猪木とアリだけに聞こえる犬笛

【UFN17】壮絶ライト級サバイバル戦+注目ファイター続々登場! (MMA Planet)

メインの「ローゾン vs スティーブンソン」と、ファイト・オブ・ザ・ナイトの「ジョシュ・ニア vs マック・ダンジグ」のみネット映像で見た。各選手ともあらっぽくもソリッドな打撃と、しっかりした柔術を備えたオールラウンダーで、もちろん全員若く、大変元気な試合だった。いずれも柔術に秀でた方が教科書的に美しいサブミッションで決着していた。過不足のない好試合。石井慧はまずはこういう舞台で力を試されるんだろう。

ここしばらく、UFC ではサブミッション・ボーナスを誰にも出せないくらい、サブミッション決着が見られていなかったが、ワセリンに関する新ルールを適用したとたんに、こうして美しいサブミッション決着が多数見られたというのは皮肉なものだ(10試合中6試合が関節技決着)。

敗れたマック・ダンジグは試合前、「日本人ライト級選手は弱い。アメリカに来る必要なし」と豪語していたが、メインで勝利を飾ったローゾンは「日本のスタイルが好きなんだ。日本人だからといって、かならずしもベストファイターばかりだとは言えないけれど、試合に関してはいつもベストファイトをしている」と発言している。やっぱりどちらかといえばローゾンかわいい。

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ProElite Closes Deal with Strikeforce; Retires Showtime Debt (Yahoo! Finance)

プロエリートは、エリートXCの資産の一部をストライクフォースに売却したと発表。この売却により、プロエリートは Showtime に対する負債全額を精算した。Showtime は引き続き、プロエリートの主要株主である。プロエリートCEOのチャック・チャンピオン「この売却を持って、プロエリートはほぼ無借金運営となった。今後は経営資源を、King of the Cage (KOTC)ブランドの開発に注力していく。このブランドは、Terry Trebilcock が設立し、これまで黒字運営を重ねてきた。テリーはMMA業界の最も有能なリーダーの一人だ。すでに百以上のイベントを成功させた実績があり、彼の指揮下で KTOC は業界の有力勢力であり続けると確信している」

プロエリートは引き続きエリートXCのブランドを維持する。プロエリートはこのほか、SpiritMCといった複数の海外ブランド、MMAビデオライブラリ、コミュニティ中心のウェッブサイトを保有する。また、アメリカのリアリティ・ショーの大家、マーク・バーネットと、新しいリアリティショーを共同製作することになる。

Q&A with ProElite CEO Chuck Champion (Sports Illustrated)

Sports Illustrated 掲載のチャック・チャンピオン・インタビューからポイントを抽出。

・プロエリートにはFox Sports Net との契約があり、リアリティ・ショーを製作し放映する予定。KOTC の試合放映のために別の局とも話をしている。

・Showtime はプロエリートの普通株主としてとどまる。持株比率は以前と変わらず20%。役員派遣もなく、特別な決議権もなく、プロエリートに強いコントロールが及ぶものではない。

・EliteXCブランドは保有し続ける。ShoXC ブランドはストライクフォースにライセンス供与。

・当面、ストライクフォースおよび選手の状況がきれいになるよう、出来る限りの支援をしていく。

・ストライクフォースに売却したのは資産の一部で、一部の選手契約も含む。ストライクフォースがほしい選手のリストを受け取っており、意に沿いたい。

・選手契約に関して、一部の契約書では、選手の配属について会社が全権を持つと書かれている。別の種類の契約書には、配属にあたっては合意しなければならないと書かれている。ただいずれにせよ、選手は契約の遂行に最善を尽くすという大前提についての条項もある。

・譲渡したビデオ・ライブラリーはエリートXC分のみ。

・プロエリートとヴァリッジ・イズマイウとの係争も解決。

・これから Cage Rage, Icon, Rumble World, SpiritMC と、今後のことを話し合ってゆく。


Sherdog のラジオショーにはストライクフォースのスコット・コーカーが出演、エリートXC契約選手150人のうち、ストライクフォースに移管できる選手は42名。これ以外に20名の選手と契約交渉を行うと語っている。また、現在NBCで放送中のストライクフォース番組は、契約が3,4ヶ月残っており、放映を継続するという。


>経営陣からエリートXC色が一掃、ずばり言えばバカ経営者は総退出、負債も解消し、かなりクリアな再建への道がついたように思われる。ここまで話を整えるのは大変だったろうと思う。チャック・チャンピオンも、途中経過では話せないことがたくさんあり、待ちくたびれている選手たちにも十分な情報がいっていなかった、申し訳なかったと率直に反省している。ここからの再スタートは、景気の悪い折、大変だろうが、いったんはかなりのハッピーエンドだと評価できると思う。プロエリートは上場企業なので、5日以内に、売却報告を証取に提出することとなっており、これは資料として公開されるので、その報告書で今回のディールのさらなる詳細、とくに、主要選手の動向などが明らかになると思われる。

