北岡優勝、五味無情、時代は動くか【戦極6】


戦極第六陣(2008.11.1さいたまスーパーアリーナ)をPPVで観戦しました。

セルゲイ・ゴリアエフ def 五味隆典 (スプリットデシジョン)
リーチの長いゴリアエフのジャブは避けがたく、難儀した五味は打ち合いを避け、1R後半には久しぶりにテイクダウンからパウンド、腕十字を仕掛ける場面も見られた。2R、頭を振ってカウンターを避ける対策を練って五味が打撃を打ち込んでいたところ、上半身と下半身を捻りすぎたのか、なんといわゆる「パトリック・コーテ現象」というか、藤波だったか越中だったかの空足現象がまたも出現、大きくバランスを崩したところにストレートを食らって揺らされる。何とか虐殺を凌いだ五味。3Rはどことなくふらつく身体のまま、鬼の形相の大振りのパンチでゴリアエフを追い詰めるものの、判定はなんとゴリアエフ。唖然悄然。確かにダメージは五味に多かったものの、それこそ魔裟斗のような気迫でカムバックして追い上げ、一点追加みたいな気もしたし、グラウンドでのコントロール・打撃の手数とも五味が上回っていたようにも見えたけど。

ビジネス的には、このプロモーターはこの試合内容とこの試合文脈で、よく五味敗退のジャッジを出すなあ、との驚きは禁じ得ない。変なところ潔癖だな。まあ悪いことじゃあないけど。

五味の試合はやっぱり面白い。最近の試合は、もしや負けるんじゃないか、という色気が出てきた。試合中に必ず、なるほどねという戦術を見せてくれるのも頼もしい。クドクドとマイクアピールなんかしなくても、試合だけで十分に雄弁だ。ここでの負けというのはシナリオ的には痛いけれども、気分的にはロード・トゥ・五味は生きていると考えて問題ないと思う。というか、ロード・トゥ・ゴリアエフでは仕方ない。でも彼の足って、奇妙に細いよね。前回スーファン戦後も足を引きずっていたし、慢性的に悪くてあんまり鍛えられていないのではないか。北岡に捻られたらかなり危なそう。もっとも仮に北岡に負けるとしても、「顔」はまだまだ北岡の比じゃありません。10年早い。

それにしても前回大会のモーのブレイクといい、今回のこのゴリアエフさんといい、マッチメーク上のウィーケスト・リンクが決まって、企画者の思い通りにならないのは不思議。やはり安易なことは慎まないといけないと言うことか。


●中村 def 佐々木
個人的には中村の試合がすっかり苦手になってしまった。なんだか、ひどくつまらない。堅いUFCの選手のような試合になってしまっている。PRIDEでバンダレイに勇敢に攻め込んでいた、可愛かったあの頃が懐かしい。

●横田 def 廣田
前回大会を見る限り、廣田が勝つと思ったなあ。でも今回は横田の動きがとてもよかった。縦横無尽でトリッキーな横田に対し、廣田は芸の少ないボクサーに見えた。

●北岡 def 光岡
これはすごい。どんな障害があってもジャイアンのように我が道を驀進、またもや潜ってからの足関で秒殺
!押さえ込みも強いなあー。表情なんかが子供だましなのは依然として気にくわないが、選手としてユニークであることは貴重。

●リザーブマッチ
トーナメント勝者に怪我がないことが分かり切った上で実施されたリザーブマッチ。郷野は選手のモチベーションの心配をしていたけど、見る方のことも心配してくれ。かりにトーナメント勝者に怪我人がいたとしたら、非常にテンションの上がる試合順ではあるのだが、まあ、やっぱり前座で試合をして、漁夫の利があるかもしれない期待しつつ見るというのが、やはり妥当だろう。

●ホジェリオ def リンボン
前回アフリクションではバッチリKOをとったホジェリオ、なんだかんだでコンスタントに試合はしてきているので、調子は悪くないだろうと思ったが、リンボンのあまりにディフェンシブな試合運びにはとどめを刺せず。どうせ負けるにしても、こんな負け方ではリンボンにとっても何のトクもないと思うのだが。

●モー def ファビオ・シウバ
シウバ、ちょっとふっくらしている。試合を通して、モーがタックルからパウンドという展開。テイクダウンは上手いし、パウンドも的確かつ残忍。実はモーにはそれ以外に手がないようにも見えたが、ファビオにはもっと手がなかった。駄目人間キャラのモーが早くも懐かしい。普通に強いアスリートだ。ジェイソン、楽しんでる?

●北岡 def 横田
判定にもつれこんだが、試合自体は捕まえようとする北岡に対し、逃げようとする横田という構図であった。北岡は自分が何をしているのか、とてもよく分かっている感じ。自分なりの世界観が出来上がっている。だから、このスタイルで五味まで下してしまうと、戦極で証明することは何もなくなってしまい、当然に、他の舞台、上の舞台を目指したくなるだろう。他方で五味に潰された場合には、その強固な世界観が崩れ落ちてしまい、再構築には時間が掛かりそうだという、そういうタイプの人に見える。

強いが故にもろい人に見えるのだ。実はそれってわりに、普通の人なのだ。

個人的には Fight of the Night は五味の試合、KO賞はモー、サブミッション賞は光岡のヒールを捻った北岡。

正月大会開催の正式アナウンスはあったが、カードや柔道選手参戦などの話は一切無かった。泉という選手が挨拶だけでも出てくるかと思ったが。

予想以上の長時間興行となったため、ミドル級決勝戦終了後に、放送終了時刻が到来、メインイベントを残してチューナーもHDレコーダも一旦OFFになった。ボクはたまたまそのときテレビの前にいたので、チューナーを付け直して、メインイベントのライト級決勝戦の映像を見ることが出来た。HDレコーダの録画ボタンも押し直したが、「コピープロテクションを感知したので録画を終了します」といって受け付けてくれない。そして生映像の方も、北岡が勝利のマイクを握ったところで終了。スカパー!が直接的に悪いわけではないけど、どうせ無料のプロモ番組をつぶして延長しているのだから、せめてコピープロテクションは外して放送して欲しかったと思う。

以前も武士道グランプリの超ロングラン興行で、メインイベントだけが録画されていないことがあった。そのときには、スカパー!に電話して低姿勢で苦情を言うと、再放送を一回分、タダで見せてくれた。そう言うサービスがマニュアル化されているように感じたので、気力のある方は頑張ってみてはどうか。今回はわしゃもう疲れた。スカパー!の役所よりひどいカスタマーサービスとやりとりする気力もないし。

試合経過時間を示す時計が画面に頑固に出ていないし、セコンドや場内アナウンスの声が大きすぎて解説者の声がロクに聞き取れないのも相変わらずだ。予期せぬ時間延長と合わせて、PPVを購入している人に罪は何もないんだから、主催者には配慮猛省願いたい。ちなみにDREAMのPPVはふつう6時間取ってある。

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