MMA反対派の論理【金の問題・・・?】

Inside the Bellator Contract(MMA Payout)

まもなく旗揚げのベラトールの選手契約内容を、MMA Payout が紹介している。

●トーナメント参加選手のファイトマネー

一回戦敗退 10,000ドル
一回戦勝利 10,000 + 勝利ボーナス 15,000
準決勝敗退 25,000
準決勝勝利 25,000 + 勝利ボーナス 25,000
決勝敗退  40,000
優勝    40,000 + 勝利ボーナス 60,000

●ワンマッチ参加選手のファイトマネー

トーナメント勝利選手  7,000 + 勝利ボーナス 7,000
トーナメント準優勝選手 6,000 + 勝利ボーナス 6,000
準決勝敗退選手      3,000 + 勝利ボーナス 3,000
一回戦敗退選手 2,500 + 勝利ボーナス 2,500
(一勝するごとに基本給もボーナスも1000ドルアップ)

このような定型的な契約内容を一律適用することにより、コスト管理を容易にし、収支を建てやすくしているものと思われる。なお契約期間は36ヶ月または8試合の短い方。王者、トーナメント優勝者、準優勝者は18ヶ月3試合の自動継続になるという。Strikeforce や DREAM とも契約関係を持つエディ・アルバレスだけは例外だと見られている。

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キンボ・スライスが地元紙ナッソー・ガーディアンのインタビューに答えて、「ボクシングこそが自分が本当にやりたいことなんだ。ボクシングをとても好きだし、うまくやれると信じている。MMAはプロジェクトのようなものだ」と語っている。キンボはさらに、MMAでの契約が二試合残っているので、この契約が満了したあと、フリーになるとの意向を明らかにしている。

ところが、Figure4Weeklyの最新号によれば、ストライクフォースはまだ、二人のテレビスター、キンボ・スライスとジナ・カラーノとの契約を完了していないと報じている。

ボクシング転向希望はキンボの本音なのかもしれないが、MMA4戦の35歳のルーキーだ。あまり新しい挑戦は得策ではないだろう。MMA契約更新の交渉材料という気もしないでもない。

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ティト・オーティス夫人のジェナ・ジェームスソン(34)が双子を出産したそうだ。夫人は2004年に流産を経験していたという。ジェームスソンはポルノスターとして名をなしたが、最近では著述や香水ブランドの立ち上げなども手がけているという。

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NHBnews PROさんで、尾崎パンクラス元社長の出版を知る。「パンクラス 15年の真実 総合格闘技の舞台裏回顧録」。出版は以外にもエンターブレインだ。これは興味深い。

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Exclusive: Interview with N.Y. State Assemblyman Bob Reilly (Cage Potato)

アメリカ主要州の中でほとんど唯一、MMAを禁止し続けているニューヨーク州のボブ・ライリー議長のインタビューを抄訳。僕の情報収集の範囲ではあまり目にすることのない、反対派の意見についてのまとまったインタビュー記事である。

Q なぜMMAは人に害を与えると考えているのですか

A ルールがそうなっているだろう。PRIDEの5つの判定基準を知っているか?

Q プ、プライドですか・・・知っていますが。

A 判定基準の一つに、対戦相手に与えたダメージ、というものがある。私の知る限り、そんなことを勝利の基準にしているスポーツは他に一つもない。それどころか、他のスポーツでは、レスリングやボクシングを含めて、相手にダメージを与えるのは避けるべきこととされているんだ。でもMMAでは、それが目的だ。これで十分じゃないか。

Q でもPRIDEとUFCでは、だいぶルールも違いますし、ボクシングだって対戦相手が気絶するまで攻撃しますが。

A それが目的だとは書いてないだろう。私は子供の頃はボクシングのファンだったが、最近ではアマチュア・ボクシングとプロ・ボクシングの違いに注目すべきだと思っている。アマチュア・ボクシングがいまどれほど安全かご存じかね。打撃はその美しさを評価されるのであって、その根底にある力や、それによるダメージは評価しないんだ。

ある男がやってきて、柔術家である自分の甥っ子がMMAもやり始めた、その方が得なんだ、というんだ。私は興味があったので聞いてみた。どうやってボクサーやらなんやらに、柔術を極めるんだね。もしそれが実際有利なら、どうして人はMMAではなくて柔術を見ないんだね?なぜ柔術にはそれほど人気がないのだろうか。結局の所、私はこう考えている。MMAから暴力性を取り除けば、人気がなくなるんだと。ある種の人たちにMMAが強く支持されていることは知っている。大学のレスリングに人気がないのもうなずける。

Q 競技の目的が人に影響を与えるものでしょうか。判定基準を知らない人も多いのですが。

A 私はいろんな調査結果に目を通した。暴力は暴力を引き起こすということは証明されている。メディアを通してであれ、ライブ興行であれ、あきらかに、暴力は暴力を引き起こすんだ。人の暴力に対する免疫力を無くしてしまうんだ。MMAには、まさに学校では見たくないようなことが含まれている。われわれはいつも、学校でのイジメ問題や家庭内暴力についての法制化をすすめている。暴力を止めようと手を打っているときに、他方で同様の暴力行為を合法化するのでは、子供たちも混乱するばかりだろう。

