エンペラーのファインプレー【石井プロ宣言】


石井、プロ転向を正式表明=柔道王者から総合格闘技へ(時事通信)
「心の中ではモビルスーツ」と“石井節”(産経新聞)
柔道 石井プロ宣言…「総合格闘技が一番強い」と意気込み(毎日新聞)

今日は多少、昼間のワイドショーのようなものも目にしたのだが、石井の動向を実に克明に追いかけ、スタジオでよってたかってコメントを付けているのであった。まんまと国民的関心事となっている。ボクが見た範囲では報道内容も、本人が決めたことなら・・・という好意的なもので、「総合」も石井が挑戦するのにふさわしい競技、という扱いだし、真っ昼間からヒョードルやノゲイラ、小川や吉田の名前が飛び交う不思議な状態となっていた。

改めて思ったのは、今日繰り返し流されたであろう、天皇陛下と石井の会話について、天皇の質問の流れ・ワードチョイスが、なんと無駄なくポイントを突いたものかということである。あの会話のおかげで、石井転身問題はこういう風に受け止めるべきですよと言う共通認識が出来上がったように思う。結果的に石井は、なんと天皇に承認されて、大ベビーフェイスとして総合に転身して来ることになった。全柔連とはグダグダの一幕も見せてしまったが、これで一気に丸く収まった。このハコビが意図的なのだとしたら、FEGは素晴らしい仕事をした。

それにしても、ああして一人一人に的確に声を掛けて回っているのかと思うと、天皇やスタッフの仕事ぶりには頭が下がる。天皇は総合をお好きに違いないなどと早合点しているブログも見た。天皇は立場的に趣味趣向は明らかにはしないし、石井だけにタイムリーな話題を振るわけがないのであるが、そう思わせる仕事ぶりは素晴らしい。

Kamiproに石井記者会見全文。ナイス。もう少しなにかサプライズがあるのかと思いました。

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Pat Miletich to headline next Adrenaline MMA show on Dec. 11 vs. Thomas Denny (Five Ounces of Pain)

モンテ・コックスが主催するアドレナリンがようやく第二回興行を発表。12月11日、地元イリノイ州のモーリーンで開催、メインカードは、最近では名伯楽のイメージしかない初代UFCミドル級王者、パット・ミレティッチが、7月のCBS/エリート大会でのニック・ディアス戦で名を売ったトーマス・デニーと対戦。ミレティッチは2年ぶりの試合、前回は2006年9月にIFLでヘンゾ・グレイシーに負けています。このほかベン・ロスウェルも参戦予定。

やはりエリート崩壊で溢れてきた地上波経験選手が、ローカルプロモーションでヘッドラインと務めるというトレンドが現実化してきました。アドレナリンなんかには追い風になるのでしょう。

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望月竜介が引退 10.17後楽園で山内に敗れ=全日本キック(スポナビ)
ええっ、そうだったんですか。望月が勝利したときに流れる「Uのテーマ」は聞くことはもうないのか。

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先日の記事でエリートXC崩壊経緯と展望をまとめた。さて、みなさんはエリート倒産をどんな風に捉えておられるか。

僕自身は、色んな記事を眺めてみて、なんと言っても失敗要因は経営の未熟だという風に理解している。CBSはセス・ペトルゼリ事件をきっかけに生命維持装置のスイッチを切ったと言われているし、それはそうなんだろうと思うけれど、この事件が無くてもあの財務状態では早晩、なんらかの結末を迎えるはずであったし、セス事件など、ちょうどいい理由を与えてしまっただけのように思う。世界のプロモーターをたくさんのお金を使って買収しておいて結局何もしなかったということ、能力基準ではなく縁故で、つまりゲイリー・ショーの息子を重役に任命してしまったことなどが、どうやら大きな倒産要因であるようだ。

たとえば、キンボという戦えない選手を軸に、格闘技プロモーションを展開することの無理やりさを指摘する向きがある。キンボをアスリートとして売り出すことには確かに無理があるが、おそらく光の当て方というのは他にもあったはずだ。キンボのパーソナリティはまるで伝わってきていない。プロモーションがうまくないのである。

いくつかのニュースサイトでは、設立記者会見当時からゲーリー・ショーが、寝技の15秒制限の導入を示唆していたことを明らかにしている。そういうものをMMAと呼ぶのかどうかは分からないが、それならそれで、エリートはスタンド重視の団体です、キンボの試合はスタンドルールですと発表しておけば事足りた。ちょっとしたことを安易に取り繕う体質がつもりにつもった、という感じが否めない。


で、エリートXCは失敗であったか。これはそう簡単な問題ではない。もちろん、株主や債権者や取引先に打撃を与えたこと、多くの選手がしばらく失業することが良いことだとはとても言えない。が、何百万もの人にMMAを知らしめ、市民権を高め、何人かのすぐれたスター選手を輩出したのも事実。これからエリートの遺産分けが始まるが、良い選手、良いスタッフは、やっぱりそれぞれ然るべき新天地に収まるであろう。もちろん振り落とされる人もいるだろうが、拾う神もまた現れるだろう。未熟な経営者が淘汰されるのも、全体としては好ましい。3年後には、他団体で大活躍したり、別の仕事で成功したりして、あのときエリートが潰れてよかった、と思う人もたくさん出てくる。もちろん、不遇に墜ちていく人もいる。というわけで、成功・失敗は、けして一元的・短期的には評価できない。業界の中で功も罪も流転していくのだろうし、究極的には一人一人のライフストーリーに還元されていく。ちょうどPRIDEのように。

だから、そら見ろエリートが潰れた、何事も大振りは良くない、やはり継続だけがプロモーション経営の命だ、というシンプルな議論には余り与したくない。地道な継続はもちろん必要不可欠ではある。ただ失礼ながら、たとえばKamipro最新号の若林さんのインタビューを読んでいると、これはこれで、けして健康的で楽しい考え方には見えない。いくつかの発言は、ほとんどお局様に近い気さえする。

気楽な部外者の戯言と笑われるだろうが、実のところ、こういうことは別にMMAだけの話でも無かろう。サラリーマンにとっても安定や継続は大切に守るべきものだが、そればかりでは誠につまらないし、出世もしない。ちっぽけであってもリスクは取らないと仕方ない。失敗したら、そこからプラスに転じていこう、これ以外にないではないか。もう少し、失敗した人に寛容な世の中ならいいのになあ、とは思うけれど。

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