GSP 退屈なまでの圧倒【UFC94】


ジョルジュ・サンピエール def BJ・ペン
(4R終了TKO)
まったくもってGSPの圧倒的な勝利だった。あんなに違いがあるとは夢にも思わなかった。大虐殺があり、ものすごい忍耐ののちに大逆襲があるという、一般的なイメージの死闘ではないため、一見アンチ・クライマックスにも見えたが、それでもBJがどんどんすり減っていく様子が伝わってきて、もう止めてくれと目を覆いたくなるシーンもあった。

GSPの試合ぶりは、サイエンティフィックを究めてアーティスティックな領域に至っているように見える。BJも凄い選手であることに異存はないが、別クラスという風に見えるのだ。強すぎてGSPのことが嫌いになりそうだったし、ごく自然にBJの応援をしてしまった。

ストラテジーはあきれるほどシンプルなのだと思う。要は、押さえつけて殴ろうというだけだ。相手との相対的な力量差を分析し、レスリング押しで行ったんだと語っていた。非常にわかりやすい。もちろん、それを全部、美しく遂行できるというのが普通のことではないと思う。

あえていえば、あの声やしゃべり方を含めて、男っぽさが足りないところがジャンボ鶴田的でいまいちのれないところか。「男」という虚勢だけでは所詮対抗しえないエリート、ということなんだけど。

次戦はチアゴ・アウベスだというが、ぴんとこない。GSPショーになるだけのことだ。この人は今後、誰と戦えばいいのだろうか。ジェイク・シールズといった他団体の王者?それともやっぱり、アンデウソン?

リョート・マチダ def チアゴ・シウバ
(1R4分49秒KO)
リョートの動きはまるでスローモーションのように見える。いや、そんなわけはない。ラスト数秒で押し倒してパウンドしてKOするんだから、無茶苦茶早いはずなんだが、それくらい無駄がなく美しいということだろう。判定決着ばかりの大会を救うのがリョートになるとは思わなかった。ニュー・リョート誕生にも見えたが、やっぱり対戦相手が格落ちだったんだということはあるのだろう。雑誌インタビューでリョートが語っていた件、たしかに彼は試合中、あまりまばたきをしてない。こわい。

ジョン・ジョーンズ def ステファン・ボナー
(3R終了判定)
まだ21歳というジョン・ジョーンズが規格外の動きを見せた。とにかく、昔の柔道家みたく、クルッとひねるような投げや崩しを連発。はてはフロント・スープレクスやジャーマン、ローリングエルボーやソバットまで炸裂させていた。古武道とプロレスのミックスのような不思議さであった。倒した後仕留めるレパートリーがまだ少ないようには見えたが、堅実なステファン・ボナーをころころと転がし続けていたのだから驚きの新人だ。レスリング・オブザーバ・ラジオによるとジョーンズは実際、ユーチューブでプロレスを見て、使えそうな技のインスピレーションを得ていると言うからますますご機嫌。

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【UFC94】“史上最高の一戦”はGSPの一方的な勝利に (MMA Planet)

UFC 94 Analysis: On Prominence and Possibility (Sherdog)

サン・ピエールの極真空手のベースは、バランスの良い現代MMAの形を作り出すベースになっている。ところがマチダの松濤館空手のベースは、思いもかけないようなスタイルを生み出している。この十年ほど、MMの設計図は「ムエタイ」「レスリング」「柔術」を正解として描かれてきたのであるが、マチダの圧勝は別の可能性があることを伺わせる・・・

・・・ジョーンズのようなダイナミズムを持った選手はこれまであまりいなかった。アスリートとしても驚異的だが、生まれつきのような調整力、レバレッジ、ボディ・コントロールが彼の本能を補強している。デビューして一年もたたないのに、この選手はMMAをプロレスのように見せてくれる。ジョーンズは将来のMMAの姿をちらっと見せてくれた。


Thoughts On UFC 94 (MMA Payout)

サンピエールのレベルの高さは、このスポーツの枠内で評価できるものではない。その逆なのだ。ジョーダンがNBAを、タイガー・ウッズがゴルフを再定義したように、サンピエールがMMAを定義しているのだ。

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完封された。(郷野聡寛BLOG)
郷野の入場は矢島美容室ということなんだろうけど、アメリカの複数のMMAサイトでは、シュープリームスの真似だろうと断言されていた。無理もない。

レット・ザ・サンシャイン・イン/またいつの日にかレット・ザ・サンシャイン・イン/またいつの日にか
(2001/09/27)
ダイアナ・ロス&シュープリームス

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大会後記者会見のダナ・ホワイト発言。レスリング・オブザーバのサイトにアップされていた音声ファイルを聞いた。

(郷野の入場について)
リハーサルから見てたよ。ホントにやるなんて珍しいね。彼のことは好きだし、これが日本流なんだろ。
おもしろい男だし、いい男だ。最後はケツを蹴られてしまったけど、ヤツは本物と戦ったんだから。でもあんな服装をしてくるなら勝つべきだったかな(笑)

(山本、宇野、石井、秋山について)
僕は長い間KID山本のファンなんだが、K-1と2試合契約が残っているらしい。引退する前に一度はここに来るのが夢だと言ってた。宇野はいつでもUFCの一員だと思っているし、話をしたよ。石井もそうだ。

日本は重要な市場だ。仕事をうまく進めるのがとてもとても難しい場所だけど・・・あいつらめ、ファック・・・進出をあきらめる理由はないよ。

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UFC HANDS DOWN $65,000 BONUSES FOR UFC 94 (MMA Weekly)

Knockout of the Night マチダ・リョート
Submission of the Night 該当無し
Fight of the Nightは次の2試合
クリス・ウィルソン vs ジョン・ハワード
ネイト・ディアズ vs クレイ・グイダ

レスリング・オブザーバのラジオショーによると、この日は判定勝ちにもつれ込みそうなマッチメークが多かったため(実際、8試合が判定決着)、ダナ・ホワイトからは、タップやTKOで試合を終わらせた選手には2万ドルのボーナスを払うとのお達しがあった模様。というわけでリョートはしめて8万5千ドルをゲット。ははーん、リョートのアグレッシブさはそのせいだったか?

