リョート幻想が止まらない!

米MMAサイトではマチダ・リョートの評判がすこぶる良い。

UFC98のカウントダウンショーは素晴らしい出来であった。これによるとリョートは空手をベースにした青年で、南米のアマゾン川河口のジャングルで年老いた賢父に鍛えられた。まるでニュー・ブルース・リーを誕生させんばかりだ。実際記者会見でリョートは映画をやるつもりはないのかと聞かれていた(彼がノーと答えたとき、ダナ・ホワイトは嬉しそうだった)。奇妙なことに、リョートの親子が会場に姿を見せると、彼らはファンに囲まれてしまうのだが、実際にはお父さんを囲んでいるのだった。お父さんこそが、すべての秘技を知り尽くしている、ミヤギ老人のように思われているからである。

リョートは英語の勉強中らしいが、いまのところは、事前に記憶しておいたフレーズを繰り返すというレベルらしい・・・彼と、彼の取り巻きに申し上げたいのだが、その英語力がマジックを起こしていることを理解して欲しい。彼がもっと勉強してスラスラ話し始めたら、せっかくのキャラが殺されてしまう!

一体誰が彼に勝てるのだろう?さっぱりわからない。負けない男などいるわけもないのだが、現時点ではリョートが長い長い期間、チャンピオンであり続けると思われる。実はラシャドが一番勝てそうな相手ではあったのだが、リョートにとっては朝飯前であった。ものすごくレスリングが出来る選手が5Rにわたってテイクダウンしトップキープし続けるという可能性ならあるかもしれない。そのときリョートがどうするかは、UFCでは未だ誰も見ていない。それにしても、彼はアンデウソン・シウバとスパーをしているらしいが、簡単に圧倒してしまっているらしい。恐ろしい話だ。

(Figure 4 Weekly 5月26日号)

最も稼げて競争も激しかったこのUFC最高の階級は、これまでの試合で一度もダメージを受けたことのない、ただの1ラウンドも落としたことのない選手によって制圧されることとなった。集客力については別の話である。UFCはこれまで、ミドル級を制圧しているアンデウソン・シウバを3年にわたりプロモートしてきたが、いまだに彼がPPVを売るという証拠は見いだせていない。これに対しマチダはとりあえず、ユニークな個人として売り出されはじめた。秘術的なマーシャル・アートのバックグラウンドを持ち、空手の師匠町田嘉三センセイの息子で、これまでMMAでうまくいったことがないような技を再生させているのである。

(レスリング・オブザーバ6月1日号)

一見完璧なMMA選手の欠点を知りたければ、マチダと戦わせればいい。普通なら誰も気がつかない些細な技術的な欠点が、痛々しく明らかにされる。

エバンスはフットワークに問題があって、十分に間合いを詰めて打撃を当てることが出来ないのはないかと思っていた。エバンスの打撃コーチも、彼のフットワークは進化途中であると認めている。それにしても、エバンスのフットワークがこんなにまでも明白にされるとは思いもしなかった。

1R残り1分、マチダは非常に近い間合いでエバンスを捕獲する。単純なフェイントでエバンスにローキックを意識させておいて、その直後に高々とハイを蹴り上げようとする。ところが実際には、かれは左ミドルと左のショートフックを繰り出し、エバンスからダウンを奪っている。

2R。エバンスは前足を繰り返し、特に理由もなく浮かせている。カラスのようにマチダに迫り、足を浮かせる。そして、浮かせた足を降ろしたときに、こんどは後足を上げている。マチダは両足でしっかりと立っている。マチダのパンチが決まったとき、エバンスは宙に浮いたような状態で、つま先が床につこうとしていた。30秒後、エバンスは枝が折れるように沈んだ。

MMAでは選手もファンもトレイナーも、一般的なことを考えすぎる。試合後エバンスは、マチダに先に打たせて、カウンターを狙うのが作戦だったと語っている。彼がこれまでの戦いで選択してきたやり方だ。考え方が間違っているわけではない。ただ、その作戦だけでは、実際にエバンスがどうやって間合いをつめ、相手に打撃を与えるのかについての具体的な技術の目安にはならないのである。

