アンデウソン醜態



米国時間木曜日に、アンデウソン・シウバがネバダ州アスレティックコミッションの聴聞会に出席、今年1月に明らかになった複数回の薬物検査失格についての弁明を行った。シウバは「勃起不全治療目的で使用していたサプリメントを検査したところ、本来含まれているはずのないステロイドが混入していたことが判明した」との理由付けをして、無罪の主張を行った(シウバが事前にコミッションに提出した文書はこちら(PDF))。コミッショナーからの質問に対しシウバは、サプリメントは知人がタイで入手した青色の液体で、薬品名や成分を示すラベルは貼られていなかった、サプリメントの使用をこれまで隠蔽していたのは、目的が恥ずかしくて言えなかったからだ、などと回答、ただサプリメントの検査結果を書面で示すことができず、コミッショナーを説得できなかった。アンデウソン陣営の申し立ては非常に手際が悪く、つじつまの合わない発言も見られ、途中出来の悪い通訳にアンデウソンがイライラして、マネージャーのエド・ソアレスを代理通訳に立てると、さきほどと同じ質問への回答内容が誤訳だけのせいとは思えないほど大きく変わるなど、かなりのズンドコ問答となっており、コミッショナーから「申し立て内容は信憑性に欠ける」と判断されてしまった。

結局アンデウソンには出場停止1年、勝利ボーナス20万ドルの没収、およびファイトマネー60万ドルの30%相当額の罰金の支払が命じられ、UFC183でのニック・ディアス戦の試合結果は勝利からノーコンテストに変更されることとなった。出場停止期間は前回の試合後までさかのぼって適用されるため、アンデウソンは2016年2月1日以降、試合に出場することができる。罰金の方は巨額だが、出場停止期間がその程度で済んだのは不幸中の幸いだった。ネバダ州が薬物検査失格の罰則を大幅に強化する前の失格事案だったということもある。

コミッショナーの一人、Marnellさんの次の言葉が、この公聴会の雰囲気を良く伝えている。

なんといえば良いのかわかりませんが、どうも話の全体像が見えてきません。嘘を言っているとは言いませんが、全部が語られたようにも聞こえない。シウバ氏は輝かしいキャリアをお持ちですが、今回初めての抜き打ち検査で失格したわけですから、これまで検査に合格してきたという実績についても、全幅の信頼を置くことができなくなりました。

シウバ氏はひどいケガから復帰したわけですから、何らかの薬物を使いたい意図があったたのではないかと感じています。そう決めつけるわけではないですが、腹の底では、全体像が見えてこないなとの印象を禁じ得ません。この2時間の議論を通じて、不毛なゲームをしているような気分になり、フラストレーションがたまりました。



この聴聞会の模様は、UFC Fight Passで生中継された。アンデウソン陣営の戦術は、かつてのチェール・ソネンの戦術と似ていて「ここまでみっともない告白をしたのだから、信じてもらえるだろう」というものだったのかもしれないが、事前準備があまりにずさんで、いつも品格とゲームプランのある天才格闘家にあるまじき、悲しいパフォーマンスとなってしまった。これなら「骨折の後だったから、つい怖くてステロイドを打ちました」とふつうに素直に言ってくれたほうが、むしろコミッショナーの心をつかんだのではないかと思われてならない。

なお、同じ頃にマリファナで失格したニック・ディアスは、いまだに聴聞会出席を先延ばしにし続けており、従って処分が確定しておらず、宙ぶらりんの状況が続いている。ちゃんと聴聞会に出て、正式な処分を受けて、出場停止期間を満了しないことには、試合に出ることはできない。ニックの場合、マリファナの失格を何度も繰り返していることから、聴聞会に出席すれば、かなり重い処分が課されることは間違いない。

この日の聴聞会では、ホジマール・パリャレスとジェイク・シールズの件も議題に上り、両者とも「スポーツマンシップにもとる行為があった」として出場停止の仮処分が下されている。今後、本人出席のもとで聴聞が行われ、正式処分が決定される。度重なるファウルにも何もしなかったとされるレフリーのスティーブ・マザガッティについてはおとがめ無しだった模様だ。

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UFC189でロビー・ローラーとの激闘を繰り広げたローリー・マクドナルドがネット番組MMA Hourに出演し、試合を振り返った。

あの試合は僕の人生で最良の時間だった。あの経験を通して、僕は本当に「生きている!」と思えたし、自分が何者であるのかをみなさんにお見せすることもできた。もちろん、勝てなかったことにはがっかりしている。自分を強く持って、ローラーをフィニッシュすることはできなかった。それでも、あれは一生に一度といってよい出来事だった。感謝している。

このような経験で、僕は格闘家として成長できると思う。チャンピオンになるには何が必要なのか、そのレベルに達するにはどうすればいいのか、そういうことが見えてきた。

(フィニッシュになったパンチについて)ローラーは僕の鼻を正確に打ち抜いてきた。すごい衝撃波が脳みそと全身に広がって、そのあと身体が動かなくなってしまった。僕はこれまで骨折をしたことが無かったので、鼻が折れたままで3Rも戦い続けるというのは、おもしろい感覚だったよ。5Rに入るまでは平気だったんだ。



試合後記者会見でダナ・ホワイトは、試合後の控室でマクドナルドが、「今年は西暦何年ですか」という質問に答えられなかった、というショッキングなエピソードを披露していたが、その件についてマクドナルドは、「こっちは酸欠でヘロヘロだし、口の中は血で一杯だというのに、係員が今は何年だとかくだらないことばかり聞いてくるから、今それ必要?とか思って、本当に困惑して、もう答えるのをやめたんだ」と説明している。

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年末年始のデビューがウワサされるCMパンク(0-0)がTwitter上で突然、アイリッシュファイターのカホル・ペンドレッド(17-3-1)と舌戦を繰り広げ始めている。単なる売り言葉に買い言葉なのか、それとも試合へのアングルか!?

ペンドレッド:CMパンクのパッド打ちに比べれば、オレなんかはモハメド・アリ級だな

パンク:アリはそんな塩ファイターではないが?そんな絵文字まで使っているヒマがあったら、もっと練習すれば、キミもジャッジから恵んでもらわなくても勝てるようになると思うがね。

パンク:(ペンドレッドの試合動画を貼り付けて)みなさん、アリのような動きをご覧下さい。

パンク:オレはみんなから挑発されてる。挑発されやすいんだ。貴様はトップ10ファイターあたりを挑発するのが本来だろ、この臆病者めが。

ペンドレッド:挑発などしておらんわ、アホタレ。事実を述べたに過ぎない。

パンク:アイルランドに鏡はあるのか?お前の家の鏡は何で出来ているんだ?

ペンドレッド:身体がボロボロの40歳のプロレスラーで、知名度だけでUFCに上がろうとする男なら、オレの鏡には映らないが。

パンク:他人の年齢、他人の技術、他人の出自を馬鹿にしていればいい。ただしオレは一晩で、貴様のUFCでの全ファイトマネーより多く稼ぐことは覚えておいたほうがいい。




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高橋テツヤ

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