PRIDE勇士たちの苦闘劇【UFC92】




●フランク・ミア def アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ 2R1分54秒TKO
フランク・ミアというのはこういう選手だったかなと目を疑うすばらしいパフォーマンスだった。強い。それにしても悲しいのはノゲイラの闘いぶり。ノゲイラにも五輪級のボクシング・テクニックがあるはずなのに、まるで漫画みたいに切れのいいミアのリードアッパーカットから左フックを繰り返しまともに食らっていた。アッパーカットを何度も食らうというのは、あんまり見たことがないんだけど、なにかテクニカルあるいはタクティカルに必然的なことなんでしょうか。とにかく全体を通して、あのノゲイラが、何かを出来る人に見えなかったのである。パンプアップされたミアの体と比べると、緩んでいるようにも見えた。敗戦後のノゲイラはとても悲しそうな顔をしていた。

ミアが強い勝ち方をし、勝った直後にレスナーを挑発した。レスナーも再選でリベンジしたい気持ちは強いだろう。ヘビー級統一選、非常に楽しみになった。


●クイントン・ランページ・ジャクソン def ヴァンダレイ・シウバ 1R3分21秒TKO
シウバもノゲイラも、まだ32歳だという事実には結構驚く。日本で長く戦ってきたから、我々の目には40近い大ベテランに見えるし、実際、年老いた顔をしているように思う。PRIDEの選手は弱いとか、UFCの方が強いとか、そういうことではなくて、やっぱりPRIDEでの過酷な闘いの爪痕が出てきているのではないか、という気がしてならない。ミルコや桜庭もそうである。シウバの動きはそんなに悪くないようにも思うが、UFCではなんと1勝2敗と星がつかない。PRIDEでも最後の二試合は負けているので(ミルコ、ダンヘン)、最近5試合で1勝4敗である。


●ラシャド・エバンス def フォレスト・グリフィン 3R2分46秒TKO
すさまじい緊張感のある打撃の攻防だった。隙がないのに攻撃的。どれだけ集中力あるんだ。試合に充満するエネルギーレベルは、この日の試合の中でも段違いに高くて濃密だ。最初の2Rは、打撃をうまく散らしているグリフィンが、エバンスのラッシングパワーをおおむねコントロールしていたように思う。体格でも勝り、スタミナ無尽蔵、打たれ強いフォレストがどんどん有利になっていくのか、と思っていた矢先のパウンド大虐殺。見終わった後はこっちまで体温が上がり、ぐったり疲れた。


●岡見 def ディーン・リスター 3R終了判定
米MMAサイトでよく見る岡見の評価は「ニュートラライザー」。相手をニュートラルにしてしまう、良さを潰す人という意味だと思うんだけど、この試合はまさにそんな感じで、パーフェクトな判定勝ちであったことは確かだし、まちがいなく強いんだろうし、リスターに責任の大半はあるんだろうけど、おもしろい試合だったかというとそうでもない。過去10試合で9勝1敗という驚異的な勝率で、ミドル級のトップコンテンダーの一人だというのに、前座試合に甘んじざるを得ないところにマッチメーカーの評価は表れているし、その評価を覆すことが出来なかったのは痛すぎる。今後の処遇が心配になる。

全体的に、アップセットあり、衝撃のKOあり、スリリングな展開ありで、さすがの内容の大会だった。おもしろいし満腹感もある。こりゃかなわん。


恒例の三賞
●Fight of the Night
ラシャド・エバンス vs フォレスト・グリフィン
●KO of the Night
クイントン・ランページ・ジャクソン
●Submission of the Night
該当無し

3選手にボーナス6万ドル。

‘Rampage’ Eyes Griffin Rematch, Not Title Shot (Sherdog)
HAVING GIVEN UP, MIR CREDITS FAMILY FOR RETURN (MMA Weekly)

ランページ・ジャクソン
「もちろんタイトルは取り戻したい。でも正直言って、まずはフォレストにリベンジしたい。夜眠る時いつも頭を悩ませ、悪い夢に出てくるのは、あの試合なんだ。先にフォレストとやらせてほしい」(これにより、エバンスの最初の防衛戦の対戦相手はリョートが有力に)