Sherdog

まるで野球の優れたバッターのように、マチダの目は驚異的だ。彼の打撃は恐ろしく正確であるだけでなく、敵のちょっとした身体の動きを普通の選手よりもずっと速く事前に読み取る。ボクシング技術のある選手が、ジャブを打つために後足を駆動すると、マチダはその瞬間を捉えて一気に間合いを詰め、相手が防御できないタイミングでハイとローを同時に打ったりする。

(Sherdog )

フィニッシュは対戦相手がもっとも傷つきやすい瞬間を掴むことでもたらされる。その瞬間をマチダは、虚と呼ぶ。

「虚とは基本的には敵が防御できない瞬間をのことだ。僕はそれを研究し、正しい虚に攻め込むことにしている。彼のミステイクを計っていたんだ。」

(MMA Weekly)

リョートの技術DVDで印象に残ったのは次の2点である。ひとつは、空手から応用されたフットワークは非常にスピーディで効率がよいということだ。あらゆる動きに訳があり、むだなエネルギーは消費されない。第二に、優れたポーカーの選手のように、マチダは自分が次にやろうとしていることの目印をけして見せない。いろんな技術を通して、マチダが強調するのは、技術を駆使する前、駆使している間、駆使した後、自分のベース・スタンスに戻ることの重要性だ。そうすることで、マチダは自分の攻撃意図を可能な限り隠し、相手が反応する時間を減らす。

(BloodyElbow)

>Lyoto のDVD、Machida-Do Karate for Mixed Martial Arts (4-DVD Box Set)は米Amazon で検索可能であるが、今見たところ、在庫無し、となっていた。

*****

次期ジ・アルティメット・ファイター10のコーチ役に、ランページ・ジャクソンとラシャド・エバンスが就任したとスパイクTVが発表した。ライトヘビー級の両者だが、今回はヘビー級選手を育成する。とくに発表されてはいないが、年末に両コーチが対決するのが恒例となっている。

ランページはリョートの次の挑戦者か、とも見られていたが、MMA Payout によるとリョートは自らブログで、次の試合は9月にラスベガスで!と明らかにしたと報じており、ランページとラシャドがコーチに就き、フォレスト・グリフィンは8月にアンデウソンと戦う以上、マチダの対戦相手はショーグンと言うことになるのではないかと分析している。BloodyElbowは、ショーグンが今日、ダナ・ホワイトと会合を持ち、「ビッグファイト」の話し合いをしたとの噂を報じている。ただ、これまでの報道ではUFCは9月にラスベガスでの大会を予定していない(9月16日オクラホマシティ、9月26日フェニックスが噂されている)。

*****

アフリクションが既報の第三回大会を正式発表。



第4回大会についてはトム・アテンシオが、日本で大晦日にやりたいとの旨を発言している(BloodyElbow)。Kamipro のワジム・フィンケルシュタインのインタビューにも、大晦日に日本でヒョードルの試合を組みたいと発言している。

*****

ジナ・カラーノのインタビューが MMA Fanhouse にあった。これによると、ストライクフォースとの契約は間近で、試合は8月大会になりそうだのこと。久しぶりの試合ではあるが、チューンアップ・ファイトは挟まずに、いきなりサイボーグと戦うことにしたいと語っている。

ストライクフォースとの交渉がここまで長引いたことについては、「金銭問題と権利問題。これまで選手にとって不利な契約を経験してきたので、今回交渉の機会を活用して、すべてを想定の範囲内に置きたかった。多くの選手が生活や権利を契約に捧げているし、交渉できる地位にいない。交渉が出来るポジションにいるというのは幸いだった」とあけすけに語っている。たしかにジナの権利、高そうである。

スポンサーサイト

トラックバック

[格闘技][UFC][ブログ]不人気リョートが「東洋の神秘」路線でブレイク?そしてパパも「リアル・ミヤギ老人」で人気

http://omasuki.blog122.fc2.com/blog-entry-523.html が、海外メディアのLYOTOルポを紹介している。 ■「リョート幻想が止まらない!」 ・・・UFC98のカウントダウンショーは素晴らしい出来であった。これによるとリョートは空手をベースにした青年で、南米のアマゾン川河

毎週更新!

Ad

Ad

MMA Update