には嫌がるペネーにネックレスのプレゼントを無理矢理押しつけるという、不思議な小競り合いを演じていた。カリスマ性はある。Fight Passオンリーの試合露出ではもったいない。

「ヤンジェイチェック」をまったく言えないアメリカンファイターたち(動画)


●「キンボ vs ケン・シャムロック」は、ある意味おもしろすぎた・・・この試合については別の機会に論じたい。



ケン・シャムロックを呼び込むアニマル・ウォリアー

STREET FIGHTER

Sports Claymationさん(@azxd)が投稿した動画 -



試合の方はこのポンチ絵でほぼフル再現されている

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レスリングオブザーバー6月22日号によると、重要な件であるわりにはほとんど報じられていない件として、ジュニオール・ドスサントスがブラジルで巨額のスポンサーシップ契約を持っていて、リーボック制度の導入により失う金額が極めて大きいことを紹介している。なお参考までにオブザーバーは前週号で、スポンサーシップ収入の激減を嫌うUFCのスター選手がベラトール移籍を検討しているという噂を、選手名を出さずに伝えていた。

ダナ・ホワイトは、ヘビー級王者ファブリシオ・ヴェウドゥムの最初のチャレンジャーが、スティペ・ミオシッチかアンドレイ・アルロフスキーになる予定だと明言した。レスリングオブザーバーラジオは、アルロフスキーに落ち着くことが有力だと報じている。ジュニオール・ドスサントスが現在のランキング的にも、ヴェウドゥムを倒したことがあるという過去の実績からも、本来はトップコンテンダーであるべきかと思われるが、ホワイトは「本来はドスサントスだと私も思うが、ドスサントスは怪我をしていて試合が出来ない」と語っている

しかしドスサントス本人は、トレーニング風景の動画を、自らのインスタグラムでわざわざ公開しており、これを見る限りでは、怪我をしていて動けない人にはとても見えない。


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2月13日のベラトール133でメルビン・マヌーフにKO勝ちしたアレクサンダー・シェレメンコがステロイドで失格、カリフォルニア州アスレティックコミッションから出場停止3年を申し渡された。先だって2年の出場停止処分を受けたマイク・リッチマンに続き、厳罰化の新潮流の荒波がまたしてもベラトールファイターを直撃したことになる。

他方で5月のUFN67ブラジル大会に出場したホニー・ジェイソンが利尿剤で陽性反応が出て検査に失格、ブラジリアンMMAアスレティック・コミッションから9か月の出場停止処分を受けた。ベラトールファイターが3年食らっているときに、UFCファイターが9か月で済んでいるというのはにわかには納得しがたいが、ちょうどいまは新しいアンチドーピングプログラムへの過渡期にあるため、いつどこで、どんな薬物で失格したのかによって、処分に大きな差が出るのはやむをえないのかもしれない。なおUFCでは、ジェイソンが受賞していたファイトナイトボーナス5万ドルを没収する。



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