UFC193レビュー【ラウジー完敗】




ホーリー・ホルム def ロンダ・ラウジー



掛け率で史上最大の差をつけて行われた「ロンダ・ラウジー vs. ホーリー・ホルム」で、ホーリー・ホルムが驚異的な強さでロンダを圧倒、2R、ハイキックによる失神KOで新王者となった。これまで、まるで誰も寄せ付けず、相手に触れただけでも勝っていたようなロンダの姿は、この試合ではまるで影を潜めた。鼻から、口から血を流しながら、ロンダはまるで特攻隊のように無軌道かつ無策にホルムを追いかけ、落ち着き払ったホルムの返り討ちにあい続けた。子どもと大人、素人と玄人の差があるように見えた。フィニッシュシーンは何度見てもテレビの前で震えるしかなかった。僕はとっさに、東京ドームでの「マイク・タイソン vs. バスター・ダグラス」を思い起こしていた。今でも鮮烈に思い出せるような、まるでトラウマになるようなアップセットKO劇だった。今回のフィニッシュシーンもそんな風に、長く脳裏に刻まれることになりそうだ。

このホルムの大金星にも、さして興奮もせず気楽な表情のグレッグ・ジャクソンがうすら恐ろしい。サイボーグが、アマンダ・ヌネスが、ミーシャ・テイトが、ベチ・コヘイアが、続々と強烈な自己PRをTweetし、ロンダに制圧されていた女子バンタム級は一気に沸き立っている。ロンダの捲土重来も楽しみだ。なにせテレビ番組でのボルダリング競争でミーシャ・テイトに敵意をむき出しにしたり、インタビュー中にライターより先に水を飲み干さずにはいられないほど負けず嫌いな人なのである。


ヨアンナ・ヤンジェイチェック def バレリー・ラトーノー



例によってヨアンナは頑固親父のように強かったわけだが、この試合には「ロンダを見に来た客が、ヨアンナにびっくりして帰る」ことが意図されているのではないかとする下馬評もあったのだ。ラトーノーはかつてロクサン・モダフェリに負けている選手で、生け贄のように見なされていた。しかし、ヨアンナ売り出しという意図がプロモーター側にあったのだとしたら、チャンピオンの派手なKOシーンをけして許さない、ラトーノーのハートの強さがそんな企みをすっかりくじいてしまった。


ダナ・ホワイト:「ダイレクトリマッチもありえる」



大会後記者会見より。MMA Fighting

Q 女子バンタム級はどうなりますか。リマッチを見てみたいですが、ミーシャ・テイトやキャット・ジンガノがタイトル挑戦を強く訴えています。

ダナ 例によって私は試合当日にはマッチメークはしないぞ。リマッチをみたいというのはよくわかる。ただ、サイボーグ戦を含め、いろんな計画が変わってしまったね。ショックはショックだ。でも、こういうことがあるから、格闘技は面白いんじゃないか。ホリーはロンダの4倍もキャリアがあるんだ。この試合を組んで正解だったと言うことだよ。

Q ホルムとラウジーのリマッチが7月のUFC200に行われるとすると、それまでホルムは防衛戦を行わないのでしょうか。

ダナ そのあたりについてはまだわからない。



大会後、ダナ・ホワイトインタビューより。Fox Sports

Q 試合が終わった直後ですが、今の気持ちは。

びっくりしたよ。ジョー・ローガンは、UFC史上最大のアップセットだと言っていた。私が組んだ試合だ。ホルムにもいろいろな強みがあるとは思っていたが、まさかそのままの結果になるとは・・・

Q 「マット・セラ vs. GSP」を上回るアップセットでしょうか。

まちがいない。そのとおりだ。

Q ロンダは病院に直行したそうですが、容態は?

唇が切れているから縫合の必要があった。それ以外にケガはない。鼻かアゴを折ったのではないかと感じたが、それもないそうだ。

Q 舞台裏でロンダにもいろいろありました。その影響もあったのでしょうか。

うん、ここ数ヶ月はロンダもきつかっただろうから、影響がなかったとは言えないだろう。私は、あんなに精神的に強い人を見たことがない。でもロンダも人間だったと言うことだね。

Q ロンダの次戦は7月のUFC200だということでしたが、その予定は変わるでしょうか。

それも含めて、いろんな予定が変わってくるさ。まあ見ていてくれ。

Q ロンダが希望すれば、ダイレクトリマッチもありえますか。

ありえる。

Q 早々にも再戦を組む可能性もありますか。

映画の予定なんかはかわらないだろうから、そんなにすぐというわけにはいかないんじゃないか。



●オーストラリアでのハーブ・ディーン人気には度肝を抜かれた。バッファーが「レフリー、ハーブ・ディーン」とアナウンスするたびに、まるで全日本での京平人気のように、いちいち大歓声があがるのだ。ディーンも満員の客席を見渡し、満更でもなさそうであった。

●観客動員56,214人はUFCレコード、ゲート収入は935万豪ドル。

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ニック・ボックウィンクル逝去



ニック・ボックウィンクルが11月15日、逝去した。80歳だった。

ボックウィンクルは1950年代にフットボールから転向してプロレス入り。1970年頃からのAWAでバーン・ガニアのライバルとしてメインイベントを飾り、AWA世界王座を何度となく獲得した、52歳の時にはカート・ヘニングと60分フルタイムドローの名勝負を演じた。近年はカリフラワーアレイクラブの会長を務めていた。

日本のファンには、ジャンボ鶴田がAWA世界王座を獲得した際の対戦相手としてなじみが深い。Figure 4.

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