『2011年の棚橋弘至と中邑真輔』感想


『2011年の棚橋弘至と中邑真輔』を読んだ。まるでNHKが表面だけなぞって作った棚橋の公式ドキュメンタリー番組のような読後感だった。あまりにも「正史」すぎて退屈だし、論の運びも分かりやす過ぎて、逆に何度も身構えてしまった。僕の中には、この人の本ならとりあえず読んでおこう、という信頼の柳沢ブランドがあったのだけれども、今回に関しては期待に応えてくれなかった。

それはともかく、僕はこの本を読んでいてハタと思い当たることがあった。というのも、子どもの頃からプロレスファンだった自分が、いったん熱が大きく冷めた時期がありつつ、今の新日本プロレスは実はなかなかに楽しんでいるという現状があるのだけれど、この熱が冷めていた時期が、棚橋大エース時代にぴったり重なるのである。僕の熱が冷めていたのは、どうやら単に棚橋がイヤだっただけなのではないかと振り返ると案外合点がいくのである。

この本を読んでいてもそのことは再確認できる。棚橋の言っていることは、正しい正しくないではなく(いや、おそらくは退屈なまでに正しいからこそ)ピンと来ない。ビッグネームのプロレスラーなのに、こんなにも共感できない人がかつていただろうかという意味では、まさに100年に1人の破壊力(のなさ)である。

今日現在でも僕は、あのエアギターのパフォーマンスを見ると、この人はいったい何をしているのだろう、とか、ずいぶん真面目に働いているなあ、というメタ視線に強引に連れ戻されてしまい、たちまち「こんなものは他人事、絵空事である」と酔いが醒めてしまったり、ピンと来なくなるのである。この人の場合、Disbeliefが格別にSuspendされないのだ。こちらだってもう大人なのだから、こんなもの、覚めた目で見てしまうと、たまったものではない。ひょっとすると棚橋自身が極端に醒めた人だからなのではないか、という気もするが、単にこちらの趣味の問題なのかもしれない。ま、趣味なんで、許してほしい。

思えば、この本の印象と棚橋自身の印象とは、とても見事に照応しているのであった。だからきっと、逆に棚橋ファンにはこたえられない一冊なのかもしれないとは思う。知らんけど。



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Meet the mother of two and accidental MMA fighter who lost 150 pounds during undefeated run (MMAjunkie)

35歳の女子MMAファイター、Olivia Parkerの紹介記事。教員として働き、2人の子どもを育てながら、32歳の時に格闘技にはまる。当時の体重は325パウンド、現在は大減量して185パウンドで戦っており、アマ戦績5勝0敗をあげて、プロデビューを狙っている。”大減量の戦う母親”として地元テネシー州では有名人だとか。ギャビの好敵手にしか見えない。


Today in MMA history: Julie Kedzie remembers the night she fought Gina Carano in a women's MMA milestone (MMA Junkie)

翻訳する余力はないが、これはすばらしい記事。2007年、米国のメジャーテレビに初めて乗った女子MMA戦でジーナ・カラーノと戦い敗れたジュリー・ケッジー本人による、このレジェンドマッチの裏話。ケッジーは現在、インビクタの解説をしたり、格闘技ライターとして活動している。


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プロフィール

高橋テツヤ

格闘技とプロレス、海外とニッポン、スポーツとエンターテインメント、勝者と敗者の際を究めて極めたい、プロレス・格闘技を愛するライター・翻訳者。

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