ラシャド・エバンス
「フォレストのガードは緩かった。彼は打たせてくれた。で、ずっと笑ってるんだ。効いているのか、ふりをしているのかわからなかった。フォレストはタフだ。パンチを受け続けるんだ」

フランク・ミア
(練習環境を変え、ボクシングコーチを雇い、柔術はロバート・ドライスデールやダミアン・マイアに教えを請うた)「2年前ならこういうことはできなかった。エゴが大きすぎたしね。今は、そんな風じゃ駄目だとわかる。」
「オクタゴンに入る前、怖かったのは相手じゃない。自分が疲れてしまうのではないかという不安だった。試合が2分で終わらなければ、ひどい目に遭うだろうと思っていた。でも今夜、10ラウンドでも戦えると思った。どのポジションでも負ける気がしなかった。精神的にがらっと変わった」

【UFC92】エヴァンスが現代MMAの最高峰へ、ノゲイラ&シウバは完敗

Figure4Online より。メインイベント級の三試合の結果が出たことを受けて、UFCの今後のマッチメイクが回り出しそうだ。ミアとレスナーのヘビー級王座統一戦は4月か5月、たぶん4月のモントリオール大会。3月大会でチャック・リデルをメインイベンターにするという計画は、バンダレイのKO負けで組み直しになりそう。1月大会で勝てばショーグン vs リデルになるかも。クートゥア対ノゲイラも組まれる見込み。


SATOSHI ISHII STARTS EXCLUSIVE NEGOTIATIONS WITH UFC (UFC公式)

UFCが石井慧との独占交渉権を得たとプレスリリース。
報道では石井は「ダナさんの言うとおり、TUFからはじめても良い」等と発言するなど、オクタゴンにメロメロの模様。石井がそのうちラシャドやフォレストと戦うのかと思うと、それはすごいことだなあと思うし、見た目よりもしたたかだろうとは思うんだけど、独占交渉権を与えるというのは石井にとって何かメリットはあるのかな。UFCに行きたいのなら普通に交渉すればいいこと。いい処遇してくれないならDREAMに行きますよって、交渉材料にしようとか思わないのかな。

これでUFC側が気分良く、石井に手厚いプロモーションをしてくれることを願いたいもの。

*****

レスリング・オブザーバ12月29日号より。今年のビッグ・イベント・ベスト10(観客数)は次の通りでした。

1位 74,635 - 3/30 WWE Wrestlemania 24 Floyd Mayweather vs. Big Show
2位 25,000 - 12/31/07 FEG Osaka Kyocera Dome Dynamite!2007
3位 21,397 - 4/29 FEG Saitama Super Arena DREAM2 ミドル級GP開幕戦
4位 21,390* - 4/19 UFC Montreal Georges St. Pierre vs. Matt Serra
5位 20,923 - 9/23 FEG Saitama DREAM6 ミドル級GP決勝戦
6位 20,000 - 12/31/07 FEG Saitama Super Arena やれんのか!大晦日2007
7位 20,000* - 4/26 FEG K-1 WORLD GP 2008 IN AMSTERDAM -EUROPE GP FINAL- Remy Bonjasky vs. Melvin Manhoef
8位 20,000* - 5/3 CMLL Mexico City (Mistico & Shocker & Marco Corleone vs. Perro Aguayo Jr. & El Terrible & Damian 666)
9位 20,000* - 5/4 AAA Mexico City ( Chessman & Charly Manson& La Parka vs. Konnan & Zorro & Electroshock)
10位 19,068* - 8/23 WWE Madison Square Garden Raw Live C.M. Punk vs. JBL cage match

1万人以上のイベントでメインをはった場数の多かった選手ベスト3

1位 ミスティコ 51回
2位 HHH 16回
3位 ウルティモ・ゲレロ、ペロ・アグアーヨJr、ヘクター・ガルザ 13回

統計の取り方のせいなのか、メキシコ系が多いです日本人では鈴木健想が7位に入っていますよ。客入りに関しては、DREAMでは意外にミドル級GPの方が良かったみたいですね。

そのほか、今号のオブザーバは年内最終号ということで、いろんなデータが載っていますが、丸写しするしかないので申し訳なく、この辺にしておく。集計期間は2007年12月から2008年11月末までとなっている。


スポンサーサイト

毎週更新!

Ad

Ad

MMA Update