DREAM10レビュー

格闘家キモ(41)が7月20日、心臓発作のため亡くなったという報道があった。
十字架を背負った入場でおなじみ。初期UFCでホイスやパトスミ、桜庭らと戦った。
Kimo Leopoldo Dead At Age 41(MMA Opinion)
Report: Kimo Leopoldo dead at 41 because of heart attack complications (MMA Mania)
MMA Mania には、情報の信憑性が疑わしい可能性があるとの記述がある。

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「DREAM.10ウェルター級グランプリ2009 決勝戦」
2009年7月20日(月・祝)さいたまスーパーアリーナ

○青木真也(判定3-0)●ビトー“シャオリン”ヒベイロ

おお、これはUFCの試合を見ているようだった!対戦相手をニュートラライズして、一本を狙わず判定勝ちを狙うという、実にゲームライクな、だからこその「えぐみ」や「いやらしさ」のある試合だった。こんなに「戦術」がハッキリした試合というのは、いや、試合だけじゃなくてサラリーマンの仕事などでも同じだが、日本人離れしている。ブラジル人やアメリカ人の手口である。日本人なら普通はもうちょっと揺れてしまったり、外野の空気を読んでしまうものだ。まあ、空気を読まないと嫌われがちにはなるんだけど。ある意味、シャオリン、ざまー見ろという気分になれた。

戦術を遂行することの出来る青木の立ち技も、詳しくは解らないが、結果を見ればグッドイナフだったと言わざるを得ない。フォルム的にはニック・ディアズに似ている。長いリーチでふんわりとよく当たる。ただ、「青木はアゴが弱い」という前提知識(先入観?)があるので、冷や冷やしっぱなしではあったのだけれど。

青木のこの試合ぶり、今後もずっとこれをやられると辛いかもしれないが、今回はワンマッチだし、メインイベントでもゴールデンでもないし、相手が相手だし、周りの目を気にせず楽しんでいる様子が伝わってきたし、進化過程には実験的な試合も必要だと思うので、良かったんじゃないか。こういうこともかっちりと出来るんだ、と思ったし、これならアメリカでもいやらしく勝ち続けることができそうだ。大黒柱をぎこちなく自負するより、こういう自分勝手さ・意地悪さの方が青木のキャラにははまってるんじゃないかなあ。

煽り映像の内容は、あんまり意味はないんだろうと思う。判定決着になりますよと予告していただけだろう。青木のコスチュームはまことに奇妙であった。ロディ・パイパーかと思った。試合後コメントも見方次第では悪くはない。さすがに図に乗りすぎかと思ったが、やるなら徹底すべきなのであって、翌日謝るくらいなら最初からすべきではない。

DREAMウェルター級GP準決勝
○マリウス・ザロムスキー(KO 1R4分3秒)●桜井“マッハ”速人
DREAMウェルター級GP決勝戦
○マリウス・ザロムスキー(KO 1R2分22秒)●ジェイソン・ハイ

ああ、マッハは訳の分からない攻撃で犬死してしまったなあ、あっけないものだなあと思ったが、決勝でも同じ変テコなハイキックが炸裂だったので、よほど有効な攻撃なのだろうなあと納得させられた。フィニッシュシーンにミルコの香りまで漂ったのは皮肉なものだ。それにしても、この顔ぶれのベスト4からザロムスキーが勝ち残るとは、一体誰が予測できたことであろうか。DREAMウエルター級王者、マリウス・ザロムスキー。まだ、その響きに違和感があるし、明日になっても名前を正確に言えるかどうか定かではないが、もともとニュースター輩出というのは、トーナメント形式の一つの必然ではある。せっかくなので、DREAMの救世主的存在に巨大化してくれるといいと思う。去年のチャンプはなんだかなあなので、どんどん防衛戦をしてくれ(誰と?)。

しかし往々にして、一日複数試合の決勝戦というのは、あっさりした決着になるものだなあと思う。去年のムサシ、ハンセンの優勝も、思いの外あっさりしていたし、思えばショーグンがアローナを倒したときもあっという間の決着だった。

