UFC196レビュー(更新)


石原夜叉坊 def ジュリアン・エロサ

ホーンと同時に石原、突っ込んでキック。解説のジョー・ローガン、イシハラはずいぶんリスクテイカーだなあとあきれたような感心したような解説。確かにそう見える。ノーリスク・ノーゲインとはいえ、石原も結構カウンターをもらっているように見えた。上位選手相手にこれで大丈夫だろうか。最後は元巨人の岡島の投球フォームのようなパンチで見事なKO劇。ローガンは石原の戦い方を「Expressive, Agressive and Effective」(表情豊か、攻撃的、効果的)と表現。前日計量からオクタゴンガールに色目を使っていた石原、「エロさ」という名前の対戦相手を倒し、最後は「I Love You, My Bitches」のメッセージで締めるという自己完結ぶりで、こんなことをしていたら男にはどんどん好かれるとは思うが、女からは引かれはしまいかと心配になりつつ、次戦も楽しみ以外の何物でもない。MMA外人記者のTweetでいっぱいの僕のタイムラインでも、これほど反応の多かった日本人ファイターは近年いない。あえていえばBitchesがBeachesに聞こえてしまったのはややいただけない。どうして急に「海が好きです」と叫んだのかなと一瞬思ってしまったからだ。

試合後の石原のコメント
「UFC初戦だからといって特に緊張はしていなかった。ケガもないのでUFC200に出して欲しい。オレのパンチはオレの性分。女をゲットするのと同じこと」





ミーシャ・テイト def ホーリー・ホルム

入場から選手コールまで、チャンピオンらしいオーラを放ちまくるホルムと、緊張を押さえ込もうと心の中で戦っているようなテイトの表情が対照的。ホルムはカリスマ性が出てきた。喧嘩屋ロンダとひと味違う「かしこ」の人の怖さがある。試合展開も、ど迫力のプレッシャーと、ハイ!ハイ!と声を上げながらの手数の多さでホルムがフィニッシュを狙いつつも判定も取ろうという流れに見えた。2Rにテイトがテイクダウンに成功、そこから絶対に立たせないテイトの意地悪攻撃は実にパワフル、しかしホルムも決めさせない。両選手それぞれのグラウンドスキルの高さがよくわかる展開だった。この2Rの終わりに会場がミーシャにスタンディング・オベーションを送っていたところは鳥肌ものだった。試合開始から会場が推していたのはホルムのように思えたのだが、この瞬間、ミーシャが完全にオーバーしたのである。こんなことはこれまでプロレスでもMMAでも見たことがない。ミーシャの何かが観客を完全につかんだのだった。このサイコロジーは研究の余地がありそうだ。フィニッシュはご存じの通り、このままホルムが判定勝ちかと思われた最終ラウンドに、テイトがまたしても窮鼠猫を噛むような逆転劇。マルース・クーネンに勝ってストライクフォースのチャンピオンになったときもそうだったけれど、追い詰められたテイトの粘り強さは半端ない。万年2位の報われぬポジションにいて、半年前には引退すら口にしていたテイトの戴冠は感動的。ちょっとドラゴン藤波的なカタルシスもあったかも。これで「テイト vs ロンダ」が早い時期に実現しすることになるだろう。


ネイト・ディアズ def コナー・マクレガー

コナーがはっきりとした技術差を見せつけ、ネイトを翻弄していたかに見えたのだが、一撃で形勢逆転、そこからコナーが転がり落ちるのは早かった。やっぱり体格差というのは埋めがたいのか、あるいはディアス兄弟を安易に巻き込むと、こういうことになるということなのか。勝ったネイトは、「なんの準備しないでいきなり戦うと一番強い人」という幻想をはらむこととなった。コナーは今回が通常体重に近かったのかもしれないが、フェザーのときのキレと神々しさがなく、なんだか中堅どころのプロレスラーみたいに見えた。面白い試合だったし、負けたエクスキューズもいくらでもたつのだが、しかし、ウエルター級5位、過去10戦で5勝5敗のネイトに勝てないのだから、もう一度ウエルターでコナーを見てみたいというニーズは暴落してしまった。ネイトが得たものより、コナーが失ったものがうんと大きい。

個人的にはコナーが勝って、それを見ていたニックが激怒、両者の因縁が高まるというストーリーを期待していたのだけれど。これでコナーの次戦はおそらく、おとなしくフェザー級に戻ってアルドもしくはエドガー相手に防衛戦を行うことになりそうだ。

ネイト、試合後のジョー・ローガンのインタビューに答えて
「ショートノーティスの試合を受けてくれたコナー・マクレガーに感謝したい」

ダナ・ホワイト、ネイトの次戦について尋ねられて
「次戦はもうないかもしれないぞ(笑)今夜ずいぶん沢山のカネを持ち帰ったからなあ」


コナー、敗戦の弁

エネルギーの使い方の能率が悪かった。同じ階級の選手なら、あれだけのパンチがあたっていたら、粉々にこわれてしまうはずなんだが、ネイトはしっかり受けきった。パンチを受けながら、あんな風に攻めてくる人がいるという事実に感服した。ネイトは冷静さを失わず、彼の打撃はオートパイロット・モードのようだった。それにくらべて自分はパニックモードになってしまった。




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高橋テツヤ

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