とんでもない大戦争! カブ・スワンソン vs. チェ・ドゥホ


マクレガー出場のUFC 205と、ロンダ出場のUFC 207に挟まれて、ただでさえ地味な印象だったUFC 206。カナダ大会だというのに期待されたGSP出場はなく、コーミエ vs. ジョンソンのメインイベントがキャンセルになり、意味のわからない暫定王者決定戦が組まれ、その上ペティスの計量失格で片羽根のタイトルマッチになったという、まさに”呪われた206”となってもおかしくなかったこの大会、終わってみればメインカードは次から次へと熱戦の連続で、ベストイベント・オブ・ザ・イヤーといっても過言ではない仕上がりとなった。


とくにチェ・ドゥホとカブ・スワンソンの一戦は、自分などだらしなくテレビの前で寝そべって見ていただけなのに、ヘトヘトになって立ち上がれなくなるすさまじい試合だった。うおおお、すごい応酬!と思っていると、その大波の第2派、第3派が次から次へと襲ってくるので息も出来ない。チェの打撃はどんなに乱闘になっても正確さを失わないのには口あんぐりだ。打たれても打たれても逆襲してくるアゴ、ちょっとおかしいのではないかと思うほど折れないハートなど、チェの良さが存分に堪能できた。他方で、優秀な若手にこれほど猛追されながら、あの手この手を繰り出して対応し、最終的には押し戻してしまうスワンソンの懐の深さもイヤと言うほど再認識させられた。


負けはしたものの、これでチェは完全にトップコンテンダーの一員としての評価を固めたことだろう。そしてこの試合のあとにまだ、「ドナルド・セラーニ対マット・ブラウン」というマッドネスと、メインのホロウェイ・ペティスが控えているのだ。これはまるでタイガーマスクにぶっ飛んだ後、まだセミの藤波、メインの猪木が控えている、あの新日黄金時代の贅沢感と満腹感である。セミとメインも十分にいい試合だったのだが、チェ・スワンソン戦がすごすぎて、セミとメインを食ってしまったのは痛し痒しだった。


思うのだけれど、ズッファ時代のダナ・ホワイトなら、チェとスワンソンの試合を見て「こいつらに島を買ってやる」などとはしゃいでくれたはずだが、最近はもう自分のカネでもないからなのか、そんなことも言わなくなってしまったのは寂しい限りだ。お気に入りの試合に弾んでいたとされる主観あふれるロッカールーム・ボーナスの習慣は、まだ残っているのだろうか。大事なことだと思うのだけれど。


アーリー・プレリムで行われたランド・バナッタ(UFCデビュー戦でトニー・ファーガソンをKO寸前まで追い込んだ男だ)のクレイジーな回し蹴り一閃KO劇も、未見の方は是非ともチェックされたい。あまりにも優雅な殺人シーンをみているようだ。

大会後記者会見でカブ・スワンソン

あまりにもカオスで、試合のことは覚えていないんだ。みんながいい試合だったと言ってくれるから、きっとそうなんだろう。

チェのダメージの回復の早さには驚いた。ハートも強い。これからも彼のファンでいようと思う。

ランドの快勝は嬉しい。彼のすごさは、オレはもう4年も言い続けていたんだ。せっかくもらったパフォーマンス・ボーナスを彼が無駄使いしてしまわないように、ちゃんとアドバイスしてやろうと思ってる。(ランド・バナッタとスワンソンはジャクソン・ウィンケルジョンのチームメイト同士)


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