WOWOWはもう何回も連続して、Fight of the Night を放送しそこねている。今回で言えば、どれかをカットしないと行けないとすれば、キムとカロパリの試合だろう。事後的には何とでも言える、という話ではない。結果を見ずとも、取り組み表を見れば、ネイトとグイダは熱戦が容易に予想できるだろう。ちょっと編集のカンがいくら何でも悪すぎないか。まあ、アメリカ人が50ドル近く払ってみている番組を見せてくれるのは本当にありがたいけど。

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B.J. Penn's Camp Files Formal Complaint Over Vaseline on St. Pierre's Back Between Rounds (Cage Potato)

BJペン陣営はネバダ州アスレティック・コミッションに対し、GSPが1Rと2Rの間のインターバルで背中にワセリンを塗っていたとのクレームを提出する。Fighters Only Magazine によると、2R開始時のGSPの体は文字通り、「ワセリンで覆われていた」という。大会後記者会見でダナ・ホワイトもこのクレームについて認識していることを認めている。

ダナ・ホワイト
「コミッションが跳び上がってぶち切れているのを見た。セコンドの一人がジョルジュの背中にワセリンを塗っていたと言うことだ。コミッションの担当者が駆けつけ、怒鳴り散らし、ワセリンを拭き取り、没収していたよ」

「背中にワセリンを多少塗ったくらいで、試合結果に違いが出るとは思わないけど、してはいけないことだ。もしセコンドが意図的にやったのなら、そいつは今後 MMA でコーナーマンを務めることは出来ない」

Penn Files Complaint Over Vaseline on St-Pierre’s Back (MMA Frenzy)

サンピエールは、1R終了後のインターバルで顔にワセリンを塗ってくれたトレーナーが、2R終了後に背中を撫でてくれたときに、同じ指をつかったので、ワセリンの残りがついてしまったが、コミッションの担当者がすぐにタオルで拭き取ってくれたのだと説明している。

ST. PIERRE TRAINER RESPONDS TO ALLEGATIONS (MMA Weekly)

問題のセコンドは Phil Nurse というトレイナーで、なんでもグレッグ・ジャクソンのチームのおまじないの一つに、背中を撫でて胸をたたく、というものがあるそうで、それをやっただけだという説明。チーム・ジャクソンの面々は、自分の乳首を捻り上げるという、品の良くないおまじないも浸透している。



>WOWOWの画面を見ていても、GSP ヌルヌルじゃないの?とは僕には見えた。実況の高柳さんもつい見たまんま、GSPヌルヌルしております的なアナウンスをしてしまっていた。ただ、顔へのワセリンは許されているので、汗で全身に流れ出ているのかなと思ってみていた。BJ のラバーガードが何度もヌルリと滑ってしまう様を見ていて、GSPはまるでひっかかりのない異常な撫で肩なのかなあとさえ考えていた(いや、実際小さな肩だとは思うが)。

コミッション係員が拭き取ったようなので、一応大きな問題にはなるまい。タオルで綺麗に拭き取れるものかなあ、とは思うけれど。

ついでにいえば試合開始早々のクリンチからテイクダウンを取ろうとするGSPは、ペンのトランクスをつかんでいた。ペンは大声で怒っていたが、うっかりするとドラゴンばりにお尻丸出しになりそうなシーンであった。事前の煽り番組では、GSPがベビーフェイス、ペンがヒールという描き方をされていたが、どうしてどうして、GSPは案外えぐい。ところでこの両者、前回の対戦では、ペンがGSPにサミング攻撃をしてしまったという経緯もあったらしい。無事には済まないカードということか。

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UFC参戦へ石井が条件提示(スポーツ報知)
石井はその場では契約せず持ち帰って検討。東スポモバイルによれば、石井とUFCとの独占交渉権は1月末で期限切れ、延長はしないとあった。

DREAMが年内にエリオ氏追悼興行開催(日刊スポーツ)

3.14後楽園でKrush!第2弾 元気、真弘、大月、山内の出場決定=全日本キック(スポナビ)

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戦極育成選手トライアウト告知のアマ修斗無断使用表記に関して (SHOOT NEWS)

1)ワールドビクトリーロードは株式会社サステインとの共催で、2010年よりプロフェッショナル修斗公式戦を行う。
2)これに先駆けてワールドビクトリーロードは、2009年のプロ修斗公式戦、およびアマ修斗への開催協力を約束する。


【戦極】第1回トライアウトを開催!アウトサイダー出場の不良や現役高校生が合格 (GBR)

戦極がトライアウトを実施、同時に修斗とのコラボレーションをすすめていくとある。このほか東スポモバイルによると、国保広報が来日中のアレクサンダー・カレリン氏と面談、ロシアのレスリング・メダリスト選手派遣にかんして協力を取り付けたという。これまでの所戦極のこういう話は、なかなかうまくリングに還元されていないように見えるが、とにもかくにも、選手調達チャンネルの多様化と底辺拡大に手を尽くしている様子は心強い。


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