悲しきバッドボーイの栄光と転落【バタハリ人間劇場】

 才能はあるが悪童でならしてきた男が、改心したかのように優等生になり、すばらしい業績をあげ続けながら、最後の最後で本能を露呈し、手に入れたものを取りこぼしてしまう。悲しいほど昔の自分に戻ってしまう。そして女を泣かす。

スポーツとしてみれば反則を賛美するわけにはいかないが、ヒューマンドラマとしては出来過ぎの、バッドボーイのまぶしすぎる成長と、いきなりの破綻と転落であった。あいつはまだまだ精神的に弱いな(世間)。やっぱりあなたは悪い人だったのね(最愛の女)。老かいなベテランを変革パワーで圧倒し、魔裟斗もお手上げの大逆転の名勝負まで演じながら、一番頂点から一気に自滅転落するのだから、こんな衝撃ドラマ、いったい誰に書くことが出来ようか。裏切られることへの陶酔。意外すぎる投げっぱなしの結論。不謹慎ながら酔いしれた。これを単に悪いことだと切り捨てるのはもったいなさ過ぎる。君には覚えがないか?これも男子の一つの現実ではないか。男ならここからどう立ち上がる?

だってさあ、我々はどこかで、いい子になったバダハリをタイクツだとは思っていなかったか?

それにしてもバダハリの言うとおりだ。君の試合を見た今では、たしかにMMAなんか、男同士て抱き合ってるだけだ。個人的には Dynamite! にMMAで参戦してくれれば大歓迎だ。ただし制裁マッチ。秋山ではどうか。ワルの始末はワルがする。ムサシは二人いても別段困らないが、本物のワルは一人で十分。そのあとは世間が許してくれるまで、前田アウトサイダーにでも出向して鍛え直してもらえ。そして禊ぎが済んだら、レミーとの一大グラッジマッチで、再び魅せてほしい。

ちなみに、世間は冷たいかもしれないが、谷川さんはわかっている。「やっぱり彼はヒールだったのね」、と発言しているのだ!しばらく追放するなら、こんな新しい役割の定義なんかするわけないだろ。

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二人連続で骨折させたといわれたレミーの復調ぶりもすばらしかった。どこのトーナメントをどうやって勝ち抜いてきたのか、さっぱり記憶にないジマーマンは、エロジマンというキャッチーなニックネームとともに、突然メインプレイヤーの一人として脳裏に焼き付けられた。ニックネームのせいで強くなったような気さえする。ローキックしかないと思われたグーカン・サキも、予想外にバラエティある動きを見せてくれた。勝ち抜いた人がちゃんと強いという、非常に説得力のあるトーナメントでもあった。

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角田レフリーはまるで、出ると何かが必ず起きる山本小鉄だ。いったんのイエロー裁定のあと、なにもしていないのにレッドに変わるのは合理性はあるのかとか、「K-1のスポーツ精神に則ってレミーの勝ち」というのはいいとしてもルール的にはどうなんだろうとか、そんなことをキンボ・スライスはアメリカの視聴者にどう伝えたのだろうかとか、角田さんの英語の説明はバダハリに通じているのだろうかとか、細かいことは気になったけれども、とりあえず毅然としているのはさすがである。角田さんがそういうなら、それでいいではないかという、気持ちよくだまされた気分にはなる。例によって一部炎上があるかもしれないし、角田さんの逆ギレも見られるかもしれない(笑)。今日は誰もリングにものを投げ込まなかったのかな?

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放送席の西山まきちゃんが号泣していたことについては、SRSを見続けていたようなファンにとってはパッと腑に落ちるけれども、あれって一般視聴者からすれば、何で泣いてるの?バダハリとつきあってんの?とか思われないかな。

ま、そういう誤解がきっかけで、あの子は何で泣いてたの、という会話があちこちであったとしたらすばらしい。

栄誉と名声を目指すサクセスストーリーと成長ストーリー、変革ストーリーに、人によっては恋愛ストーリーまで織り込んだ重層的なドラマ構造を持っていて、直前のエロジマンとの超名勝負ふくめ、バダハリの歴史が全部前振りに効いていて、しかもそれが予定不調和のうちに一旦の結末を迎え、かつ続編にむけての尻尾を残しているという、ほんとにレッスルマニアでも描ききれないような、仮に描けても演じきれないような、返す返すもドラマがありました。

極上の猪木プロレスの後味に近いですね。おもしろかったなあ。続きが見たい。あっ、このブログは何でもプロレス風に見るのが趣旨ですのでそこはご了承を。なにも反則がいいことだと言ってません。スポーツとしての評価はまるで別の話。

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