雨上がりの所の夜空に【DREAM9レビュー】

『DREAM.9 フェザー級GP 2009 2ndROUND』レビュー

地上波を見ていたら、スーパーハルク・トーナメントがあってよかったなあと思った。内藤の試合でハラハラした後、いきなり川尻の試合をやるよりは、サップや美濃輪が出てくる方がチャンネルを Stay Tunedしやすい。煽りも楽しかった。カンセコは出てきただけで1000円だったし、セフォーのゴン太顔にもしびれた。唯一、ハントを冷静に寝かせて腕を捻るという、真っ当すぎておもしろみも何もない勝ち方をしたムサシだけはいただけないが、「ボケ殺し」なのだから仕方がない。PPVを見ていると、ハルク4試合は前座扱いというのか、あたかも別世界で開催しているかのような場作りだった。ハルクが終わった後、暗転していつもの開会セレモニーが行われ、世界定めがやり直されたのであった。すごくわかりやすいし、納得感が高い進行だと思う。

「ひさびさに興奮した!」小川直也がなぜかカンセコを大絶賛!!(Kamipro)
次はIGFなのかな?

川尻 def JZカルバン

なんだかいつも川尻の、たいした加点もないが減点もない感じの塩漬けゲームな試合だったと思うのだが(もちろん、JZが相手であることを思えば驚異的なのだが)、ちょっとしゃくなことにこの選手、あきらかに上昇気流に乗っている。ちょっとづつ、メジャーな香りが漂い始めてる。妙なものでそうなると、あんな試合でもあんな髪型でもOKに見えてしまう。試合後のマイクも突然のまさかのアニキ調で場を締めた。個人的には川尻を魔裟斗に当てるのは、魔裟斗が可哀想だと思うのだが・・・何故自分の引退ロードでMMAの選手をオーバーさせないと行けないのか・・・これでDREAMサイドは川尻を強く推すことになるのだろうと思う。


所 def エイブル・カラム

所の煽りVのBGMは反則技「雨上がりの夜空に」。そりゃグッと来るでしょ。試合は文句なく面白かった。だいたいこの人の場合、結果はコイントス並だとしても経過はいつだって面白いのだ。放送席は全員が解説業を放棄し所に声援を送り続けていた。セコンドも一丸になってるように見える。応援を吸収する人間だ。それだけでなく、応援する者を光らせる。前田御大もベビーフェイスに見えるし、バナナマン日村ごときも大物に見える。

全く余計な心配だが、所を見ていると、可愛げのある新入社員に、よってたかってゴルフのスイング方法を教えるサラリーマン集団を思い起こさせる。応援されすぎ、教え込まれすぎになっていないか?必要な者と不必要な者をドライに峻別できているのか?

次戦はKID戦もありえただろうにね。

それと、所というのは昔から、コイントスのように星を落とす人なのであって、可哀想だからあんまりもう、プレッシャーはかけてあげないで欲しい気もする。引退なんかされたらみんなが困るだろう。

ジョー・ウォーレン def 山本“KID”徳郁

煽りVはKIDの欠場の長さ・リングラストの不安をかきたてつつ、「神の子」なんだから、と、奇跡的な勝利を期待させる内容。まあ、そういう風に見てしまう試合だよなあ。入場花道からKIDらしからぬ重そうな、だるそうな、緊張しているような表情。試合開始直後も足取りは重く静かなままである。ジョー・ウォーレンが無駄にフットワークが軽いので、動と静のコントラストがいっそう引き立つ。ウォーレンがローキック。さっきの映像でドリルで穴を開けていたKIDの足にローである。たまらない。KID、首相撲の片鱗を見せるが、それもウォーレンの方が強い。試合は進んでいくが、KIDの動きがずっと重いままだ。ウォーレンでかい。ああ、これは勝てないかも。放送席が、「KIDにとって512日ぶりの試合であること」「KIDにとって初の10分ラウンドであること」を紹介。そうだよなあ。これは削られるよなあ。

判定結果はよくわからない。KIDらしいパンチはあったように思う。でもKIDの勝ちなら、ホームタウンディシジョンだよなと思っただろうと思う。

KIDの重さが、リングラストのせい、緊張のせいだけなのならいいな、と思う。

今回のトーナメント、ウォーレンにとってはおいしい所づくしとなった。なにせいきなり、チェイス・ビービ、KID山本に連勝である。高いお値段でWECでタイトルマッチデビュー可能な実績だ。


ビビアーノ・フェルナンデス def 今成

「ビビアーノが今成をビビリアーノ」の一言だったのではないかと思う。あんなにびびるとは思わなかった。ただ今成にしても、これだけのベテラン、ああして警戒してくる選手への対処策というのは持っているだろう。どんな妖刀も抜けないなら仕方ない。ちなみにビビアーノの下記のコメントはいただけない。客は今成に任せてあるので自分は知らんという風に見える。ならこっちもあんたなんか知らんと言いたくなる。

