もう一つの猪木・アリ戦の真実 


レスリング・オブザーバ4月1日号に、デイブ・メルツァー版の「猪木・アリ戦の真実」とでも言うべき、長いエッセイが掲載された。なかなか難儀だが、抄訳してみた。かなり荒い訳であることはご容赦。メルツァーはリアルファイト説を採っている。

(引用始め)
1976年6月26日に武道館で起きたことの最も驚くべき点は、試合が本当に行われた、ということである。試合数日前になってアリが心変わりし、プロレスのジョブを拒否した、という経緯を考えれば、なおさらのことだ。

プロレス業界にとっても、史上最大の冒険だった。アメリカで始めて、クローズド・サーキット放映された試合であり、アリの210万ドルというギャラを一夜で稼いだレスラーは、90年代のプロレスブームの時期まで、他には一人もいなかった。もっともアリは本来ならワーク・マッチで600万ドルを約束されていたのだが。

歴史上、プロレス王者とボクシング王者を対戦させようとの試みは何度か見られた。20年代には、ジャック・デンプシーとストラングラー・ルイスの対戦が、50年代にはロッキー・マルシアーノとルー・テーズ、90年代にはマイク・タイソンとハルク・ホーガンも検討された。2003年にはWWEで「ブロック・レスナー vs レノックス・ルイス」の真剣勝負が検討され、ビンス・マクマホンはネバダ州のコミッションに、サンクション可能かどうかの問い合わせまでしているが、いずれも契約には至らなかった。

この試合のハイライトは、試合前の煽りであろう。フレッド・ブラッシーやゴージャス・ジョージを見て学んだアリの話術は、今日の選手と比べても卓越している。アリの話術はその後逆に、スーパースター・ビリー・グラハムやダスティ・ローデスに影響を与えたのである。

このプロジェクトのアメリカ側のまとめ役であったビンス・マクマホン・シニアは、アンジェロ・ダンディーに加えて、フレッド・ブラッシーをマネージャ役に指名、WWWEのリングでいくつかの煽りをおこなっている。たとえば、リングサイドのアリがゴリラ・モンスーン突進するも、飛行機投げで返り討ちにされるシーンが演じられ、繰り返し放送された。ジョバーと試合をして見せたこともあったが、アリの試合は素晴らしいものだったという。動きは俊敏で、タイミングは自然で、コメディのセンスもあった。もしアリがプロレスラーの道を歩んでいたとしても、やはりスーパースターになっただろうと思わせた。アリとブラッシーは全米でトークショーを繰り返した。

アメリカではこの試合は大事件とは言えなかった。ボクシングファンはこの試合をまともに取り合わなかったし、フォアマンやフレイザーといった一流の対戦相手なしには、アリ単独での興行成績もさほど大きなものではなかった。

アメリカのプロレスファンは猪木を知らなかった。自分の団体のアングルに忙しいWWWEも、この試合のプロモーションには熱心ではなかった。実際、クローズド・サーキットの結果も芳しくなかったのである。


試合数日前になって、この試合が日本でどれほどの大事件なのかを感じ取ったアリは、自分がとても汚いことに手を染めているような気分になった。八百長で負けることを期待されていると理解し始めたのである。それは選手にとって最悪のことだし、ボクシングの伝統にも不義理をしているように思えた。実際、数時間にわたって、試合はいったん、正式にキャンセルされた。

「アリがボクシング以外のルールで、見知らぬ選手とリアルファイトを行う」、というアイデアを案じる人は多かった。関節技を知っている者など誰もいなかったけれども、アメリカ人の習性で、猪木は空手の名人だと思われていた。

いくつかのルールが試合直前になって決まった。腰から下へのテイクダウン、拳を握ったパンチ、頭部とボディへの蹴り、スープレクス、サブミッションが禁止された。グレコローマン式のテイクダウンは許されたが、そのあとのグラウンド・アンド・パウンド攻撃は禁じられた。猪木がアリを掴んだ場合のロープブレイクが許された。ローキックだけが禁止事項から漏れたのは、当時は誰もローキックなど考えつかなかったからである。一言で言えば、猪木は、史上最強のヘビー級ボクサーと、金縛り状態で戦えと言われたようなものである。

それでも猪木は、これが生涯もっとも誇るべきものになると考えていた。ローラン・ボック戦など、シュートの経験があったこともあるが、いまさら撤退するには金銭的な損害が大きすぎたという事情もあった。新日本はそもそも、プロレスでアリを倒すことで、猪木を国際的なスターに育てようとしていた。

皮肉なことに、猪木は本当にシュートでアリを倒した(今日の視点で見れば、猪木が11ラウンド、アリが3ラウンド取り、1Rはイーブンだった)。しかし判定が引き分けであったために、猪木が期待した結果は何も起きなかった。日本では凡戦と酷評を受けたし、アメリカでは猪木は、「15R寝ながらアリの足を蹴った日本人の選手はだあれ」というトリビア・クイズの種になった程度だったのである。
(引用終わり)

*****

Sherdogは、「JZカルバン vs 川尻達也」が、5月26日のDREAM.9で実現すると報じている。ATT情報筋が明らかにしたもの。

Five Ounces of Pain によれば、日曜日にロシアで開催された ProFC5 というイベントにエミリャーエンコ・アレクサンダーが登場し、イブラヒム・マゴメドフと対戦。序盤の打撃戦でアレクサンダーはKO負け寸前となるも、あたふたとクリンチに行ったところ、マゴメドフの額からも出血があり、ドクターチェックの結果そのままTKO勝ちを収めたという。アレクサンダーにとっては精彩に欠く内容だったという。

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