ちなみに地上波版では「ガウヴァオン vs ハイ」がダイジェスト放送だった。ガウヴァオン優位に見える編集が不思議だった。ユンドンシクの試合はカット。

○パウロ・フィリオ(1R2分36秒 腕ひしぎ十字固め)●メルヴィン・マヌーフ
これは無茶苦茶楽しい試合だった。まさにFight of the Night。フィリオの心身のコンディションが懸念されたが、懸念などしている暇がない展開だった。アメリカでいったん崩壊したフィリオ幻想、日本ではまずは維持することが出来た。ミドル級戦戦、楽しみである。DREAMミドル級のレジェンド軍団にちょうどいい選手かもしれない。

○菊野克紀(TKO 1R3分47秒)●アンドレ・ジダ
いきなりのラッシュをくらいフラッシュダウンを取られたときには終わったかと思ったし、ニヤニヤするばかりで全然動かないので、どうしたことかと心配したが、気がつけば謎の微笑みでジダを混乱させ、すっかりペースを取り戻していた。DEEPでも見せなかった、あの顔、あの構え。なぜジダが委細構わず殴り散らして来ないのか、映像で見る限り不思議だったが、何を考えているのかまるでわからず不気味なものだったのだろう。最後は三日月蹴りらしき前蹴りを効かせておいて、バックマウントからこの上なく残忍なパウンドでスカ勝ち。

この人、エリートの匂いがするし、ちゃっかりと何かを成し遂げそうな雰囲気はある。まぶしい。けど、これほど前途洋々・自信満々だと、恥ずかしいけど正直、ちょっとイラッとする(笑)。試合後コメントを見ても春山茂雄かぶれみたいで薄気味悪いし、ジダが善人に見えてくる。まあ、おおいに楽しみだ。

菊野試合後コメント(DREAM公式)

──試合中に笑っていたように見えましたが。
菊野 やっぱりそうでしたか(笑)。それがこの前からなんですよ。プラスの感情しか出てこなくて。あのジダ選手とド突き合いができるということでアドレナリンなのかなんなのかよくわかりませんが、脳内麻薬というか、頭がポーッとする、心地良い感じを自分の頭の中で作れるようになりました。それが出てるんだと思います。最近は練習でもよく笑ってます。


アンドレ・ジダ試合後コメント

──菊野選手の打撃はいかがでしたか?
ジダ 私が攻撃しようとすると、彼は引いて。冷めた試合というか、そういうことを想定していなかったので。彼にはメリットがあると思いますが、私にはやりづらい試合だったと思います。



あと、地上波では桜庭登場のシーンに「重大発表」とテロップを打っていたので、まさかのUFC出陣ではないかとドキドキしてしまった。ダナ・ホワイトが「度肝を抜くミドル級選手を獲得した」と煽るせいである。

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MMA Weekly 等の報道や、昨日明らかになったカードをまとめておく。

DREAM.11 10月6日横浜アリーナ

青木真也 vs ヨアキム・ハンセン(ライト級王座戦)
ジェイソン・ミラー vs ホナウド・ジャカレイ(ミドル級王座戦)
ジョー・ウォーレン vs ビビアーノ・フェルナンデス(フェザー級GP)
所英男 vs 高谷裕之(フェザー級GP)
ゲガール・ムサシ vs ソクジュ (スーパーハルク)
ミノワマン vs チェ・ホンマン (スーパーハルク)
アンドリューズ・ナカハラ vs ゼルグ・弁慶・ガレシック
JZカルバン vs tba
桜庭和志 vs tba

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S・ウイリアムス現役引退発表(スポナビ)

引退発表を行い、引退試合にまで出場できるハコビとなったのは、本当に良かったと思う。病状が芳しくないという報道を目にした時期もあった。強いなあと思う。

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次の米ボクシングのビッグマッチは11月14日、「マニー・パッキャオ vs ミゲル・コットー」。ラスベガスからPPV。同日にUFC105英国大会あり。ソース Yahoo! Sports

また、フロイド・メイウエザーがMMAについて発言。「ボクシングの世界で圧倒的な存在は、黒人選手とヒスパニック系の選手だ。人種差別ではないのだが、白人で圧倒的なボクサーは存在しない。というわけで彼らは別の場所に行って、何か新しいものを作らなければなから無かったんだ」ソース Cage Writer


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