検証:五味は老け込んだのか

これがニュースなのかどうか忘れたので一応。Sherdog がアンデウソン・シウバの練習の様子を伝える記事の中で、シウバの練習パートナーのホナウド・ジャカレイが、4月のDREAMに参戦することになっていると語っている。

2月26日付 編集手帳(読売新聞)
プロレス中継終了に寄せて

本当は ー 水垣選手のことについて / サイボーグの相手は日本人選手(シュウの寝言)

あ、それから、ストライクフォースでのサイボーグ↑の相手、決まりそうなんです。
これも同時進行で交渉していたのですが、4/11のサイボーグの相手は十中八九日本人選手になります。


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ゴン格の五味隆典のインタビューが、なんだか元気がなさそうに見えたので気になった。メンタル面で問題があったのではないかと思うほどだった。でも本当にそうなのか。そういえば五味という人、雑誌のインタビューもたくさん読んできているはずなんだけど、発言内容があまり記憶にない。過去の五味は何を言っていたのか、発言内容にどんな変化が見られるのか、気になって古い雑誌をめくってみた。参考にしたのは紙のプロレスの83,87,88号だ。適当に取り出した割には、2005年1月発売の83号には都合良く、「武士道のスーパースターが本誌初登場」とあった。当時の状況は、五味はここまで武士道5連勝で、2004年大晦日にルイス・アデレードを下し、試合終了後も殴り続けてリング上が修羅場と化すという、まさにイケイケの時期だ。

最新のゴン格を含め、インタビュー4本を立て続けに読んでみた。

>Start of Quote
●やりたい試合イメージ

殴り合いや取っ組み合いなんかは人間が生きていく上で一番原始的な部分だから。それに男の子だったら闘争心は誰でも持っている部分だと思うし、それを一番わかりやすい形で出しているスポーツだと思うんですよね・・・ゴチャゴチャ考えてもしようがないなと。リングに上がってぶっとばしゃいいや!と。(87号)

(いろんな選手から対戦要求があることについて)やりたくねえことはやらねえよ・・・KID選手とは戦ってみたいですけどね。これこそがドリームマッチだと思うんで。(87号)

最近いろんな選手が五味と戦いたいとかっていってますけど、逆に俺が今戦いたい相手は誰だろう、って考えたら、それは(ヴァンダレイ)シウバだって思ったんですよ。僕はメチャクチャ強くなりたくて格闘技を始めて、凄い男になりたかったですから。(88号)

(UFCを見て)上を取ってボコボコにする。あのスタイルは僕が格闘技を始めた頃からイメージしてずっとやってきたものです。まさにサンピエールがそうだったじゃないですか。日本のレスリング&パウンドのスタイルを作ったのは僕ですから。(ゴン格4月号)

(GSPのスタイルは最先端?)僕は「そうかな?」って思います。あのスタイルはよく分かりますから・・・とにかく戦う。細かいテクニックは気にせず本能のままに戦う。(ゴン格4月号)

●好きな観客

PRIDEのお客さんは先入観がないのが良いですね。やりやすい・・・お客さんがみんな、純粋に試合を楽しみに来てるじゃないですか。それこそ興奮して椅子から立ち上がって応援したりとか、そういうのは凄く好きです。で、逆に修斗のお客さんていうのは・・・やっぱり目が肥えてるんで、じーっと見てるんですよね・・・そういう反応が苦手なんですよ。「倒して殴りゃあいいじゃん、そっちの方が強えよ」って思ってるんで。(83号)

PRIDEのお客さんは、基本的に先入観無く、その場その場で楽しもうとしてくれているので、ノリとしては最高のオーディエンスでもありますから・・・俺、基本的に何でも楽しむことが凄く好きなんですよね。毎日楽しく生きていたい。(87号)

アメリカのファンのパワーは凄いじゃないですか。みんな立ち上がって自分たちで興奮のるつぼを作っている。(ゴン格4月号)

●酒と遊び

(2005年初頭は5ヶ月の試合間隔があった)何も考えずに遊んでましたよ。酒ばっか飲んでました。毎日毎日、酒・・・自分が格闘技やってなかったら、きっとこんな生活だったんだろうなって。そこら辺のとっぽい兄ちゃんが送るような生活にすっかりはまっていたんですよねえ・・・ホント驚きますよ、オフの時は、「本当にこいつ、格闘技をやってるのか」というぐらい思いっきり遊びますから。(87号)