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Seth Petruzelli, Bobby Lashley on Undercard of Roy Jones' March Fight (MMA Fanhouse)

プロボクサー、ロイ・ジョーンズ・ジュニアがプロモートする「March Badness」という大会が3月21日、ペンサコーラ市民会館で開催される。ジョーンズは無名の Omar Sheila と対戦。この大会では複数のボクシングマッチに加え、複数のMMAの試合も提供される。MMAの取組は、「セス・ペトルゼリ s ダグ・マーシャル」「ロイ・ネルソン vs ジェフ・モンソン」が決定しており、ボビー・ラシュリーも参戦するという。何となく気になる、不思議な大会である。

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WWEの新しい入場テーマ曲集 Voices が米ビルボード誌のアルバム・チャートで初登場11位を記録している。

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「猪木 vs アリ」特番を見た。試合をノーカット放送すると事前PRしていたように思ったので、テレ朝はチャレンジャーだなあと感心していたが、思いっきり圧縮されていて拍子抜け。試合に至る駆け引きは虚々実々ですなあ・・・実際に絵で見返すと、アリの表情は常にうそっぽい(笑)。「試合がキャンセルになると世界中から笑いものになる」(猪木)。そうかなあ(笑)。

さて、子供の頃にじっくり見たこの試合、その後大人になり、MMAも慣れた目で今回改めて見てみると・・・

●アリはローキックを受けすぎて右足が腫れ上がっていたけど、どうしてスイッチしなかったのだろう?前足をスイッチすればダメージを散らせただろう。ブッチャーが血を拭かないのと同じなのか?猪木の軸足のつま先に紙テープを貼らせる要望もさっぱり意味が分からないし、それをきまじめに遵守するレフリーもレフリーだ。

考えてみれば、ルール不明瞭な試合を裁くレフリーというのもご苦労な話だ。テープに注意するくらいしかやることがなかったのかもしれない。非常にお粗末かつテキトーに貼り付けられた紙テープが、かえって印象に残る。

●試合はおおむね、「猪木・アリ状態」だったのだろうが、この番組で見る限り、猪木は上半身を低く落としてスタンド状態で斜に構えるように向き合っている時間も結構あった。距離も中途半端だったし、非常に不用心で不格好に見えた。柳澤健氏は猪木のタックル能力の不足を指摘していた。それもそうなのだが、問題はそんなことだけではなくて、パンチへのディフェンスも特に優れているわけではないように見えた。ヘッドスピードは遅いし(ないし)、ガードは出来ていないし、現にジャブを額に受けていた。額に、というのも不思議な話だ。どうしてアリは距離を詰めて大虐殺をしなかったのだろうか。やろうと思えば簡単にできたと見えてならなかった。距離を詰める方が、ローキックももらいにくいだろう。

タックル能力があれば簡単にプロボクサーを寝かすことが出来るのか、といえば、それも素朴すぎる話だわなあ、考えてみれば。

●セコンドにはカール・ゴッチがいて、結構熱心にアドバイスしていたんだなあ。でもアドバイスは役に立ったのだろうか。

●それでも猪木らしかったのは、グラウンドでどさくさで繰り出した顔面へのヒジ。この辺はUFCファイターもびっくりのさすがの殺し屋ぶりである。プロレスラーでこれがあの場面で出来る人は他にいないだろうし、何の必要があったのかと思うとむしろぞっとする。

●そもそもどうしてアリは、「自分に挑戦する東洋人はいないのか」といったおかしなステイトメントを出したのだろうか?ボクサーとしての全盛期は過ぎていたと思うので、海外での試合や各種エキジビションマッチへのビジネス展開でも考えていた時期だったのだろうか?


・・・全く個人的な、根拠もない感想を言えば、柳澤氏の結論に異を唱えることにはなるが、やっぱりリアルファイトじゃなさそうだな、という強い印象を持つ。むしろ、できそこないのフィックス・ファイトに見える。結果は決まっていただろうが、プロセスや試合イメージがまるで合意できていないように見えた。両者の汚さと意地とアドリブ技術とサービス精神が入り交じって、結果的にたまたま、こういう成果物ができあがったと見える。あの存在感のないレフリーが、関節技禁止など複雑なルールのリアルファイトをテキパキ裁けるようにはとても見えない。試合中両者の間を飛び交っていた無言のコミュニケーションは、プロレスラー同士のものに他ならないようにも見えたし、そのコミュニケーションじたいはガチだったのかもしれない。

この試合を「リアル」として売りだした手法はきめ細かくて見事だったが、「リアル」をリアルらしく、かつおもしろく見せるかというリング・パフォーマンスにおいて、希代のアーティスト猪木もさすがに見誤った、もしくは方法論を持たなかったのではないかと見えたし、空気を読んだアリも、これでいいのか、どうすればいいのだと、戸惑っているようにさえ見えた。

仮にフィックス・ファイトだとしても、まことに心躍る、語りがいのある、贅沢な遊びではある。


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