ザ・日沖発アワー【戦極7】

「戦極~第七陣~」2009年3月20日(金)国立代々木競技場第二体育館(PPV)

日沖というニュースター誕生をわかりやすく提示してくれた、気分の良い大会だった。アップセットあり、戦極ガールありで、全体的に言って、DREAMのトーナメント一回戦よりも面白かったと感じたが、全体的なおもしろさというのは、事前の期待と事後の感想のギャップだと思うので、今回の戦極の私的な事前期待値の低さを考えると、絶対的というより相対的に面白かったというのが正確な表現になろうかと思う。でもそれって大切。

PPV冒頭で、解説の郷野が、就活中ですとカミングアウト。UFCからカットされたことを意味すると思われる。次の仕事場についてはまったく触れず。

●ニック・デニス、ロニー牛若、ジョン・チャンソンと、まず日本人三連敗は残念だけど、勝利者がとてもうれしそうで初々しい。金原正徳はふてぶてしくて良い。サンドロはずいぶん慎重に見えたが、最後はスタンドの方肩固め。クリエイティブ。

●小見川道大 def L.C.デイビス
酷くつまらない試合をする選手、という個人的印象が強かった小見川だが、こんなに強かったのかと見直した。郷野がトーナメント随一の強者と紹介したデイビスを完全に塩漬けに。ただ、一本決める感じがしなかったのも確か。
試合後のマイクで小見川「俺が負けると思ってたヤツら、くそったれ!」と絶叫しリングを去る。何かのパロディらしいが僕は元ネタは知らない。去り際に、「子供たちの声援に応えた小見川選手にもう一度拍手を」というシュールなアナウンスが流れる。この言葉をあとで子供たちにどう説明するのかわからないが、こういうのを見ると、いいヒールだなあと思う。

●ビッグ・ジム・ヨーク def ジェームス・トンプソン
懐石料理を淡々と食べていたら、でかいホットドッグがドンと出てきたような試合。このタイミングで出されるとすごくおいしい。戦極流のもてなしを受けているようでうれしい。煽りVではトンプソンが、「ジム・ヨーク、おまえをぶっつぶす、ウガー」みたいなことを言ってくれる。こういうことを言える人というのはやっぱり貴重だ。
ゴング&ダッシュも見せてくれたし、短めの豪快なKO決着で、爽快な箸休めとなった。フラッシュダウンにも見えたが、トンプソンはそのまましばらく硬直。レフリー好判断。

●ナム・ファン vs 門脇英基
「寝技仙人」というニックネームをもらった門脇が、たちあがりの打撃戦でもうまく戦っているように見えたのだが、その矢先にフックでいきなりKO負け。これは驚いた。門脇としてはこれ以上うんざりしなくて済んだわけである。
考えてみれば、「トーナメント、強い人ばっかりなのでうんざりです」というコメントって、一見謙遜しているように見えて、実は何試合かはすることを前提にしたような物言いになるので、割りに厚かましい。厚かましくても勝てばそれでいいのだが。
門脇を見てると桂春蝶を思い出すなあ。

●日沖発 def クリス・マニュエル
日沖が去年はトイカツ、バレット吉田、佐藤ルミナを軽々と下してきたのは全部見た。よく考えてみれば、どれをとっても本当に強くて美しい勝ち方だった。カナダでも壮絶な勝ち方をしたことは知ってはいた。それでも僕のなかで、それら勝利を線でつなげて、いかに日沖が凄いかという認識を形成するには至っていなかった。この試合、これまで自分はどこを見ていたんだろう、もっと楽しみを膨らませて見れば良かったと思うような、圧倒的な勝利であった。

アメリカやブラジルの若い選手が日本人を圧倒してしまって、ああ、なんかもう、フィジカルも新しさも全然違うよなあと、日本のMMAって大丈夫なのかなあ、と、うらやましいような気持ちになることがあるが、今日の日沖はそれをやり返してくれていた。何年も先を走っている選手に見えた。あまりこういう景色は見たことがない。さすが、ポスターに一人アップで映るだけのことはある。

●キング・モー vs 川村亮
戦極が誇るエンターテインメント部門担当の二人によるカチカチの試合。モーはチームメイヘム所属と紹介される。この試合はどう見ればいいのかなあ。川村が決めさせずにしのいだというべきなのか、しのぐことしか出来なかったのか。モーがよくここまで攻め込んだと言うべきなのか、攻めきれなかったと言うべきなのか。なんにせよ、そんなに実力差はないと思っていたので、好試合を期待したのだが、終わってみれば、何度やってもモーが勝つように見えた。川村のひどく荒い呼吸が印象に残った。

モーの入場時に気になっていた透明のビニール傘は、今回から布製の日傘にバージョンアップされていて一安心。レフリー・木村サミオ氏との絡みが定番化。
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