ほとんどの人は、女性同士が髪の毛をつかみ合い、腹に膝蹴りを入れている様子を、攻撃的な態度と見なす。私もそう思う。アルティメット・ファイティングに賛成の人たちでさえ、これが高校生の間で広まっていて、地下室でMMAごっこが行われていることを認めている。そういうことを止めさせようとしているときにだ。

Q あなたは、MMAは州の経済にとっても害がある、と述べています。どうしてですか。

A UFCの調査によると、アルバニーあたりで興行を打つと、入場料収入で400万ドルが見込めるということらしい。そこから州税として50万ドルをお納めし、州の経済に還元しますと言っている。それはそれで結構だが、残りの350万ドルはラスベガスに持ち出されてしまうわけだ。

この国のほとんどのカジノは、貧困地区に囲まれている。我が州のターニング・ストーンというカジノ街に行くと、そこの経営者たちは、州で随一の経済発展に成功した街ですというのだが、アトランティック・シティやラスベガスと同様に、宮殿の周辺は貧困だらけだ。UFCはそういう人たちが経営しているんだよ。だから彼らがここに来ると、同じことが起きる。350万ドルを地域経済から持ち出すことを許すわけにはいかない。われわれはすでに、ギャンブルが不景気を立て直すのではないかという、間違った考えを実行してしまった。繰り返すわけにはいかない。

Q しかし、観光収入が増えたり、会場付近の経済活動が活性化したり、他州からカネが入ってくると言うこともあるのではないですか

A UFCが来るのは一日だけだ。しかも彼らが支払う収税は、ほんの雀の涙だ。MMAのロビーイストがしばしばやってきては、必要なものがあれば用意しますと言うから、ならおたくのPPV売上の資料を見せてくれと頼んでいるのだが、持ってこない。

Q では、ニューヨーク州出身の選手が、自分の州で戦って生計を立てたいと考える自由はどうなりますか?同郷の選手を応援したいファンの気持ちは?

A それはまともな質問ではある。

ときに、今ニューヨークでは、ワイン販売を、酒屋だけではなくて食料品店でも許可すべきかという議論をしている。私はこれに反対している。なぜなら、そんなことをすれば、州内の小規模な酒屋が倒産してしまうからだ。ほんとうなら魚市場や肉屋や花屋に行くべきところ、いまはみんなが巨大スーパーに行くだろう。そこで唯一買えないものがワインなんだ。私は小規模な酒屋を守りたい。彼らは地域経済に貢献している。だが賛成派の言い分も理解は出来るので、議論をしているわけだ。

あなたの質問に関してだが、その件については意見も多く寄せられている。でも私は、これが行政の仕事
なんだと思っている。行政は、なにをしてよいか、何をしてはいけないかを決める。行政は、これ以上の速度で運転してはいけないというし、食品店でワインを売ってはならないと言うし、ドッグファイト興行をしてはならないと言うんだ。

Q ではニューヨーク州では当分、MMAは解禁されそうにないと言うことですか。

A 率直に答えよう。年内は無理だ。将来的には事情が変わるかもしれない。たとえば、MMA推進派は、州税額を入場領収入の3%で計算しているようだ。私が調べたところ、10%徴収している州もある。このことを私が指摘すると、推進派は10%に読み替えて計算し始めた。いま私が興味を持っているのは、PPV収入だ。実は私はテレビ業界での職歴もあるのだが、あらゆるスポーツの収入源はテレビなんだよ。MMAの何千億という売上もテレビが中心だ。PPV収入から発生する税収を計算してみたいんだが、彼らは情報を持ってこないんだよ。


>ライリー氏の議論、とくに経済面での論建てには当然、批判も多い。カジノ地域のドーナツ化現象は、別にUFCのせいではない。そもそもUFCはカジノ会社でもない。また、売上をラスベガスに持って行かれてしまうと困る、という理屈では、州外に本社のある企業はニューヨークで一切の事業を行うことが出来ないという、鎖国に近い議論になってしまう。ハッキリ言って経済音痴丸出しだ。もっとも、そんなことは承知の上の、UFCに食われそうな地元のエンターテインメント業者に対する保護政策とも受け取れる。地元に声の大きな根強いファンがいそうな古狸だなあ、と思う。親方体質も強い。あんまり真に受けても仕方ない気もする。

ちなみにUFCは、税率10%の州では興行を打っていないし、打つ予定もない。ダナ・ホワイトはかつて、UFC100をハワイのアロハ・スタジアムで出来ると良いなあと発言していたが、ハワイ州での税率が10%になった途端、目もくれなくなった。

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[格闘技][UFC][経済][政策]そんな中、NY州とMMAと州税とPPV(OMASUKI)

http://omasuki.blog122.fc2.com/blog-entry-458.html 「アメリカ主要州の中でほとんど唯一、MMAを禁止し続けているニューヨーク州のボブ・ライリー議長のインタビューを抄訳。…あまり目にすることのない、反対派の意見についてのまとまったインタビュー…」とのことです、

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