ビビアーノ・フェルナンデス
──ブーイングも飛びましたが?
ビビアーノ 日本人ファイターが闘っているのに、どうしてブーイングが飛ぶのか? こちらのほうが質問したいです。


●挨拶にリングに上がった菊野の若手実業家のようなプレゼンテーション力はなかなかのものだった。青木はシャオリン戦ということで、ハンセン戦ではないのだな。DREAMには、ハンセンのことをなにかアナウンスして欲しいものだ。メインイベントはあんなことになってしまったが、ファイトマネーはちゃんと出るんだろうかとちょっと気の毒になってしまった。ジャカレイもメイヘムも、オープニングでたいへん華のある、DREAMを背負う気概のあるような姿を見せてくれていた。任せて安心な人たちだ。

●今回は米MMAサイトでのDREAMのことが報道量がいつもにもまして多かったような印象を受けた。やはりカンセコが下世話な興味を引いたということもあるだろうし、平日と言うことで、他の大きな大会とバッティングしなかったことも大きいんだろうと思う。前回のDREAM8は、WECやレッスルマニアと同日開催だった。

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内藤大助 def 熊朝忠

 ドキドキハラハラのいい試合だった。内藤がゲームで勝って喧嘩で負けたような印象の試合だったので、内藤の再奮起が楽しみに思える。熊選手の試合ぶりは、最近はやりの、K-1戦士をきりきり舞いさせるMMAの選手のような感じだった。顔もウィッキー系というか、B系で喧嘩が強そうで、内藤のイジメられっ子キャラが際だった。あれだけ背が低くてリーチも短ければ、いくらパワーがあってもパンチが届かないだろうと思わせたが、踏み込みの早さやトリッキーさで、唯一の武器であるスーパーマンのようなフックを炸裂させ続け、内藤をおそらく2,3度、夢の世界に運んでいたように思う。しかし、熊選手の攻撃はワンパターンにも見えたので、内藤は事前に資料などをもらえていたのだろうかとの疑問を持った。顔を腫らせ血まみれの内藤は試合後、試合のしょっぱさを詫び、ワンマッチのために来場したファンに謝意を表していた。その言葉はとても良く響いてきた。

 TBS地上波放送はまず約30分間、内藤とKIDの過去の名勝負のダイジェストを流し、ついで内藤の試合を流した。ハラハラした展開のフルラウンド決着は、視聴率的にはずいぶんと都合のいい結果となっただろう。内藤の試合が終わり、DREAM に切り替わったときには、すでに3時間番組の半分以上が過ぎていた。横浜の映像に切り替わると、まずは佐藤隆太の嬉しそうなコールでミノワマンとサップが登場、エンタな時間の訪れを告げつつ、つかみはばっちりに見えた。

ドタバタ内藤戦は赤字2000万/ボクシング(スポニチ)
視聴率大王の世界王者、内藤を持ってしても、観衆917名(9割)だったそうだ。超満員、入れない人も多数、みたいなフィーバーにはならないのか・・・ボクシングのハードコアファンって、どれくらいいるんだろ?やっぱり亀田が足りないのでは・・・?

90日以内に次回防衛戦…内藤「むちゃくちゃだよな」(スポニチ)
WBCが決定したという。「90日は試合をするな」というならわかるが・・・

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内藤、視聴率もしょっぱかった!?(スポニチ)
『DREAM.9』地上波放送の平均視聴率は16.2%をマーク!!
谷川EPが正式オファーを明言! 川尻vs魔裟斗実現濃厚か!? 『DREAM.9』一夜明け会見(DREAM公式)

この視聴率について笹原EPは「数字としては大合格。満足いく数字です。本当にほっとしています」と語る


評価は対照的なようだが、DREAMにとってはノルマ達成のおめでたい数字。瞬間最高は所とKIDが19.1だったという。

ちなみに今日、DREAM10のDM葉書が届いていた。出場予定選手として、発表通りの菊野・フィリオ・ジダ・シャオリン・マヌーフ・青木の写真にあわせて、ミルコの写真も載っていた。

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8月2日戦極出場(中村和裕オフィシャルブログ)
戦極について(中村和裕オフィシャルブログ)

「中村カズが謎の不満爆発」と報じられた記者会見での謎の逆上を巡って独りごちているが、これを読んでもちょっとまだよくわからない。単なる一雇われ選手から、舞台の作り手という意識に進歩した、と言いたいのかなと思うが、だからといってどうして記者に切れてしまうのかがわからないし、そんなことは国保さんがトップについた時点でファンですらわかっていることで、今頃気がついたのだとしたらちょっと衝撃的な呑気さだ。なんでもいいから、もうちょっとおもろい試合をしてほしい。

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タイソン氏の4歳の娘がコードに首をひっかけて死亡(スポニチ)
これは痛ましい。ご冥福をお祈りしたい。


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