田上流でいいのだ

GリングVol.3でのドラゴン・キッド選手のインタビューに印象的な言葉がありました。

僕のコスチュームには「デジャヴ」と「ジャメヴ」という言葉が書いてあるんです。デジャヴというのは、実際には一度も体験したことないのに既にどこかで体験したことのように感じることで、ジャメヴはその反対の言葉で、見慣れたものが未知なるものに感じられること。

だから今回はジャメヴ的な変わり方をしたかった。



普段から余程よく考えていないと出てこない考え方だし、考え方を言葉に出来るというのも素晴らしいですね。プロなんだなあ。ジャメヴという言葉、勉強させていただきました。

プロレスは基本的にはデジャヴのエンターテインメントだと思うんですよ。記憶やイメージを総動員して楽しむ。だから全くの初心者には見えないことが、古いファンには見えたりする。

そうではなくて、見る人の記憶やイメージにないことをする、あるいは、イメージの思いもよらぬつなぎ方をする、と言う。これはもう、クリエイターの仕事ですよ。そうなってくると、プロレスファンなんてウザイんじゃない?

昨年はハヤブサと音楽活動もしていたようです。公式ホームページはこちら。

ハヤブサ&ドラゴン・キッド オフィシャルサイト

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SAMURAIの「やれたのか!」を見ました。「やれんのか!大晦日2007」のバックステージ風景を編集した番組です。見えない道場本舗さんが試合後の三崎の様子を記録しておられましたね。

いやあ、舞台裏とはいえ、見応えのある番組でした。選手が入場ゲートの裏で、自分の煽りVを見上げながら入場を待つ。いよいよ自分の入場テーマ曲が流れる。ゴンドラみたいなものに乗ると、スイッチが入って、グイーンと持ち上げられるわけです。客から見れば、選手がせり上がってくる風景ね。

このエレベーターが動き出したときの選手の気持ちを思うと、ただごとではないなあと思いましたね。それまではチームメートなんかも回りにいて、最後まで緊張をほぐすようにおしゃべりをしたりしているわけです。あと、入場しちゃえば、やっぱりチームメートと一緒に花道を歩けるわけだ。でもゴンドラに乗るのは選手一人。グイーンと動き出せば、もう後戻りは出来ないというか、まな板の鯉というか、やるしかないというか。で、上がりきったところに広がる大観衆。耳をつんざく大歓声。世界が一変。あそこに乗るのが怖いわ。せり上がっていく途中、選手は何を思うんだろう。もっと練習できたのではないか、やられてしまうのではないか、おしっこにもう一度行っておけば良かった。とにかく三崎にただごとではないスイッチが入ってく様子が分かるし(花道では泣いてましたからね)、ヒョードルも表情が一変してたよなあ。

で、秋山の身になってみれば、ここでものすごいブーイングを食らうわけですな。よく心が折れないよなあ。平然と、いつも通りのルーティンで音楽に合わせて小走りでジャンプイン。だいたい入場前のゲート裏で、ひとりでヘンテコな側転を繰り返しているのは、何の意味があるのだろう。試合後のコメントで三崎は、「動物的で怖い。危険を感じた」。人間ですらないんだ・・・秋山のこの「理解できない」度の高さは、見れば見るほど素晴らしい。怖いので直接お話はしたくないけど、遠くからしっかりと見ていたいなあ。

あと、強い人、結果を出した人ほど、試合前には厳しい緊張感に襲われているように見えたのが印象的でした。勝負事ってそういうことなんでしょうか。まあそれにしても、なんか、有り難い気持ちになりましたよ。あの大晦日、僕なんかこたつでウトウトDynamite!を見ていただけなのに。

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20日後楽園ホールで行われたNOAHの田上20周年記念試合をG+の録画で見ました。試合はどうでもよろしい。試合前に一足早く入場した田上は、いつもより髪型がきまっていて、どうらんでも塗っているかのような上気した顔色で(ホントにメイクしてたのかもね)、営業スマイルを全面に打ち出しながら、たくさんの花束を受け取っていました。なんかいいなあ、60年代のムービースターみたいな風情なんですよねえ。意味がわからんくらいだ。

で、大半は全く知らない方々・一般人・おっさんばかりが花束を渡しに続々リングイン。レスラー仲間はカブキ一人。こんな風景も、田上の20年を多少なりとも物語っているのかもしれない。まるで想像に過ぎないけれど、オフに田上が他団体の選手と交流して練習や情報交換している姿は余り思い浮かばないけど、地元でタニマチと飲んだり、仲間と趣味の釣りに興じている姿は非常に思い浮かびやすい。

試合後には珍しくマイクをとって、「20年もやっちゃった。でも、もうちょっと頑張ります。またノアに来てください」としわがれ声でシンプルに挨拶。たったそれだけの挨拶でも、会場に漂う「よく言った!」感。昔の全日本の香りがプンプン。ハッスルが何だ。総合格闘技って何だ?田上の「普通の人」力、「スローライフ力」に酔ってしまって、これでいいのだと納得してしまうようなシーンでした。

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そして全日本の香りつながりでこんなニュースも。

あの名調子が帰ってくる! 若林アナが3.1両国大会を実況=全日本プロレス

ピンと来るのはノアの方だけどね。カードは、健介と小島の三冠戦、中島が復帰してシルバーキングと再戦だそうです。若林さんはハッスルも楽に対応出来ると思います。

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【やれんのか!】裁定覆る!三崎和雄VS秋山成勲はノーコンテスト!(GBR)

三崎和雄vs.シアー・バハドゥルザダなど2試合が追加決定=3.5戦極 (スポーツナビ)

判定が覆ったことについては、当ブログの意見は「妥当」。
四点ポイントへの攻撃は違反であると定義した上で試合してるわけだし、ビデオを見れば、形式的には四点ポイントの状態にあったとしか言いようがない。
そのもともとのルールに、競技的にどれくらいの意味があるのかな、という疑問はたしかにある。でもそれは後で言っても意味がない。
流れの中の出来事、というのは、心情的には理解できても、説明にならない。ほとんどのアクシデントや反則は、余程のことがない限り、流れの中の出来事だろう。

こんなの、気分的におもしろくない!と思う人は、では仮にあのキックを出したのが秋山の方だったら、秋山のKO勝ちということでいいですか、という話だよね。次に起こりうるよ。

ただルールというのは形式を問うているのであって、そんなことよりもっと大切なのは、だからといってあの試合のすばらしさに変わりがあるわけではない、ということですね。

さらにビジネス的に言えば、疑惑なままで放っておくのが正解だったかも・・・この判定が何の役に立つんだろう・・・

明日秋山が記者会見をするそうで・・・何を話す必要があるのだろう・・・普通に考えれば、ちょっと落ちた相手を持ち上げて、スポーツマンらしくノーサイドを印象づけたりするんだろうけど、今回の裁定で、例の三崎の説教に突っ込める立場になったのが恐ろしい。服装、表情含め要チェックだ。

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