天龍さん、腹一杯になりました!【オカダ戦レビュー】


オカダカズチカ def 天龍源一郎【革命終焉 2015.11.15両国国技館】



天龍は自分のプロレス人生を「腹一杯」だと表していたが、僕の目に見えたのは、この試合を見ている人、この大会に関わった人を腹一杯にしてやろうというサービス精神だけだった。

いったいどのレジェンドレスラーが、最後にわざわざ自分で舞台を作り、痛む身体にむち打って、若い選手に花を持たせるものだろう。猪木も馬場も、長州も藤波も、そんな面倒なことは誰もしていないのである。別にこんなことはしなくてもいいのだ。腰の悪い65歳は、普通は隠居して年金生活を過ごすものだ。ましてや天龍など、ちょっとしたバラエティ番組の人気者なので、悠々自適のはずなのだ。

飛べない延髄斬り、持ち上げられないパワーボム、ロープにつかまっていないと打てないチョップ。個人的には、天龍の試合をもうずいぶん長く見ておらず、足腰の状態をよく知らなかったから、こんなに悪かったんだと驚いた。それでも、技を打とうとする自分の体に走っているであろう痛みのリアリティと、試合をする以上は出し物を一通り出そうという強い意志と、それぞれの技の歴史や記憶のおかげで、不完全な動き1つ1つが、僕の目にはすさまじい必殺技のオンパレードに見えたのであった(というか、そういう風に見るのが、プロレスを見る作法だろう)。身体がピンピン動くだけの選手にはかなうはずもない境地である。

顔面蹴りを食らったオカダの眉間には、通常のプロレスではあまり目にしないような打ち傷ができていた。さて、この強烈な蹴りは、はたして「プロレスを任せたぞ」という天龍流のエールなのか、あるいは腰が痛くて力の加減ができなかっただけなのか、それともイライラした天龍が「この野郎」と憂さ晴らしの一発をお見舞いしてやったということなのか。こうして解釈が何通りにも膨らむのも、天龍という人の幅でもあり、かつある意味で作り込みの甘い昭和プロレスの味わいのひとつだろう。

かつて天龍は、自らの親分体質が、規律と効率が欠かせない経営者にはそぐわないと悟り、団体の長になることをあきらめ、生涯一職人の道を選んだともされる。だから天龍は、馬場や猪木や長州とは違い、メジャー団体で経営やマッチメークをするポジションにはついていない。もしかすると、最後の最後に天龍は、本来の自分らしい親分体質を思う存分発揮して、若い衆に腹一杯食わせてやろうと、こういう場を設けたのかもしれない。もっとも、ではこの大会が大散財の大赤字だったかと言えば、経営者としても案外と抜け目無く、ちゃっかりと利益を出していたのかもしれない。なにせこの大会は、新日本プロレスのオンラインサービスで生中継されたにもかかわらず、実況はテレ朝ではなく日テレのアナウンサーが担当していたのである。あとでジータスでも流すのだろうか。スカパー!生中継やらクローズドサーキットやらニコ動もあったわけで、どれだけマルチメディア展開なんだ、収入源がいくつあるんだという話だ。しかもこの大会のマット上には、あの「メガネスーパー」のロゴマークまでもがちゃっかりと掲載されていたのだ。

みなさんにあいさつしていきなさい、と呼ばれて出てきた天龍の娘さんが、軍手やガムテープをぶら下げたままリングインした姿には萌えた。働き者のいい娘さんだ。天龍に面と向かって「娘さんを下さい」と言える甲斐性のある男性がこの世に実在するのかどうかが気がかりだ。

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ラウジーショック場外乱闘



あのレディ・ガガが、KO負けしたロンダ・ラウジーをディスっている。

THATS WHAT YOU GET FOR NOT TOUCHING GLOVES!

The Countessさん(@ladygaga)が投稿した写真 -




「グローブタッチをしないからこうなる」

ガガはどうやら、試合前のグローブタッチを拒否したロンダのスポーツマンシップの欠如に不快感を表しているようだ。どうしてガガのような奇天烈な人が突然MMAの風紀委員になるのかは知らないが、ガガのインスタグラムには1,230万人のフォロワーがおり、よくもわるくも注目のKO劇だったということだろう。

こちらはUFC193当日の「ニールセンTwitter TV Ratings」。結果の読み方がよくわからないが、とにかくUFC193が圧勝していることがわかる。




試合前日の金曜日のGoogle検索数では、「ロンダ・ラウジー」が「パリ」と同数の1,000万件を記録。「メイウエザー vs パッキャオ」戦でも700万件だったというからすさまじい注目度だ。

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最近のダナ・ホワイト発言から



●UFC193大会前に行われたファンとのQ&Aで、UFC194でコナー・マクレガーと対戦予定のジョセ・アルドが欠場するのではないかというウワサがあることを指摘されて
「その噂については私もさっき耳にした。そんな事実はない。アルドは出場する。間違いない」

●同じくUFC193大会前に行われたファンとのQ&Aで、ロンダ・ラウジーはどれくらい現役を続けるのかについて
「ロンダには「2年計画」があるんだ。年に3試合するとすれば、あと6試合は戦うことになるだろう」

●ジョー・ローガンのポッドキャストで「アンデウソン・シウバ vs. ヴィトー・ベウフォート2」を見てみたいといわれて
「わかるよ。実際に交渉している。否定はしない。」

●ネットラジオでミーシャ・テイトが引退を検討していることについてのコメントを求められて。これもUFC193大会前の発言。
「このスポーツで、引退を考え始めたなら、引退すべきだろう。ミーシャがそう思うなら、引退するのが正解だ。多くの女子選手がタイトルをほしがるが、タイトルを持つと言うことの本当の意味をわかっていない」

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韓国大会劣化



UFN79韓国大会では、「ミルコ・クロコップ vs. アンソニー・ハミルトン」が中止になった後、メインイベンターのチアゴ・アウベスの欠場も発表された。アウベスに代わってメインイベントでベンソン・ヘンダーソンと対戦するのは、もともとキム・ドンヒュンと対戦予定だったホルヘ・マスビダル。そしてドンヒュンの対戦相手は、UFC戦績0勝1敗のドミニク・ウォーターズという選手がショートノーティスであてられることが発表された

UFCでは、欠場選手が出ると、同等かそれ以上の代役選手を補充してくることがこれまでの通例であったが、この韓国大会に関しては、選手欠場によるスターパワーの低下を補う努力がまるでみられないのは驚きだ。ほとんど放置プレーに近い。チケットがよほど売れていないのだろうか・・・



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高橋テツヤ

Author:高橋テツヤ
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