(2005年5月、ルイス・アデレード戦のあと)楽しく過ごしてますよ。あの試合を見ていた方には想像も出来ないようなことばっかりして遊んでましたし・・・今の僕の生活スタイルや練習環境を知ったら驚きますよ。よくこの世界でトップでいられるなと思いますよ、きっと。(88号)

足が2週間くらい痛くて一ヶ月くらい飲み続けた(ゴン格4月号)

●しんどい状況

(修斗でヨアキム・ハンセンに敗れた頃)あー、あの頃はもう、どうしようもない時期でしたね。修斗に慣れてしまたって言うところもありましたし・・・ルミナさんに勝つためにずっとやってきて、だけど勝った後、その貯金を使い果たしちゃったみたいな感じはありましたね。(83号)

デビューしたての頃はメチャクチャな暴れ方をしていたんですけど、そのあとやっぱり、もっと抑えたスタイルで行かなきゃ行けないかな、って壁にぶつかったんですよ・・・ランキングを落としちゃ行けないという。じゃあおまえ、いつ弾けるんだ?と。(83号)

(武士道に対する責任感は?)あ、そうか、そうですね、なんだろうな・・・(83号)

ここでこけたら武士道の波に乗れないな、なんてネガティブに考えたら、こじんまりとした試合になっちゃいそうなんで。(87号)

僕自身は試合後、開放感に包まれていました。とにかく、やっと終わった・・・決まった相手と試合をする状況で自分からチャレンジすることも出来ず・・・
これでやっと自分の手で進んでいく環境が出来たと思うんですよ。今まではトップの舞台というレールの上に、関係者の方々が載せてくれただけ。(ゴン格4月号)

●コンプレックス

たとえば、自分のやってることって、良い高校や大学には行って就職してとか、そういう世界じゃないじゃないですか・・・自分には格闘技しかなかったから。つぶしが効かなかったんだよ。(87号)

自分がやっていることに対する劣等感も凄く強いわけですよ。でもいまは「クソ!今に見てろよ」という気持ちでやってるから。(88号)
>End of Quotes


この人、当時から発言が何もぶれてないことがわかる。同じことを喋っている。ファイトスタイルについては、直球のスピードが落ちてきたから変化球を覚えよう、といった発想は見られない。享楽的で、オフには酒浸り。無邪気な試合を無邪気に見てもらうのが大好きで、制度や組織に寄り添うのが大嫌い、そういうことは大卒がやってろ、今に見てろ、ということだ。

自分勝手な人である。

こういう人だから、去年一年間、ホントにつまらなかったんだろうなあと思う。で、つまらないとこの人、酒の方にいっちゃって練習できないんだと思う。おまけに戦極の客は静かだしさあ。

ただ、どう考えても、この人には自分勝手に弾けていただくのが一番だ。酒なんかより練習だと、心から思う必要があるようだ。自分勝手になる資格もあるだろう。30になって大黒柱になっても、良くも悪くも大人になった感じがしないというのは結構すごい。サラリーマンじゃないんだから、それでいいとおもう。そういう人を見たい。

で、五味に限らず、トップ選手が自分勝手かつ挑戦的であり続けるというのは難しい課題だ。やっぱり、ビジネスの現実とか責任感とか部下育成とか、いろんな問題が発生して好き勝手に行かなくなってくる。プロレスの世界だとだいたい、年を取ってベルトや序列に興味が無くなると、自分で興行をプロデュースしてみる、という方向に行く人が多いように思う。たとえば五味プロデュースのミニ戦極を、もちろんメインイベントは五味で、ドッカンドッカン湧くような小会場で開催、というのはどうだろう。やりたい試合をやることでやる気も出るだろうし、大卒サラリーマンたちと一緒に興行の雑用にもかかわれば、一人で悩まないでプロモーターをえぐく賢く利用する方法も見えてくるのではないか。

いや、実はわざわざ調べたわりには、あんまりネタも論点も出てこなかったという面はあるのだが、なにせ、特段に老け込んでいるわけではなさそうだ、とは思えたのはよかったという話。


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